シフトカム bmw 可変バルブ仕組みと燃費向上効果

シフトカム bmw 可変バルブ仕組みと燃費向上効果

シフトカム bmw 可変バルブの仕組み

シフトカムは5000回転以下でも切り替わります。


この記事の3ポイント
🔧
カムシャフトが横移動する機構

アクチュエーターのピンが螺旋溝をなぞり、低速カムと高速カムを物理的に切り替える

トルクが14%もアップ

最大トルク143Nm、全回転域で10~20Nmの上乗せを実現

💰
燃費も4%向上

吸気バルブの非同期開閉により混合気に渦を発生させ、燃焼効率を高める

シフトカム bmw カムシャフトが移動する構造


BMWシフトカムは、カムシャフトそのものを横方向にスライドさせる方式を採用しています。1本のカムシャフトに「低速カム」と「高速カム」という2種類のカム山が隣り合わせで配置されており、走行状況に応じてカムシャフト全体が物理的に移動します。


参考)可変バルブタイミングシステム「BMWシフトカム」とは トピッ…


カムシャフトの端には螺旋状の溝(カムシャフトゲート)が刻まれています。カムシャフト下部に設置された油圧アクチュエーターがピンを押し出すと、このピンが溝をなぞることでカムシャフトがスライドする仕組みです。シフトドラムの溝に似た構造で、シンプルかつ確実な切り替えを実現しています。


参考)https://www.bikejin.jp/column/bike-14921/


つまりカムが切り替わるということですね。


切り替えはピストンが圧縮上死点にあるタイミングで行われるため、バルブとピストンが干渉するリスクはありません。カムチェーンには静粛性向上のためサイレントチェーンが採用され、エンジン全体のメカノイズも低減されています。


シフトカム bmw 5000回転とスロットル全開で作動

シフトカムの切り替えは、エンジン回転数5000rpmを超えるか、スロットルを全開にしたときに発生します。5000回転までは低速カムが稼働し、それを超えるか全開加速時には高速カムに切り替わる仕組みです。


参考)BMW R1250GS 『インパクトは想像を超えた。 新しい…


低速カム稼働時には、2本の吸気バルブが非同期で開閉します。BMWがフェイズシフトと呼ぶこの機能により、混合気に渦が発生し、燃焼室内の混合気濃度が均一化されます。燃焼効率が高まるため、アイドリング回転数は従来より100rpm低く設定されても滑らかに回転します。


参考)https://www.bmw-motorrad.jp/ja/engineering/detail/motor-drivetrain/twin-cylinder-boxer-1250.html


結論は省燃費と高出力の両立です。


高速カムに切り替わると、2本の吸気バルブが同期して大きく開き、高回転域でのパワーを最大化します。この切り替えはスムーズで、回転数の境目でキャラクターが豹変することはありません。油圧でピンを伸ばし、カムをレール上で連続的にスライドさせることで、なめらかな移行を実現しています。


参考)BMWが生んだ〈シフトカム・テクノロジー〉は、1つのエンジン…


シフトカム bmw R1250シリーズに初採用

シフトカムテクノロジーは、2018年9月に発表されたR1250GSとR1250RTで初めて採用されました。BMW二輪車としては初の可変バルブタイミングステムであり、水冷ボクサーエンジンの第2世代として大きな進化を遂げています。


R1250シリーズのエンジンは、先代R1200から排気量を84cc拡大した1,254ccです。ボアを1.5mm拡大、ストロークを3mm延長することで85ccアップを実現しました。シフトカム採用の前提として、2013年のモデルチェンジで導入されたダウンドラフト機構(上から吸い込み、シリンダー下部から排気する構造)が重要な役割を果たしています。


参考)BMWバイク BMW Motorrad R1250…


R1250が基本です。


最高出力は9%増の100kW(136ps)/7,750rpm、最大トルクは14%アップの143Nm/6,250rpmとなりました。トルク発生回転数も6,500rpmから6,250rpmへと低くなり、全回転域で10~20Nmのトルクが上乗せされています。WMTCモードでの燃費も4%向上しており、環境性能とパフォーマンスを両立しています。


参考)最高出力136PS、最大トルク143Nm!新開発のボクサーエ…


BMW公式サイト - シフトカム搭載ボクサーツインエンジンの詳細技術解説

シフトカム bmw 吸気バルブのみ可変する理由

シフトカムは吸気側のバルブタイミングとリフト量だけを可変します。排気側は固定のままで、2本の吸気バルブの開閉タイミングと時間だけを制御する設計です。


吸気側だけを可変にした理由は、燃焼効率の最適化にあります。低速カム作動時、左右のインレットバルブはストロークと角度位置が異なる設定になっており、この位相シフトにより開弁時間にズレが生じます。2つのバルブが遅れて作動することで、燃焼室に流入する混合気がより強く攪拌され、効果的に燃焼します。


吸気側に注力したということですね。


排気側まで可変にするとシステムが複雑化し、重量増やコスト増につながります。BMWは吸気側のみの可変でも十分な性能向上が得られると判断し、シンプルで信頼性の高い設計を選択しました。この判断により、低速域での扱いやすさと高速域でのパワーを両立できています。


シフトカム bmw 他メーカーの可変機構との違い

ホンダのCB400スーパーフォアに搭載されるHYPER VTECは、4バルブエンジンの一部を休止させる方式です。低回転域では2バルブだけで運転し、一定回転数を超えると4バルブに切り替わる仕組みで、バルブ数そのものを変化させます。


参考)バイクのソレなにがスゴイの!? Vol.10 『可変バルブ』…


BMWシフトカムは休止ではなく切り替えです。


対してBMWシフトカムは、すべてのバルブを常に稼働させたまま、カムプロファイルを切り替える方式です。バルブを休止させないため、エンジンの応答性が常に高く保たれます。また、ヤマハのNMAXやWR155Rも可変バルブタイミングを採用していますが、いずれもカムシャフトをスライドさせる点でBMWと同じ原理です。


ホンダVTECがバルブ休止型、BMWシフトカムがカム切り替え型と覚えておけば大丈夫です。


切り替わりの体感については、どのメーカーの可変機構も非常にスムーズで、ある回転数を境にキャラクターが豹変することはありません。BMWシフトカムも同様に、油圧による連続的なスライドでなめらかな移行を実現しています。バルブタイミング可変は近年の主流技術となっており、全域性能を求める現代のバイクにとって不可欠な機構です。


参考)バイクのソレなにがスゴイの!? Vol.10 『可変バルブ』…


ForR - 可変バルブの種類と仕組みの詳細比較




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