

あなたの想像よりコスト負担が重いかもしれません。
レーシングタイヤの値段は、バイク用で1本あたり約3万円~5万円が相場です。ダンロップの「SLICK Radial」や、ハンコックの「Ventus F200」などが代表的な製品として知られています。四輪車用レーシングタイヤになると、1本5万円前後からとなり、さらに高額です。
参考)https://www.deepstage-racing.com/?mode=cateamp;cbid=1831520amp;csid=1
価格帯の幅が広いことが特徴です。
サイズや性能によって値段は変動します。フォーミュラSAEタイヤのような特殊な競技用タイヤでは、16.0x6.0-10サイズで税込44,330円、16.0x7.5-10サイズで税込47,190円といった具体的な価格設定があります。ヨコハマタイヤやダンロップなど、国内大手メーカーの製品は性能と信頼性の高さから、レースチームに広く採用されています。
参考)https://uppit.upgarage.com/column/racing-tires/
中古市場ではもう少し安くなる可能性があります。
Yahoo!オークションの過去180日間のデータによれば、レーシングタイヤの落札価格平均は約23,913円です。ただし、中古タイヤは残りの寿命や保管状態に大きく左右されるため、購入前に製造年月日とタイヤの状態を必ず確認する必要があります。タイヤメーカーは使用開始から5年での交換を推奨しており、サーキット走行を前提とした使用なら製造1年以内のタイヤが理想的です。
参考)Yahoo!オークション -「レーシングタイヤ」(タイヤ) …
レーシングタイヤの寿命は驚くほど短く、オートレース用タイヤでは約15.5kmで寿命を迎えます。一般的なバイクタイヤの寿命が約1万kmであることを考えると、その差は約650倍です。レース数でいえば4~5レース程度しか持たない計算になります。
参考)X
つまり消耗品としてのコストが極めて高いです。
この短命の理由は、グリップ力を最大化するために柔らかいコンパウンド(ゴム素材)を使用しているためです。スポーツバイク用のハイグリップタイヤでも約3,000km~7,000km程度で交換が必要とされており、通勤・通学用の一般タイヤが約20,000km~25,000kmもつのと比べると、明らかに寿命が短いことがわかります。
参考)バイクのタイヤ寿命はどのくらい?バイクのタイヤを長持ちさせる…
サーキット走行頻度によって交換回数は変わります。
年間35回のサーキット走行を行った実例では、2年間でタイヤ以外にもブレーキパッド交換を6回、ローター交換を2回実施しており、消耗品のメンテナンス頻度がいかに高いかがわかります。タイヤの美味しい時期は走行距離1,000~1,500km頃とも言われており、ベストパフォーマンスを維持しようとするとさらに交換サイクルが早まります。
スリックタイヤを公道で使用すると、整備不良違反として処罰されます。違反点数2点に加え、二輪車では7,000円、原付では6,000円の反則金が科せられます。道路運送車両法の保安基準では、溝が1.6mm以下のタイヤの使用は禁止されており、スリックタイヤのサイドウォールには「For competition(競技用)」と刻印することが定められています。
参考)スリックタイヤって公道で使っちゃダメなの?どういう違反になる…
法律違反だけが問題ではありません。
スリックタイヤは溝がないため、雨天時の排水ができずハイドロプレーニング現象が起きやすく、極めて危険です。サーキット専用として設計されているため、天候や路面状況に左右されない安全性を確保するには、公道では必ず溝のあるタイヤを使用する必要があります。
公道走行可能なセミレーシングタイヤもあります。
