

カナダではバイクレース観戦は冬季が休みです。
カナダスーパーバイク選手権(CSBK)は、カナダの国内モーターサイクルロードレース最高峰カテゴリです。正式名称はブリヂストン・カナディアン・スーパーバイク選手権で、ハミルトンを拠点とするプロフェッショナル・モーター・スポーツ・プロダクションズ社(PMP)が運営しています。
参考)Canadian Superbike Championshi…
シリーズは7つのクラスで国内選手権を開催しており、プロとアマチュアのライダーが参戦可能です。最上位のプロ・スーパーバイククラスはカナダ全土のトップライダーが集結し、チャンピオンには毎シーズン「カナダカップ」が授与されます。
2023年シーズン前にはPMP創設者で長年CSBKの代表を務めたコリン・フレイザー氏が組織を売却し、元プロレーサーのロス・ミルソン氏が引き継ぎました。2025年シーズンはミルソン氏の下で初のフルシーズン運営となり、テレビ放送の拡大やスケジュール改訂、メーカー参加の増加により選手権の知名度向上が図られています。
つまり国内選手権として確立されているということですね。
カナダスーパーバイク選手権は国内各地のサーキットで開催されています。最も長い歴史を持つのがカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(旧モスポート)で、1980年から現在まで断続的に使用され、コースは全長3.957km、10コーナーで構成されています。
このサーキットは1967年と1969年、1971年から1977年までF1カナダGPが開催された由緒ある施設です。スタート直後の長い90度右コーナーから急勾配の下り、クレイトン・コーナーと呼ばれる長い左コーナー、最も減速が必要なモス・コーナー、そして長いマリオ・アンドレッティ・ストレートを経て、エッセスと呼ばれる右左右のコンビネーションコーナーで構成される高速テクニカルコースです。
参考)Canadian Tire Motorsport Park …
他にもオンタリオ州のシャノンビル・モータースポーツ・パーク(全長2.470km、9コーナー)、グランドベンド・モータープレックス(全長2.200km、11コーナー)、ケベック州のサーキット・モン・トランブラン、ノバスコシア州のアトランティック・モータースポーツ・パーク、アルバータ州のRADトルク・レースウェイなど多彩なサーキットが選手権ラウンドとして使用されています。
サーキットの多様性が魅力です。
カナダスーパーバイク選手権の歴史には印象的な記録が数多く存在します。最多優勝記録を持つのはジョーダン・ゾーク選手で、2004年から2020年まで14回のタイトルを獲得しています。
2010年シーズンにはゾーク選手がプライベーターとしてホンダで全レースに勝利し、完全優勝を達成して7回目のタイトルを獲得しました。2020年には新型コロナウイルスの影響で2ラウンドのみの短縮シーズンとなりましたが、ゾーク選手は再び全勝で14回目のチャンピオンに輝いています。
2021年にはアレックス・デュマス選手が初参戦でチャンピオンとなり、ゾーク選手以来のルーキーチャンピオンとなりました。デュマス選手はわずか19歳でのタイトル獲得という快挙を成し遂げています。
2024年から2025年にかけてはベン・ヤング選手がBMWで圧倒的な強さを見せ、4回目と5回目のタイトルを連続獲得しました。2025年シーズンにはホンダ CBR1000RR-R SPに乗り換えて5回目のタイトルを防衛し、CSBK史上最も成功したライダーの一人となっています。
19歳でのチャンピオン獲得が衝撃的ですね。
カナダスーパーバイク選手権のライダーは日本の鈴鹿8時間耐久レースにも参戦しており、国際的な交流が行われています。公式サイトCSBK.caによると、鈴鹿8耐に参戦したカナダ人ライダーは歴史上一握りで、ルーベン・マクマーター選手、スティーブ・クレヴィエ選手、ジョーダン・ゾーク選手などが含まれます。
参考)カナダ人ライダーのヤング選手、TEAM TARO PLUSO…
2024年にはカナダ選手権(CSBK)プロ・スーパーバイククラスで3戦を終えて首位だったベン・ヤング選手が、7月19~21日開催の第45回鈴鹿8耐にTeam TARO PLUSONE with SDGから招集されました。ヤング選手は日本人コンビの関口太郎選手、奥田教介選手とともにBMW M1000RRで参戦し、FIM耐久選手権デビューを果たしています。
参考)カナダ人ライダーのヤング選手、TEAM TARO PLUSO…
ヤング選手はモトアメリカ、ブリティッシュ・スーパーバイク、125cc世界選手権にも参戦経験があり、2024年3月のデイトナ200ではEWCタイトル獲得者であるマーヴィン・フリッツ選手やカレル・ハニカ選手に挑み9位でフィニッシュしています。
FIM耐久世界選手権公式サイトでベン・ヤング選手の鈴鹿8耐参戦に関する詳細な経歴と参戦情報が紹介されています
国際レースへの架け橋になっていますね。
カナダスーパーバイク選手権で使用されるマシンは市販車をベースに、レースで最大限のパフォーマンスを発揮できるように改良されたものです。プロ・スーパーバイククラスでは4ストローク2気筒850cc~1200cc、3・4気筒750cc~1000ccのエンジンを搭載した市販車ベースのマシンが参戦可能となっています。
2024年から2025年にかけてベン・ヤング選手が使用したBMW モトラッドは、シャノンビルやカナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パークでの勝利に貢献し、BMWはカナダスーパーバイクで主要メーカーとしての地位を確立しました。2025年シーズンにはヤング選手がホンダのCBR1000RR-R SPに乗り換え、メーカーの新たな国内プログラムに参加して早期シーズンで複数の勝利を収めています。
ホンダのスーパーバイク仕様であるSP2モデルは、MotoGPで培われたテクノロジーが投入されており、チャンピオンマシンRC213VをベースとしたHondaセレクタブル・トルク・コントロール(HSTC)を搭載しています。この技術はASIMOのバランス制御技術を応用したものです。
市販車ベースだから身近に感じられます。