

舗装路メインで使うと燃費が2割悪化します。
ブロックパターンタイヤは、タイヤの接地面(トレッド)に独立した塊状のブロックが配置された構造です。縦方向と横方向の両方に深い溝が刻まれており、キャラメルのような立方体や直方体が並んでいるイメージになります。
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この構造により、ブロックとブロックの間の溝に雪や泥が入り込み、車両の重さで押し固められて柱状になります。その柱に駆動力や制動力を伝えることで、滑りやすい路面でもスリップを少なくできる仕組みです。つまり地面を掴むというより、溝に入り込んだ雪や泥を利用してトラクションを得ているということですね。
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一般的な舗装路用のリブ型タイヤと比較すると、ブロックパターンは接地面積が小さくなります。しかし悪路では、このブロックの角が地面を掴み、深い溝が泥を押し出すため、低速でも確実にトラクションを確保できます。
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最大のメリットは、雪上や泥濘路での高いグリップ性能です。独立したブロックが路面に食い込むため、駆動力・制動力・牽引力すべてにおいて優れた性能を発揮します。浅雪程度ならそのまま走行できるのも特徴です。
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踏ん張りが利くため、悪路での走破性が高いのも魅力です。オフロード走行を前提とした設計なので、舗装されていない林道や砂利道でも安定した走行が可能になります。耐カット性にも優れているため、尖った石などによるタイヤの損傷リスクも低減できます。
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オンロード/オフロード兼用のブロックパターンタイヤも存在しており、車両の使い方によって最適なものを選択できます。
これは使い勝手の面で大きなメリットですね。
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定期的なメンテナンスをすれば、ダートと舗装路の両方を走るツーリングにも対応できます。
舗装路での使用では、いくつかの大きなデメリットが発生します。まず走行音(パターンノイズ)が非常に大きくなります。トンネル内ではブザーのような騒音になることもあり、長距離走行では疲労の原因になります。
参考)https://ameblo.jp/veerubber/entry-12508760369.html
燃費の悪化も深刻です。タテ溝タイヤと比較して明らかに燃費が悪くなり、転がり抵抗が大きいため余分な燃料を消費します。オフロードでグリップを確保する走りは土をかき出す走行となり、タイヤを空転させることもあるため、コストパフォーマンスは良くありません。
偏摩耗、特に「段減り」と呼ばれる現象が起こりやすいのも問題です。ブロックタイプのトレッドパターンでは「ヒール&トゥ摩耗」が現れやすく、ブロックが進行方向に対して斜めに摩耗していきます。特に減速時の負荷が高いフロントタイヤに出やすく、定期的なローテーションが必要です。
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摩耗スピードも早い傾向があります。
多くの人が誤解していますが、スタッドレスタイヤはブロックタイヤではありません。スタッドレスタイヤのトレッドパターンは確かにブロック単位になっていますが、タイヤゴムの性質が根本的に異なります。
スタッドレスタイヤは、トレッド面に細かい溝(サイプ)がたくさんあり、柔らかいゴムが雪道で路面を捉えやすくする構造です。このサイプの目的は、毛細管現象を利用して水膜を除去し、スリップを可能な限り少なくすることにあります。
一方、ブロックパターンタイヤは主に泥濘路や未舗装路での走破性を重視した設計です。深い雪や凍結路面では、スタッドレスタイヤの方が圧倒的に性能が高くなります。ブロックパターンタイヤで走れるのは浅雪程度までと考えておくべきです。
冬季走行にはスタッドレスが必須です。
ブロックパターンタイヤの寿命は、銘柄や使用環境によって大きく異なります。リアタイヤの交換時期の目安として、IRC GR22は約3,000km、IRC FB3は約5,000km、IRC 3Rは約7,000kmとされています。これは主にオフロード走行を含む使用での実績値です。
舗装路メインで使用すると、ゴムの消耗が激しくなり想定より早く交換が必要になります。ブロックパターンは接地面積が小さいため、特定の部分に負荷が集中しやすく、偏摩耗が進行すると本来の性能を発揮できなくなります。
段減りが発生した場合は、回転方向を逆にするローテーションを実施することで解消できます。定期的に溝の深さとブロックの摩耗状態をチェックし、偏摩耗の兆候が見られたら早めに対処することで、タイヤの寿命を延ばすことができます。
トレッド面の溝が浅くなったら、オフロード性能は著しく低下します。
安全性を確保するためには、メーカーが推奨する溝の深さ(一般的には残り溝が1.6mm以上)を下回る前に交換しましょう。
タイヤ選びで最も重要なのは、あなたの走行環境と用途を明確にすることです。オンロードとオフロードの走行比率によって、最適なブロックパターンの深さが変わってきます。
ロングツーリングとオフロードの両方を楽しみたい場合は、Pirelli MT21 RALLYCROSSのようなバランス型がおすすめです。オフ車でツーリングに行く人に人気があり、耐久性とオフ性能を両立しています。
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真四角なキャラメル形状のブロックが特徴的なIRC TR-011 TOURISTは、公道走行可能なトライアルタイヤで、柔らかいブロックが地面を鷲掴みにします。DUNLOP D603は、オフロードでより真価を発揮するタイプで、本格的なダート走行を想定しています。
街乗りメインでたまにキャンプへ行く程度なら、R/T(ラギッド・テレイン)タイプのタイヤが適しています。トーヨー オープンカントリーR/Tやニットー リッジグラップラーなどが代表例です。
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初心者の方は、まず浅めのブロックパターンから試してみることをおすすめします。
タイヤ選びで迷ったら、専門店で走行環境を相談し、プロのアドバイスを受けると失敗が少なくなります。使用頻度やメンテナンス能力も考慮して、長く付き合えるタイヤを選びましょう。
ブロックタイヤの詳しい選び方と各銘柄の特徴については、こちらの専門店の解説記事が参考になります