

溝があっても3年超えたら性能が落ちる
夏タイヤの寿命には「製造からの期間」と「使用開始からの期間」という2つの基準があります。製造から10年が経過したタイヤは、未使用の状態で適正保管されていても交換が必要です。
つまり10年が絶対的な限界です。
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一方、使用開始後のタイヤはより短い期間で寿命を迎えます。走行中に紫外線や熱、油分などの影響を受けることでゴムが劣化し、道路との摩擦で溝が減少するためです。使用開始から4〜5年を経過する頃が寿命の目安とされています。
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バイクの場合、タイヤメーカーは製造年月から3〜5年を寿命として設定しています。製造から3〜5年が経過したら交換のタイミングだと考えましょう。多くのバイク専門店やバイク雑誌でも、平均的なタイヤの寿命は3〜5年を目安にしていることが多いです。
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ブリヂストンの検証実験では、適正保管されていれば少なくとも3年はほとんど性能変化がないという結果が公表されています。3年を超えるとわずかですが性能低下していくため、メーカーは出荷時間も考慮して3年で出荷停止としています。
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使用開始後のタイヤは保管中とは比較にならない速度で劣化が進みます。
理由は大きく分けて2つです。
1つ目は化学変化です。
ゴムは酸素と反応して酸化し硬化します。
この変化には比較的大きなエネルギーが必要なため、高温になることがない保管時にはほぼ進行しませんが、使用開始してからは走行中の発熱で進行します。
2つ目は構造変化です。製造されたタイヤの素材はゴムや油などが均一に分散されていますが、熱や変形などで硬化防止剤や油が浸み出したり、均一性が失われ性能が低下します。この変化も高温になることがない保管時にはほぼ進行しませんが、使用開始してからは高温になるため進行します。
つまり保管中は劣化がほぼ止まっています。使用開始後は走行による発熱が劣化を加速させるんです。
タイヤがバイクに装着されていれば、雨風にさらされるため、あまり乗っていなかったとしてもそれだけで劣化原因となります。溝がしっかりと残っているからといって、そのままでいいわけではありません。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/338/
バイクのタイヤの寿命を走行距離で考えた場合、10,000〜20,000kmが目安だと言われています。タイヤの種類やバイクの乗り方によって磨耗のスピードは変わってきますが、走行距離が10,000〜20,000kmに達していれば、スリップサインが出ていなくても交換の時期です。
メーカーが公表しているタイヤの経年劣化による寿命が3〜5年、スリップサインが出るまでタイヤの溝がすり減るのが10,000Km〜20,000Kmぐらいだからです。これが平均的なタイヤの寿命の根拠となっています。
自動車の場合は年間走行距離を1万kmと仮定すると、タイヤは5,000kmの走行で1mm程度摩耗するため、1年で2mm摩耗する計算です。一般的に新品タイヤの溝の深さは8mmなので、3年経過時の残り溝は2mmとなります。タイヤの使用限度値は1.6mmなので、4年目には交換が必要になるのです。
参考)タイヤの寿命は10年?使用期間ごとの対処法から保管方法まで解…
バイクも同様の理由で走行距離による寿命判断が重要です。走行距離が10,000〜20,000kmに達したら交換を検討しましょう。
タイヤの残り溝が1.6mm以下になると、スリップサインが露出します。スリップサインは、タイヤの接地面が使用限度まで摩耗しているかどうかの目安となる印です。タイヤ側面の三角マークや「▲」印が示す位置をたどり、溝の中に横に走る突起がある部分がスリップサインです。
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道路運送車両法の保安基準によって、残り溝1.6mm以上と定められており、1.6mm未満の場合は車検不合格だけでなく、走行自体も違法になります。
つまり1.6mmが法律上の限界です。
参考)車検でタイヤの溝基準とスリップサイン解説!正しい測り方と合格…
しかし、安全性の観点からは残り溝が約4mm程度で交換を検討すべきです。一般的に残り溝4.0mmから性能が大きく低下すると言われています。車検には通るからと、1.6mmギリギリまで使うのではなく、余裕のある方は4mm以下になったタイミングで交換を実施していただきたいです。
タイヤの溝の深さを簡単に測る方法として、100円玉を使う方法があります。「1」の文字とタイヤの接地面が平行になるようにタイヤの溝へ差し込みます。100円玉の「1」と縁までの距離は約5mmであり、「1」の文字が見えなければ残り溝は5mm以上です。
スリップサインが露出している状態は、摩耗の限界を超えたサインです。この突起が溝と同じ高さになっていれば、交換が必要な状態です。
溝が残っていても、経年劣化によってタイヤは危険な状態になります。古くて硬くなったタイヤは、雨天時の濡れた路面でスリップの危険が大きくなります。
溝があっても想像以上に滑るので要注意です。
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タイヤの劣化サインとして、以下の症状が現れます。
これらの症状が見られたら、すぐに交換が必要です。製造から10年以内かつ使用開始から4〜5年以内か、溝の深さが1.6mm以上あるか、ゴムの劣化がないかを定期的に点検しましょう。
外観上使用可能のように見えたとしても(溝深さが法律に規定されている値まですり減っていない場合も)、製造後10年経過したタイヤは新しいタイヤに交換されることをお勧めします。10年を経過していないタイヤであっても、環境条件等によっては交換する必要があることにご注意ください。
参考)【習慣化してほしい】バイク用タイヤの定期的な点検とメンテナン…
実際に高速道路で走行中に経年劣化したタイヤがバーストした事例もあります。
経年劣化したタイヤは本当に恐いですね。
また、現状亀裂がなくても、走行中の負荷により破裂の危険性もあります。
タイヤの寿命は保管方法で大きく変わります。タイヤはゴム製品なので、使用していなくても時間の経過とともに自然に劣化していきますが、保管環境を整えることで、その劣化速度を大幅に遅らせることができるのです。
参考)https://sktire.co.jp/2025/08/15/tire-storage-tips/
保管のポイントは以下の通りです。
📦 直射日光を避ける
紫外線はゴムの劣化を加速させます。
屋内の暗所での保管が基本です。
参考)タイヤの保管方法~物置や屋外での注意点と劣化を防ぐ置き方 -…
🌡️ 高温多湿の場所を避ける
高温多湿の状態が続くと、タイヤの合成ゴムに加水分解と呼ばれる現象が起こり、劣化が進みやすくなります。特に日本の梅雨や夏は高温多湿になりやすいため、できるだけ乾燥した状態で保管する必要があります。
風通しの良い、涼しい場所を選びましょう。
🧼 洗浄・乾燥してから保管
汚れや水分が残っていると劣化の原因になります。
💨 空気圧の調整
ホイールを付けたまま保管する場合は、重みによってタイヤの接地面が変形することがあるため寝かせて積みます。その際、空気圧が正常値のままだと内圧でゴムに負荷がかかり劣化して、ヒビ割れの原因になるおそれがあります。空気圧を通常の半分程度にしてから保管すると、タイヤにかかる負荷を最小限に抑えることが可能です。
参考)バイクのタイヤ交換した! 交換したタイヤのベストな保管方法と…
タイヤの保管期間は、夏タイヤで約4〜5ヶ月、冬タイヤで約7〜8ヶ月程度になります。この間、適切な置き方で変形を防ぎ、定期的な点検で状態をチェックすることが重要です。
バイクのタイヤを長持ちさせたいなら、保管環境の整備が第一歩です。