

タンクにラッピングを3年以上貼り続けると、剥がすときに純正塗装ごと持っていかれて修理代が5万円以上かかることがあります。
バイクのタンクは、ライディング中に最も目に入る部位のひとつです。そのタンクの見た目を変えられるタンクラッピングが、ネイキッドバイクオーナーを中心に急速に人気を集めています。
タンクラッピングが求められる理由は大きく分けて2つあります。ひとつは「傷隠し」、もうひとつは「見た目のグレードアップ」です。
タンクはガソリンキャップ周辺にどうしても線傷が入りやすく、タッチペンで補修しようとすると逆に目立つというジレンマがあります。そこでタンク全体をラッピングフィルムで覆ってしまえば、どんな小傷も一瞬で消えて新品同様の見た目になります。ただし、手で触れてわかるほどの凹みはフィルム越しに残るため、あくまで「小傷」が対象と考えてください。
見た目のグレードアップという点では、特にカーボン調フィルムが圧倒的な支持を得ています。カーボン調に仕上げることでバイク全体の迫力が増し、まるでリアルカーボンパーツを装着したかのような高級感が生まれます。実際、車種によってはカーボン製のタンクカバーが市販されていない場合も多く、そうしたケースでラッピングは唯一の選択肢となります。
これが基本です。
| 目的 | 内容 | 向いているケース |
|------|------|-----------------|
| 傷隠し | 全面をフィルムで覆い小傷を非表示に | スクラッチ傷・ガソリンキャップ周辺の線傷 |
| カラーチェンジ | 好みの色・質感に変更 | 純正カラーから気分転換したいとき |
| カーボン調仕上げ | 高級感・レーシーなイメージを演出 | カーボンパーツがない車種 |
| 保護 | 塗装面をフィルムで守る | 新車の傷・紫外線ダメージを防ぎたいとき |
人気のカーボン調フィルムは「3D」「4D」「5D」など種類があり、数字が大きいほど立体感と光沢感が増します。3Dはマットで落ち着いた仕上がり、4D以上はよりリアルなカーボンの質感を再現します。意外ですね。
一般的に売られているカーボン調フィルムは目の並びが均一すぎてフェイク感が出やすいですが、高品質なフィルムは繊維の乱れ方もリアルに再現されており、プロが施工すれば本物のカーボンと見分けがつかないレベルに仕上がります。
また、カーボン調以外にもマットブラック、マジョーラ(見る角度によって色が変わる)、ミラーフィルムなど個性的な選択肢が豊富で、塗装では表現しにくいデザインを実現できるのもラッピングならではのメリットです。
タンクラッピングを実際に行う際の流れを把握しておくと、プロに依頼するときの判断材料にもなります。
まず基本的な施工の流れは以下の通りです。
DIYで挑戦する際、最も難しいのが「曲面への対応」です。バイクのタンクは複雑なアールが連続しており、車のボンネットとは比べ物にならないほど施工が難しい箇所とされています。実際、専門店でさえタンクを3分割以上に分けてフィルムを貼ることが一般的で、素人が一枚貼りで仕上げようとするのはほぼ不可能です。
これは使えそうです。
施工に適した気温は20〜25℃程度です。冬場の寒い日や真夏の炎天下での作業はフィルムの伸びや粘着に影響が出るため避けましょう。また、施工後24時間は洗車や雨を避け、フィルムをしっかり定着させる時間を確保することが重要です。
DIYでよくある失敗例を整理しておきます。
| よくある失敗 | 主な原因 | 対処法 |
|------------|---------|--------|
| 気泡・浮き | 下地の油分残り、空気の巻き込み | アルコール脱脂徹底・スキージーで丁寧に空気抜き |
| シワ・たるみ | 引っ張りすぎ・温度管理不足 | ヒートガンで適度に温めながら伸ばす |
| 端部の剥がれ | カット精度不足 | 端部を再加熱して押さえる |
| 色ムラ | フィルムの重ね貼り | 重ね貼りを避け、分割して貼る |
ミラーやサイドカバーなど比較的フラットな部分は初心者でも挑戦しやすいですが、タンクの全面ラッピングは中〜上級者向けと考えておくのが無難です。まず小さなパーツで練習し、道具の扱いに慣れてからタンクに挑戦するという順番が安全です。
「塗装とラッピング、どちらを選ぶべきか」というのはタンクカスタムの定番の悩みです。結論から言うと、目的と予算によって答えが変わります。
費用の面では以下の通りです。
| 施工方法 | プロ依頼の相場 | DIY費用 | 耐久年数 |
|---------|-------------|---------|---------|
| タンク塗装(業者) | 1.5万〜5万円 | 7,000〜1万円 | 5〜10年 |
| タンクラッピング(プロ) | 5万〜12万円 | 1万〜2.5万円 | 3〜5年 |
| リアルカーボンタンクカバー | 15万〜25万円 | ― | 半永久的 |
塗装の方が耐久性は高く、適切なメンテナンスをすれば10年近くきれいな状態を維持できます。一方でラッピングは3〜5年が目安です。
