

16歳以下でも年間8勝できたら年上は全員負けです。
2025年シーズンのイデミツ・アジア・タレント・カップ(IATC)は、日本人ライダーが圧倒的な強さを見せたシーズンとなりました。
参戦3年目の荻原羚大(おぎわらりょうた、16歳)が、全6戦12レース中8勝を含む10度の表彰台を獲得し、見事に年間チャンピオンに輝きました。開幕戦タイ大会から第4戦日本大会まで、驚異の8連勝を達成したことも記録に残る快挙です。
参考)『Idemitsu Asia Talent Cup』~荻原羚…
荻原の強さは、多角的な視点でレースを組み立て、最後には必ずトップでチェッカーを受ける戦略性にあります。参戦2年目の池上聖竜(いけがみせいりゅう)とは、何度も0.01秒台という僅差のバトルを繰り広げ、観客を沸かせました。
参考)『Idemitsu Asia Talent Cup』~荻原羚…
最終戦第6戦セパンのレース1で池上が待望の初優勝を挙げ、この時点で荻原の年間チャンピオンが確定しました。
つまり年間王者が確定した瞬間ですね。
参考)世界を目指すライダー達の登竜門で荻原羚大がチャンピオン獲得 …
2025年シーズンには、4名の日本人ライダーがレギュラー参戦しています。
参考)イデミツ・アジア・タレントカップ第1戦タイ大会レースレポート…
参戦3年目の荻原羚大(#16)に加え、参戦2年目の池上聖竜(#14)、参戦1年目の松山遥希(#2)と飯高新吾(#21)です。松山は2022年に日本で開催されたMiniGPジャパンシリーズで総合2位を獲得した実力者で、デビュー戦のレース2で早くも初表彰台を獲得しました。
参考)『Idemitsu Asia Talent Cup』~日本勢…
飯高は第2戦カタール大会で日本勢4人目の表彰台に上がり、第4戦日本大会のレース2では3位を獲得しています。飯高にとってIATCで初めてトップを走れた瞬間は、大きな自信になったと本人が語っています。
参考)日本GP前の腕ならし!! 全日本もてぎに参戦したイデミツ・ア…
日本大会には、さらに戸高綸太郎と松平賢正がワイルドカード参戦し、日本人ライダー6名が揃いました。これほど多くの日本人が活躍する年は珍しいです。
参考)イデミツ・アジア・タレントカップ第4戦日本大会レースレポート…
Honda Racing公式 - イデミツ・アジア・タレント・カップの最新情報と詳細なレース結果
アジアタレントカップへの参戦には、厳しい選考プロセスがあります。
参考)『Idemitsu Asia Talent Cup』~来季開…
参加対象は、2005年1月1日から2012年2月15日までに生まれたライダーで、現在は13歳以上が最低年齢要件となっています。レース経験は必須ではありませんが、ダートトラック、モトクロス、スクーター、ミニバイクの経験、レーシングスクールの参加経験などが考慮されます。
2016年の例では、19か国600名以上が参加申請を行い、そのうち152名が最終選考会に参加権を得て、最終的に前年からの継続参加者5名に加え、新たに17名が選抜されました。この競争率は約35倍に相当します(600名÷17名=約35倍)。
選考会は毎年10月にマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで開催され、2025年シーズンの選考会では日本から松山遥希ら10人が合格し、戸高綸太郎と松平賢正ら8人がリザーブとして選出されました。
合格が原則です。
参考)『Idemitsu Asia Talent Cup』~選考会…
アジアタレントカップの最大の魅力は、参戦費用の大部分が運営側によって負担される点にあります。
参考)MotoGPライダー志望者、集まれ!「イデミツ・アジア・タレ…
参戦ライダーが負担するのは、航空券(大会運営が手配)と食費のみで、マシン、整備費用、タイヤなどはすべて提供されます。これは通常のレース参戦と比較すると、極めて異例の優遇措置です。例えばFIM MiniGPの年間エントリー費はマシン貸出・整備費・タイヤ1セット・保険料込で33万円かかるのに対し、IATCはその費用がかかりません。
参考)https://www.arai.co.jp/jpn/topics/ATC/iatc_selection-for-2022_media-flyer_a4_jpn.pdf
このカップは、MotoGP世界選手権へと直結する育成専用カテゴリーとして、ドルナ(MotoGP運営)、ホンダ、出光興産の3社によって共同運営されています。使用マシンはHonda NSF250Rのワンメイクで、平等な条件下で才能が試されます。
過去には小椋藍が2015年にアジアタレントカップチャンピオンとなり、翌2016年にMotoGPルーキーズカップチャンピオン、2017年にMotoGP世界選手権に昇格した実績があります。
まさにMotoGPへの最短ルートですね。
参考)https://www.autoby.jp/_ct/17109969
MotoGP公式 - 荻原羚大の年間王者獲得に関する詳細レポート
2025年シーズンは全6戦12レースが行われ、各戦で日本人ライダーが表彰台を占める場面が何度も見られました。
開幕戦タイ大会では、荻原と池上が2レース連続してワンツーフィニッシュを達成し、レース2では松山も3位に入り日本勢が表彰台を独占しました。荻原と池上の差はレース1で0.054秒、レース2で0.022秒という僅差でした。
第2戦カタール大会でも荻原が連勝を飾り、飯高が表彰台に上がりました。第3戦、第4戦日本大会(もてぎ)でも荻原は連勝を重ね、この時点で8連勝を達成しています。
最終戦セパンのレース2では、荻原とフレミングによる一騎打ちとなり、0.013秒差でフレミングが逆転勝利を収めました。
荻原は2位、松山が3位に入っています。
この0.013秒という差は、時速200kmで走行した場合、わずか18cm程度(一般的なスマートフォンの縦幅2つ分)の距離に相当します。
それほどの接戦ですね。
アジアタレントカップは単なるレース選手権ではなく、総合的なライダー育成プログラムとして機能しています。
参加者には、ライディングに関してのアドバイスだけでなく、レースにおける各セッションに対する取り組み方、外国人スタッフとのコミュニケーション能力を高めるための英語のカリキュラムが実施されます。これは10代前半から半ばの若手ライダーにとって、国際舞台で戦うための重要なスキルです。
2017年からタイトル・スポンサーが出光興産に代わり、「イデミツ・アジア・タレント・カップ(Idemitsu Asia Talent Cup・IATC)」に改称されました。2026年カレンダーはMotoGPと並行して5ラウンド開催予定で、テストは2026年2月9日~10日にセパンで行われ、開幕戦は2月27日~3月1日にタイで行われます。
荻原がルーキーズカップへと駒を進め、次代を担う若手がアジアタレントカップに参戦する流れが続きます。アジアから世界へ──ライダー育成の道が続くということですね。
MotoGP公式 - 開幕戦タイ大会での日本勢表彰台独占の詳細