オイルタペット構造|仕組みと動作原理、バルブクリアランス調整の基本

オイルタペット構造|仕組みと動作原理、バルブクリアランス調整の基本

オイルタペット構造と仕組み

オイルタペット式でも音が出たら16万円の修理になります

この記事の3ポイント
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油圧による自動調整構造

エンジンオイルの非圧縮性を利用してバルブクリアランスをゼロに保つ仕組み

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プランジャーとチェックボール

内部の高圧室にオイルが満たされ、隙間を自動的に埋める動作原理

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メンテナンスと故障リスク

油圧タペットの固着や異音発生時の対処法と修理費用の目安

オイルタペットの基本構造とバルブクリアランス


オイルタペットは、エンジン内部でバルブとカムシャフトの間に位置する部品です。


参考)オイルタペットの役割:エンジンの静粛性と性能を支える縁の下の…


カムシャフトからの回転運動を、バルブを開閉する上下運動へと変換します。その形状から「きのこ」とも呼ばれることがあります。


バルブクリアランスとは、カムとタペットの間の隙間のことです。吸排気バルブは燃焼室の熱を受けて熱膨張するため、冷間時にはあえて隙間を設けておく必要があります。


参考)【5分記事】タペット調整(バルブクリアランス調整)とは|カム…


排気バルブは高温の排気に晒されるため熱膨張が大きく、吸気バルブより大きめのクリアランスが設定されています。例えば吸気バルブが0.05~0.07mm、排気バルブが0.07~0.10mm程度です。


参考)タペット - Wikipedia


通常のタペットでは定期的な調整が必要ですが、オイルタペットはこの隙間を自動で調整します。つまり、メンテナンスの手間を減らせるということですね。


参考)https://www.goo-net.com/knowledge/00217/


オイルタペットの油圧自動調整の仕組み

オイルタペットの核心は、エンジンオイルの非圧縮性を利用した自動調整機能です。


参考)オイルタペットとは何? わかりやすく解説 Weblio辞書


内部は小さな油圧シリンダーのような構造をしています。主要な構成部品は、ボディ、プランジャー、チェックボール、スプリングです。


プランジャーの外径はボディの内径にぴったりとはまる大きさで、円筒面に沿ってスライドします。チェックボールはボディの底とプランジャーの間に組み込まれ、プランジャーの孔を塞ぐようにスプリングで押さえつけられて密閉された空間(高圧室)を構成します。


ボディとプランジャーの側面にはオイルが流入する穴が設けられており、オイルポンプから送り込まれたオイルが満たされます。ロッカーアームやカムとの間に隙間が発生すると、プランジャー内の油圧によりチェックボールが押されて、高圧室にオイルが送り込まれて容積が大きくなります。


これによってオイルタペット全体の長さが押し伸ばされて、バルブクリアランスを埋めるわけです。


油圧をかけ続ける構造が基本です。



参考)油圧タペットのオイルの流れ - プロに聞く!プロアンサードッ…


オイルタペット内部のプランジャー動作原理

プランジャー内に満たされたオイルは、プランジャーのロッカーアーム側に設けられた孔から流出します。


その際の流体抵抗により、エンジンの運転中はプランジャー内に圧力が加えられている状態が続きます。カムがバルブを押すと、シリンダー内にオイルが送り込まれて、バルブクリアランスをゼロに保つように自動調整されるのです。


チェックボールはユニット内に溜まったオイルがバルブスプリングの力で出ていかないようにします。ユニットが短くなったらバネの力を利用してユニット自体の長さが伸び、チェックボールはフリーに開放され、新しい油圧を迎え入れます。


リフターに入ってきたオイルは微妙なオイルラインを通って各タペットに入り、タペット内をオイルで満たします。その後に油圧ユニットの先端からユニット内にオイルが入っていきます。