Sタイヤ(セミレーシングタイヤ)と呼ばれる製品なら、溝があるため公道での使用が可能です。ヨコハマのA050やダンロップのディレッツァ03G、ナンカンのAR-1、クムホのV710などが代表例で、サーキット走行も楽しみたいが公道も走る必要がある場合に適しています。ただし、Sタイヤも一般タイヤより寿命が短いため、交換頻度は高くなります。
参考)スポーツタイヤとは?種類やメリット、おすすめのタイヤも徹底解…
タイヤの溝の深さだけで交換時期を判断するのは不十分です。スリップサインが出る前に交換するのが基本とされており、特にサーキット走行では安全性を最優先すべきです。タイヤの製造年月日も重要で、サーキット派でも製造1年以内のタイヤを使用するのが望ましいとされています。
参考)最長でも5年で交換! 残溝だけじゃ判断できないタイヤの使用期…
走行距離と見た目の両方をチェックします。
残りの溝が十分にあっても、偏摩耗やキズ、ひび割れ、サイド部の膨らみがあれば交換が必要です。使用開始から5年以上経過したタイヤについては、タイヤ専門店へ相談することが推奨されています。一般的な夏タイヤの場合、走行距離が約20,000km~40,000kmを超えると寿命を迎えるため、交換時期の目安となります。
参考)タイヤの交換時期はいつ?替え時の見分け方や寿命を伸ばす方法を…
レーシングタイヤはさらに頻繁な点検が必要です。
サーキット走行後は毎回タイヤの状態を確認し、異常がないか目視でチェックする習慣をつけましょう。空気圧が適正か、ミゾは十分に残っているか、偏摩耗していないかを確認します。タイヤの性能が低下すると、グリップ力が落ちてタイムが出なくなるだけでなく、安全性も損なわれるため、少しでも不安があれば交換を検討すべきです。
タイヤを長持ちさせるには、適切な保管方法が欠かせません。保管前に汚れを落としてしっかりと乾かし、空気圧を適正の1/2程度まで落とします。タイヤが常に緊張した状態だと劣化が進むため、空気圧を落として負担を減らすことが重要です。
参考)タイヤの保管|タイヤの知識|日本グッドイヤー 公式サイト
置き方はホイールの有無で変わります。
ホイール付きなら横置きにし、定期的に上下を変えます。ホイールなしの場合は縦置きにして、定期的に接地面を変えることで、一箇所への負担を防ぎます。床面に直接置く場合は、敷物を敷いてタイヤを保護しましょう。
保管場所は暗く涼しい環境を選びます。
直射日光、油類、ストーブなどの熱源、電気火花の出る装置に近い場所は避けてください。
変質や発火の原因となり危険です。
特にホイールを外してタイヤ単体で保管する場合は、タイヤの中に水や異物が入らないよう、専用のカバーをかけて保管することが望ましいです。タイヤを過剰に清掃しすぎるのも良くありません。適度な洗浄にとどめ、タイヤ表面を保護しましょう。
年間のタイヤコストを事前に計算しておくと、予算管理がしやすくなります。例えば、バイク用レーシングタイヤが前後セット8万円、寿命が5回のサーキット走行分だとすると、年間20回走行する場合は32万円のタイヤ代が必要です。
これは消耗品の中でも大きな比重を占めます。
他の消耗品コストも見逃せません。
サーキット走行では、タイヤ以外にもブレーキパッドやオイル交換の頻度が高くなります。エンジンオイルは5,000km毎、ブレーキパッドは残量3mm以下になる前に交換が必要です。年間35回のサーキット走行を行った実例では、2年間でエンジンオイル交換4回、ブレーキパッド交換6回(前後合計)、ローター交換2回という頻度になっています。
参考)【サーキット走行の勧め:第13話】サーキット走行するとどのく…
トータルコストの把握が重要です。
タイヤ代だけでなく、ブレーキ関連やオイル類、プラグ交換などを含めた年間の維持費を計算しておくと、無理のない走行計画が立てられます。サーキット走行は確かにお金がかかりますが、事前にコストを把握しておけば、計画的に楽しむことができます。中古タイヤの活用や、セミレーシングタイヤへの切り替えなど、用途に応じた選択肢も検討しましょう。