ラッピングには「元の状態に戻せる」という塗装にはない大きな強みがあります。バイクを売却する際、塗装でカラーを変えてしまうと純正に戻すことができませんが、ラッピングなら剥がすだけで純正塗装が現れます。これはリセールバリューを守るうえで大きなメリットです。
つまりラッピングは「変更の自由度」に優れ、塗装は「耐久性・コスト」に優れているということです。
また、カーボン調のデザインを実現したい場合はラッピング一択です。塗装でカーボンの質感を表現することは構造上できないためです。マジョーラや特殊なカラーシフトフィルムなど、ラッピングでしか出せない表現も多くあります。
どちらかを選ぶ際のシンプルな基準としては、「長く同じデザインを楽しみたい・コストを抑えたい → 塗装」「デザインを変える可能性がある・カーボン調にしたい・売却時に元に戻したい → ラッピング」と覚えておけばOKです。
タンクラッピングの仕上がりと寿命を左右する最大の要素が「フィルムの品質選び」です。市場には数千円の低価格品から、3MやAveryといったブランド品まで幅広く流通しています。
安価なフィルムは粘着力が弱く、直射日光や雨にさらされると1〜2年で色あせや浮きが発生しやすくなります。高品質なフィルムとの耐久性の差は歴然で、3Mの1080シリーズなどは耐候性・耐久性ともに業界標準と言えるレベルです。
フィルムの種類と特徴を把握しておきましょう。
耐久性を高めるためのメンテナンスについても押さえておきましょう。まず、直射日光下での長時間駐車はフィルムの紫外線劣化を早める主な原因なので、できるだけ屋根付きの駐車スペースを確保することが理想です。洗車は手洗いが基本で、高圧洗浄機はフィルムの端が剥がれる原因になるため使用しないでください。ワックスやコーティング剤もフィルムを傷める成分が含まれている場合があるため、ラッピング対応の専用ケア製品を選ぶことが大切です。
もう一点、タンクラッピングで特に注意が必要なのが「ガソリンのこぼれ」です。給油時にガソリンがフィルム面にかかると、染みになってしまう可能性があります。これはどのメーカーのフィルムでも起きうる問題なので、給油の際はキャップ周辺を丁寧に拭くことを習慣にしましょう。フィルムの耐ガソリン性が高いと謳っている製品でも、長時間の接触は避けるに越したことはありません。
フィルムのメーカー推奨使用期間は約3年であることが多く、これを大幅に超えて貼り続けると粘着力が増して剥がしにくくなります。3年を過ぎたら耐久性に注意すれば大丈夫です。
タンクラッピングをプロに依頼する場合、業者選びで仕上がりが大きく左右されます。ここでは、信頼できる業者を見極めるための具体的なチェックポイントを解説します。
まず費用の目安として、以下の相場を参考にしてください。
| 施工パーツ | プロ施工の費用目安 |
|-----------|----------------|
| タンク全面 | 5万〜12万円 |
| サイドカウル(片側) | 2.5万〜4万円 |
| フルラッピング(ネイキッド) | 10万〜15万円 |
| フルラッピング(フルカウル) | 15万〜25万円以上 |
| 剥がし費用(別途) | 5,000〜2万円 |
費用が相場より大幅に安い業者は、フィルムの品質や施工技術に問題がある可能性があります。厳しいところですね。
業者選びで確認すべきポイントは以下の通りです。
遠方で専門店に持ち込めない場合、タンクを取り外して送るだけで施工してくれる「郵送施工サービス」を提供している業者が増えています。郵送の場合、施工期間は約1〜2週間程度を見込んでおきましょう。その間バイクに乗れなくなるため、ツーリングシーズンを外して依頼するのがおすすめです。
なお、一点だけ独自の視点でお伝えしておきたいのが「旧車・再塗装済みバイクへの施工リスク」です。一般的にラッピングは「剥がせば元に戻せる」とされていますが、塗装面が劣化していたり再塗装されていたりするバイクでは、フィルムを剥がす際に塗装が一緒に剥がれてしまうリスクが高くなります。特に純正塗装が薄くなっている旧車や、板金修理後に再塗装した部分にラッピングを施す場合は事前にプロへ相談することが大切です。
実際に「ラッピングを剥がしたら塗装も一緒に剥がれてタンクの再塗装に数万円かかった」というケースも報告されています。新品同様の塗装面に施工するのが原則です。
タンクラッピングで後悔しないための施工前の確認として、塗装状態の確認・フィルムのブランド確認・業者の実績確認の3点を必ず押さえてから依頼しましょう。
参考情報(プロ施工の費用相場・施工事例について詳しい解説があります)。
バイクのカーラッピング費用相場と施工事例解説|失敗例・耐用年数・プロ依頼とDIYの違いも比較(カービューティープロ・EBA)
参考情報(タンクラッピングのメリット・デメリット・カーボン調フィルムの特徴について詳しい解説があります)。
ネイキッドバイクに人気急上昇中!タンクのカーボン調ラッピングを徹底解説(THE WRAP)
参考情報(ラッピングフィルムの劣化原因・メンテナンス方法・施工の注意点が詳しく解説されています)。
バイクのラッピングについて(XP KYOTO/一級整備士・インストーラー監修)

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