

通常のパイプレンチでブレーキパイプのナットを回すとナットが破損します。
パイプレンチは主に丸い形状のパイプを回転させる際に使用する工具です。バイク整備では、エキゾーストパイプやマフラーの脱着、単管パイプを使った作業台の組み立てなど、円筒形の金属パーツを扱う場面で活躍します。
工具のあご部分にギザギザの歯が刻まれており、パイプを挟み込むと回転方向に力をかけるほど強く食い込む仕組みです。この構造により、スパナやモンキーレンチでは掴めない丸いパイプでも確実に回せます。
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バイク整備で使う場合、適切なサイズ選びが重要です。190mm程度の小型パイプレンチは直径26mmまでのパイプに対応し、バイクパーツの多くをカバーできます。サイズが合わないパイプレンチを使うと滑って怪我をする危険があるため注意が必要です。
参考)【在庫限り】パイプレンチ 190mm ( 12-279 ) …
パイプレンチは固定されていないパイプを回す際、2本使いが基本です。1本で固定し、もう1本で回転させることで、パイプ全体が回る「供回り」を防げます。供回りを起こすと周辺パーツまで破損する恐れがあるため、2本用意しておくと安心です。
ブレーキパイプの整備には通常のパイプレンチではなく、フレアナットレンチという専用工具が必要です。この2つの工具は名前が似ていますが、構造も用途も全く異なります。
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パイプレンチは丸いパイプ本体を掴むためにギザギザの歯でパイプ表面に食い込みます。一方、フレアナットレンチはブレーキ配管を通すための切り欠きがある環状の工具で、ナット部分の5点で接触する設計です。
参考)パイプレンチとは?使い方・モンキーレンチとの違い - 電気工…
ブレーキパイプのナットは二面幅10mmでネジ径もM10という仕様が多く、通常のM6ボルトの2倍以上の締め付けトルクが必要です。スパナやパイプレンチでは接触面積が少なくナットの角が破損しやすいため、5点接触のフレアナットレンチで応力を分散させる必要があります。
フレアナットレンチはメガネレンチの一種で、ブレーキパイプやクラッチラインなど、配管が接続されたナットを回す専用設計です。ソケット式とメガネ式の2種類があり、ラチェットハンドルに取り付けるソケット式は奥まった場所へのアクセスに便利です。
参考)https://www.perotools.com/?pid=116946886
価格は4本セット(8×10、10×12、11×13、12×14mm)で1,000円台から購入でき、バイクや車のブレーキ整備には必須の工具といえます。
参考)https://www.monotaro.com/s/c-117727/
パイプレンチを正しく使うには、まずパイプに対して垂直に工具を当てることが基本です。斜めの状態で挟むとあご部分がパイプを確実に掴めず、空転して滑る原因になります。
参考)パイプレンチが滑る場合の対策は?怪我を防ぐパイプレンチの締め…
使用前にあごの歯部分の汚れを確認してください。油や錆で歯が汚れていると、パイプへの食い込みが弱くなり滑りやすくなります。定期的にCRC 5-56 DXなどの潤滑剤でメンテナンスし、錆止めと可動部の保護を行うと長持ちします。
参考)https://blog.goo.ne.jp/kino55crazy55/e/6cefdba2b80191236fbac4d57266b05b
パイプレンチの許容範囲を超えたサイズのパイプを掴もうとすると、工具が滑るだけでなく破損する恐れがあります。各パイプレンチには適応最大径が明記されているため、事前に製品カタログで確認することが重要です。
下あごを回転方向に動かすことでパイプを挟み、逆方向に軽く持ち上げると食い込みが緩みます。逆回転させたい場合は、パイプレンチ自体を逆向きに取り付け直す必要があります。この特性を理解していないと、作業効率が大幅に低下してしまいます。
ハンドル部分にパイプを継ぎ足してトルクを増やす使い方は、工具の破損や怪我につながるため厳禁です。メーカーの使用方法を守り、適切な力加減で作業してください。
パイプレンチの代わりに使える工具として、モンキーレンチがあります。ただしモンキーレンチはボルトやナットの平面を掴む設計のため、丸いパイプには使えません。六角形のナット部分があるパーツなら代用可能です。
参考)パイプレンチの代用品、代わりになるものおすすめまとめ!
ウォーターポンププライヤーは開口幅を調整できるプライヤーで、パイプを掴む用途に向いています。パイプレンチほどの締め付け力はありませんが、表面を傷つけにくい特徴があります。
軽度の作業なら代用できるでしょう。
バイスグリップ(ロッキングプライヤー)は対象物を挟んでロックできる工具で、固定力が必要な場面で使えます。ねじ山が潰れたボルトを回す際にも活用できるため、緊急時の代用工具として有効です。
チェーンレンチは、チェーンでパイプを巻き付けて回す仕組みの工具です。パイプ表面を傷つけたくない場合に便利で、ステンレスパイプやメッキパイプの作業に適しています。オイルフィルタープライヤーも同様に表面保護が必要な丸形パーツに使えます。
ただし、ブレーキパイプやクラッチラインの整備では、これらの代用工具は使えません。
必ずフレアナットレンチを用意してください。
パイプレンチは使用後に汚れを落とし、可動部に注油することで寿命が延びます。特にあご部分の歯に付着した金属粉や油汚れは、次回使用時の食い込み不良の原因になるため、ウエスで拭き取っておきましょう。
駆動部分のネジには、SuperLubeのような超耐久潤滑剤を塗布すると動きがスムーズになります。リング部分のローレット加工部分にも防錆スプレーを吹き付け、余剰分を拭き取っておくと錆びにくくなります。
これだけで長持ちします。
工具箱での保管時は、他の工具と接触してあごの歯が欠けないよう注意してください。専用の工具ホルダーや仕切りを使うと保護できます。湿気の多い場所での保管は錆の原因になるため、除湿剤を入れた工具箱がおすすめです。
フレアナットレンチも使用後に汚れを拭き取り、乾燥した場所で保管しましょう。クロームバナジウム鋼製の高品質なものは耐久性が高く、適切にメンテナンスすれば10年以上使えます。サイズごとに整理して保管すると、作業時にすぐ取り出せて便利です。
工具のメンテナンスは作業効率と安全性に直結します。定期的な手入れを習慣にすることで、バイク整備の質が向上します。