この連続的な油圧の調整により、エンジンの温度変化や経年変化にかかわらず、常に適切なバルブクリアランスが保たれます。バルブクリアランスをゼロに保つのが基本です。


オイルタペット式エンジンのメンテナンス注意点

オイルタペットは自動調整機能を持つため、メンテナンスフリーと思われがちです。


しかし、エンジンオイルの劣化によりタペット音が発生することがあります。オイルが劣化すると粘度が高まってオイル残量が減り、オイル循環が正常に行われない可能性が高まります。


参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/399/


粘度が高まったオイルは、シリンダー内やシリンダーヘッドカバーオイルパン、オイルストレーナーに蓄積します。タペットカバーにオイルがこびりつきカムシャフトやタペットにオイルが付着すると、エンジンの動作に負担がかかりタペット音が発生します。


走行中やアイドリング中、エンジン上部から「カタカタ」「カチカチ」「カッカッカ」という異音が聞こえたら要注意です。


これがタペット音ですね。



油圧系統の詰まりやエア噛みも原因になります。気にならないレベルのタペット音であれば問題ありませんが、明らかにカチカチと音が聞こえてくるレベルであれば点検が必要です。


参考)この間エンジンオイルを交換したのですが、タペット音がなるよう…


オイルタペット式でも、オイル管理を怠ると故障につながります。


定期的なオイル交換は必須です。


オイルタペット故障時の修理費用と対策

油圧タペットの固着が起きると、修理費用は高額になります。


実際の修理事例では、油圧タペットの固着による修理代が総額16万円弱かかったケースがあります。エンジン脱着の作業のため作業代だけで10万円を超えていました。


参考)911(ポルシェ)「故障しました!!」Q&A・質問


タペット調整を間違うと、最悪エンジンを壊すこともあります。カム、タペット、プッシュロッド、バルブなどがノーマルの場合と、カスタムされている場合では当然調整方法が違います。


参考)タペット調整は慎重に - ショベルヘッドに乗ろう!


通常のタペット調整を行う場合、圧縮上死点で調整する必要があります。排気上死点で誤って調整すると、今まで聞いたことのないようなケタタマシイ、カチカチ音が発生します。このままではエンジンが壊れそうな酷い異音です。


参考)バイク:タペット調整は圧縮上死点で! - Oyajiscul…


故障を防ぐためには、エンジンオイルの定期交換が最も効果的です。オイルの粘度が高まり循環不良が起きる前に、メーカー指定の交換サイクルを守りましょう。


タペット音が気になったら、早めにバイクショップで点検を依頼してください。異音を放置すると、油圧タペットの固着やエンジン内部の損傷につながり、高額な修理費用が発生するリスクがあります。


参考リンク:オイル交換とタペット音の関係について
バイクのエンジンオイルとエンジン音の関係&異音が起きたときの対処法

オイルタペットとバルブクリアランス調整の違い

オイルタペット式エンジンと通常のタペット式エンジンでは、メンテナンス方法が大きく異なります。


通常のタペット式では、定期的にバルブクリアランスを測定し、手動で調整する必要があります。例えばスーパーカブでは、シックネスゲージを使って0.05mmや0.07mmのクリアランスを確認します。


参考)スーパーカブ・リトルカブのタペット(バルブクリアランス)調整…


調整手順は、圧縮上死点に合わせてから、タペットキャップを取り外し、シックネスゲージでクリアランスを測定します。0.05mmのゲージが問題なく入り、0.07mmのゲージが入らなければ適正範囲内です。


マニュアルでは4000km毎の調整を推奨している車種もあります。ただし、実際にはクリアランスがほとんど変化しない場合もあります。


一方、オイルタペット式はバルブクリアランスをゼロに保つ自動調整機能があるため、定期的な手動調整は不要です。


メンテナンスの手間が大幅に削減されます。



ただし、オイルタペット式でもエンジンオイルの管理は必須です。オイルの劣化や汚れが油圧機構に悪影響を与え、異音や固着の原因になるためです。つまり、調整は不要でもオイル交換は必須ということですね。


参考リンク:バルブクリアランス調整の詳細手順
スーパーカブ・リトルカブのタペット(バルブクリアランス)調整の手順と方法




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