

あなたは予選で好成績でも45位以下なら即敗退します。
モトクロス・オブ・ネイションズ(Motocross of Nations、MXoN)は、1947年に第二次世界大戦後初の国際モトクロス大会として誕生しました。第一回大会はオランダ、ベルギー、イギリスの3ヶ国のみで争われた小規模なイベントでしたが、その後世界規模の大会へと発展しています。
この大会はFIM(国際モーターサイクリズム連盟)が主催する世界選手権格式の大会で、毎年秋に開催されます。モトクロスのワールドカップとも呼ばれ、その歴史はロードレース世界選手権よりも古いです。
参考)モトクロスのワールドカップ 2022 モトクロス・オブ・ネイ…
大会は世界選手権MXGPシリーズ終了後に行われることが恒例となっており、72年以上の歴史を誇ります。2011年にはモンスターエナジーがタイトルスポンサーに就任し、現在は「モンスターエナジー FIM モトクロス・オブ・ネイションズ」として開催されています。
国別対抗という形式が最大の特徴で、各国を代表する3名のライダーがチームとして総力戦を繰り広げる点が、個人戦中心の他のモトクロス大会とは大きく異なります。まさにモトクロス界のオリンピックと呼ぶにふさわしい大会ですね。
参考)NATIONS
モトクロス・オブ・ネイションズのレギュレーションは、通常のモトクロスレースとは大きく異なる独特なシステムを採用しています。各国はMXGP、MX2、オープンの3クラスから1名ずつ、計3名の代表ライダーを選出します。
予選段階では、各クラス20分+2周の予選レースが行われ、各国内の上位2クラスの順位をポイントとして計算します。つまり3人中最悪の成績1つは除外されるということです。この合計ポイント数の少ない順に上位19カ国が予選通過となります。
予選20~31位の国は「Bファイナル」、32~44位のチームは「Cファイナル」で復活戦を戦いますが、45位以下はこの時点で即座に敗退となります。予選で27~28点程度が予選通過ラインの目安とされています。
決勝レースは2クラスずつの混走(40台)による30分+2周のレースが3レース行われ、各ライダーの順位をそのままポイントとして計算します。6レース中、上位5レース分のポイントを合算し、その合計ポイント数の少ない順に総合順位を決定します。延べ2人以上のリタイアを出したチームは失格となるルールもあり、チーム戦の厳しさが際立ちますね。
日本は1990年にモトクロス・オブ・ネイションズへ初参戦し、以降毎年ではないものの継続的に出場を続けています。初参戦の1990年は東福寺保雄、宮内隆行、岡部篤史の3名で15位という結果でした。
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日本代表チームの最高順位は、2000年と2003年にそれぞれ記録した6位です。2000年は高濱龍一郎、熱田孝高、成田亮のチームで、2003年は成田亮、増田一将、熱田孝高のチームがこの快挙を達成しました。
つまり6位が基準です。
しかし、その後は上位入賞から遠ざかっています。2007年には7位と健闘したものの、近年は苦戦が続いています。2016年の大会では18位(145点)という結果で、優勝したフランス(29点)との大きな差が浮き彫りになりました。
参考)https://www.honda.co.jp/WMX/race2016/mxon/
直近の2022年と2024年の大会では、いずれもB決勝敗退という結果に終わっています。
2024年は参加36か国中27位でした。
予選通過・決勝進出が現在の日本代表にとって大きな壁となっており、かつての6位入賞の再現が目標となっていますね。
参考)モンスターエナジー FIM モトクロス・オブ・ネイションズ …
モトクロス・オブ・ネイションズでは、ヨーロッパとアメリカの国々が圧倒的な強さを見せています。歴史的に見ると、ベルギーは2003年と2004年に連続優勝を果たし、ステファン・エバーツ、スティーブ・ラモンといったトップライダーを擁して黄金期を築きました。
2005年から2008年にかけては、アメリカが4連覇を達成しています。リッキー・カーマイケル、ジェームス・スチュワート、ライアン・ビロポートなど、AMAスーパークロスのスター選手たちがチームを組み、圧倒的な速さを見せつけました。この時期のアメリカ代表の強さが、モトクロスのトップレベルと評される理由ですね。
参考)https://www.dirtbikeplus.jp/blog
近年ではフランス、オランダ、スイスといったヨーロッパ諸国が表彰台を争っています。2016年の大会では、優勝フランス(29点)、2位オランダ(30点)、3位アメリカ(33点)という僅差の戦いが繰り広げられました。
これらの強豪国と日本の得点差を見ると、トップレベルとの実力差は明確です。しかし、年に1回の国別対抗戦という特殊性から、チーム戦略やコンディション次第では番狂わせも起こり得る大会といえます。日本代表が再び6位以上に食い込むには、個々のライダーの実力向上とともに、チームとしての戦略立案が重要になります。
モトクロス・オブ・ネイションズは、通常のモトクロスレースとは異なる独特の観戦体験を提供します。最大の魅力は、普段は個人戦で戦うトップライダーたちが国の代表として団結する姿です。世界選手権でライバル関係にある選手たちが、この大会では同じチームメイトとして協力する光景は感動的ですね。
会場の雰囲気も特別で、各国のサポーターが自国の旗を振り、応援合戦を繰り広げます。スクランブル交差点のような人混みがパドックを埋め尽くし、リッキー・カーマイケルのような伝説的ライダーが現れると、観客が殺到するほどの熱狂ぶりです。
レースそのものも見応えがあります。2クラス混走という形式により、排気量の異なるマシンが同時にスタートし、コース上で激しいバトルを展開します。起伏に富んだ勾配やジャンプ台が設けられた未舗装コースでは、ダイナミックなビッグジャンプや複数のラインが交錯するレイアウトが楽しめます。
参考)モトゴシップ|2023 モトクロス・オブ・ネイションズ エン…
さらに、チーム戦略の駆け引きも醍醐味の一つです。どのライダーを予選でプッシュさせるか、決勝でのリスク管理をどうするかなど、チーム監督の采配が勝敗を左右します。この戦略性が、個人戦とは異なる奥深さを生み出していますね。
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