

「bmwr12s」で検索されるBMW R 12 Sは、BMW Motorradのヘリテイジカテゴリーに属する大型ロードスポーツです。単なるクラシック風のバイクではなく、1970年代に登場したBMW R 90 Sをモチーフに、現代の走行性能、安全装備、快適機能を与えたトリビュートモデルとして位置付けられます。
最大の見どころは、ラヴァ・オレンジ・メタリックの専用カラーと、フロントまわりを引き締めるビキニカウルです。タンクやシートカウルのマットアルミニウム調アクセント、赤いステッチ入りシート、ブラック仕上げの倒立フォーク、スモークスクリーンなどが組み合わされ、往年のスポーツBMWを知るライダーには懐かしく、初めて触れる人には新鮮に映る造形になっています。BMW MotorradはR 12 Sについて、R 90 Sのシルエットやカラーリングを想起させながら、現代のテクノロジーと快適性、走行ダイナミクスを備えたモデルだと説明しています。
bmw-motorrad(https://www.bmw-motorrad.jp/ja/models/heritage/r12-s.html)
ベースにはR 12 nineT系のプラットフォームがあり、空油冷ボクサーツイン特有の横方向に張り出したシリンダー、鼓動感、アクセル操作に対する独自の反応を楽しめます。水冷スーパースポーツのように高回転だけを追い求めるバイクではありません。エンジンの存在を感じながら、ワインディング、郊外路、都市部の流れを気持ちよく走るためのモダンクラシックです。
BMW Motorrad公式:R 12 S
BMW R 12 Sは、排気量1,169ccの空油冷2気筒4ストローク・ボクサーエンジンを搭載します。最高出力は80kW(109PS)/7,000rpm、最大トルクは115Nm/6,500rpmです。スペックの数字だけを見ると、リッター級スーパースポーツより最高出力は控えめに見えるかもしれません。しかし、重要なのは日常で使いやすい回転域の太いトルクと、ボクサーエンジン固有の力感です。発進、追い越し、コーナー脱出といった場面で、必要以上に回転数を上げ続けなくても力強く前へ出やすい性格です。
駆動方式はチェーンではなく、BMWらしいカルダンシャフトです。チェーン車に比べて清掃・注油・張り調整といった日常的な手入れの負担を抑えやすく、長距離ツーリングや雨天走行後の管理を少しでも簡素にしたい人に向きます。一方、駆動系の状態確認やメーカー推奨の定期点検は欠かせません。メンテナンスフリーではなく、メンテナンス項目が異なると考えるべきです。
| 項目 | 基準・内容 | 備考 |
|---|---|---|
| エンジン | 空油冷水平対向2気筒、1,169cc | DOHC、4バルブ、センターバランサーシャフト採用 |
| 最高出力 | 80kW(109PS)/7,000rpm | 公道で扱いやすいトルク重視の特性 |
| 最大トルク | 115Nm/6,500rpm | 加速や登坂、タンデム時にも余裕を作りやすい |
| 変速機・駆動 | 6速MT・カルダンシャフト | チェーン注油が不要でツーリング適性が高い |
| シート高 | 795mm | 足着きは体格、靴、サスペンションの沈み込みで確認する |
| 車両重量 | 220kg | DIN空車時、走行可能状態での公表値 |
| 燃料タンク | 16L | WMTC燃費は19.6km/Lと公表 |
| タイヤサイズ | 前120/70 ZR17、後180/55 ZR17 | 前後17インチでスポーティな走りに対応 |
安全・快適装備もR 12 Sを選ぶ大きな理由です。標準でBMW MotorradインテグラルABS Pro、DTC(ダイナミック・トラクション・コントロール)、RAIN・ROAD・DYNAMICのライディングモード、クルーズコントロール、グリップヒーター、ヒルスタートコントロール、ギアシフトアシスタントPro、LED灯火類、USBポートなどを備えます。クラシックな見た目でありながら、装備内容は実用的な現代車です。
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BMW Motorrad公式:R 12 S データ&装備
R 12 Sの走りは、「速さの競争」よりも「走る時間の質」を大切にするライダーに合います。109PSという出力は不足を意識させにくく、115Nmのトルクによって一般道から高速道路まで余裕を持って走れます。特に中低速から中回転域での扱いやすさは、ストップ&ゴーがある市街地、アップダウンの続く山道、荷物を積んだ一泊ツーリングで実感しやすいでしょう。
前輪には45mm倒立フォーク、後輪にはパラレバー機構を採用し、前後サスペンションストロークは120mmです。フロントはスプリングプリロード、伸側・圧側減衰力を調整でき、リアもプリロードと伸側減衰力の調整に対応します。純正状態でも完成度は高いものの、ライダーの体重、積載量、タンデム頻度、好みの乗り味によって適切な調整は変わります。購入後に「硬い」「跳ねる」と判断する前に、タイヤ空気圧とサスペンションの初期設定を販売店に相談するのが合理的です。
一方で、220kgの車重は取り回しで意識するポイントです。低速でのUターン、傾斜のある駐車場、砂利や荒れた路面での押し引きは、軽量なミドルクラスと同じ感覚では扱えません。また、水平対向エンジンのシリンダーが左右に張り出すため、足元の幅や停車時の感覚にも慣れが必要です。必ず試乗車または展示車で、跨ったときの足着きだけでなく、エンジン停止状態での引き起こしや数メートルの押し歩きも確かめてください。
BMW R 12 Sは、日本のBMW Motorrad公式サイトでメーカー希望小売価格2,977,000円(税込)と案内されていましたが、同ページには「販売終了」との表記もあります。そのため、これから探す場合は正規ディーラーに在庫・入荷予定・認定中古車の有無を確認し、条件のよい個体を見つけたら装備内容や保証条件まで含めて比較する必要があります。価格だけでなく、登録諸費用、保険、アクセサリー、点検整備、消耗品を含めた総額で判断しましょう。
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中古車を検討する場合は、走行距離の少なさだけで優劣を決めないことが重要です。短距離走行ばかりで保管状態が悪い個体より、定期点検が継続され、バッテリー、タイヤ、ブレーキ、油脂類が適正に管理されている個体のほうが、安心して乗り始められるケースがあります。新しいモデルでも、保管環境と点検履歴は必ず確認したい項目です。
維持費では、排気量1,000cc超の大型二輪としての税金、任意保険、車検、タイヤ代、純正部品代を見込む必要があります。前後17インチのラジアルタイヤは選択肢が多い反面、スポーツ寄りの銘柄を選べば交換費用も上がります。走行性能を重視してハイグリップタイヤを選ぶのか、耐摩耗性とウェット性能を優先するツーリングタイヤにするのかで、交換サイクルとランニングコストは変わります。
また、R 12 Sは専用外装やオプション719系パーツ、スポークホイール、独特のカラーリングに価値を感じるモデルです。転倒によるカウル、シリンダーヘッドカバー、レバー、ミラー、ホイール周辺の損傷は、一般的なネイキッドより修理費が高くなる可能性があります。任意保険の車両保険、ロードサービスの範囲、盗難対策、保管場所の安全性も、購入時に一緒に検討するべきです。
BMW R 12 Sが特に向くのは、最新スーパースポーツの絶対的なラップタイムや最高出力ではなく、エンジンの個性、歴史的背景、所有する満足感、休日のワインディングやツーリングでの心地よさを重視するライダーです。R 90 Sの系譜に惹かれる人はもちろん、空油冷ボクサーの造形や、機械としての存在感がある大型バイクを求める人にも魅力があります。
反対に、毎日の通勤で狭い駐輪場に出し入れする、軽い車体で頻繁に街乗りをしたい、タンデム中心で積載量を最優先したい、サーキットで限界性能を追求したいという場合には、別のカテゴリーも比較候補に入れたほうがよいでしょう。R 12 Sは幅広い用途に対応しますが、何でも最適にこなす万能車というより、デザインと走りの世界観に明確な魅力を持つ一台です。
購入判断では、まず実車のラヴァ・オレンジ・メタリックが自分の好みに本当に合うかを確認し、次に795mmのシート高と220kgの車体を扱えるかを試します。そのうえで、普段の走行距離、駐車環境、高速道路の利用頻度、荷物の量、将来のカスタム計画を整理してください。R 12 SにはR 12 nineT用の純正アクセサリーを活用できる選択肢もあり、サイドバッグなどを加えればツーリング仕様へ寄せることも可能です。
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bmwr12sを選ぶ価値は、スペック表の数字だけでは測れません。街に停めたときの佇まい、走り出した瞬間のボクサーらしい鼓動、景色のよい道を一定のリズムで流す時間まで含めて、自分が長く乗り続けたいと思えるかが核心です。価格、車重、保管、維持費を冷静に確認したうえで、その個性に強く惹かれるなら、R 12 Sは所有するたびに選択の意味を感じやすいBMWになるでしょう。