ロンホイ ロンスイ 違いとバイクカスタムの特徴

ロンホイ ロンスイ 違いとバイクカスタムの特徴

ロンホイとロンスイの違い

この記事のポイント
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構造の違い

ロンホイはエンジンハンガー延長、ロンスイはスイングアーム延長という根本的な違いがあります

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車種による使い分け

スクーターにはロンホイ、マニュアルバイクにはロンスイが適用されます

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走行性能への影響

直進安定性の向上と引き換えに旋回性が低下する特性を持っています

ロンホイの構造とエンジンハンガー方式


ハリケーン リアブレーキケーブル ジョイント~後 ロンホイ用 150mmロング(ブラック) ズーマーX
ロンホイ(ロングホイールベース)は、スクーター専用のカスタム方法として知られています。スクーターの構造では、エンジンがスイングアームのメンバーになっているため、スイングアーム自体を延長することが困難です。そのため、フレームとエンジンの間にサブフレーム方式(エンジンハンガー方式)を取り付けることで、リアタイヤを後方へオフセットさせる仕組みになっています。この方式では、スイングアーム長は変更せずにエンジン位置を後ろにずらすことで、ホイールベース全体を延長します。
参考)PCXのロンホイはADIOロングホイールベースキットで!工賃…

エンジンハンガー方式の最大の利点は、エンジンヘッドが下がらないため、エンジンオイルの偏りが起きず焼きつきのリスクが低減されることです。また、リアショックを純正角度のまま後方にオフセットさせるブラケットが標準で付属するため、車高もノーマルと同等に保たれます。延長量は車種によって異なり、80mm~160mmまで選択可能で、延長化しても走行時の振動が発生しにくいという特徴があります。
参考)https://ameblo.jp/adio-style/entry-12591366725.html

ロンスイの構造とスイングアーム延長方式

ロンスイ(ロングスイングアーム)は、マニュアルバイクに適用されるカスタム方法です。エンジン位置を変更せずに、リアタイヤを支えるスイングアームの全長を長くすることで、リアタイヤ位置を後ろに延ばします。スイングアームそのものを延長するため、エンジンマウント位置は変わりません。
参考)【バイク】ロンスイとは?ロンスイのメリット/デメリットについ…

ロンスイの起源は、ヒルクライムにおいて車両がひっくり返らないようにするための工夫から始まったとされています。現在では、ドラッグレースなどの直線加速競技で頻繁に採用されており、フロントアップを抑制する目的で使用されます。例えば、Ninja H2のドラッグレースチャンピオンマシンは、超ロンスイ仕様になっています。YAMAHAのTWシリーズは、ロンスイカスタムが施される代表的な車両として人気があります。​

ロンホイとロンスイの適用バイク種別

スクーターとマニュアルバイクでは、構造的な違いから適用されるカスタム方法が明確に分かれています。スクーターは「ロンホイ」、マニュアルバイクは「ロンスイ」という使い分けが基本となります。​
スクーター系でロンホイが人気の車種には、PCX125/150、シグナスX、マジェスティ、ズーマーなどがあります。これらの車種には専用のロンホイキットが販売されており、80mm、100mm、160mmなど複数の延長量から選択できます。一方、マニュアルバイクでロンスイが多く施される車種には、YAMAHA TWシリーズ、GN125、スーパーカブ、SR400/500などがあります。
参考)ローダウン&ロングスイングアーム SR400/500 / 2…

両者の違いを簡潔にまとめると、スクーターはエンジンとスイングアームが一体化した構造のため延長方法が限定され、マニュアルバイクはエンジンとスイングアームが独立しているため延長の自由度が高いという特徴があります。​

ロンホイとロンスイの費用相場と施工難易度

ロンホイやロンスイのカスタムには、パーツ代と工賃を含めて相応の費用が必要です。シグナスXのロンホイカスタムでは、キット本体に加えて関連パーツや特殊作業の費用を含め、最低でも総額10万円前後かかります。PCXのロンホイキット本体価格は、延長量や車種によって異なりますが、3万円~7万円程度が一般的です。これに工賃、フェンダーレス化、配線・配管の変更費用などが加算されます。
参考)HONDA PCX125/150 4型(JF81/KF30)…

ロンスイの場合も同様に、スイングアーム本体の価格に加えて、チェーンの延長、リアサスペンションの交換、補強作業などの費用が発生します。特にリアサスペンションは、延長後のふわふわ感を抑えるために交換が推奨されるため、トータルコストは高額になりがちです。​
施工難易度については、基本的に専門知識が必要な作業となります。配線や配管の変更、シートボックスの加工、フェンダーレス化など、複数の関連作業が伴うため、バイクショップでの施工が一般的です。自分で施工する場合は、強度不足や組み付け不良のリスクがあるため、実績のあるキットを使用し、補強を適切に行うことが重要です。
参考)4型シグナスXカスタムレポート 第9章 ロングホイールベース…

ロンホイとロンスイの見た目と人気カスタムトレンド

ロンホイやロンスイカスタムを行う最大の理由は、見た目の変化です。ホイールベースを延長することで、バイク全体のシルエットが劇的に変わり、独特のスタンスが生まれます。スクーターのロンホイカスタムは、ビッグスクーターブーム時代から定番のカスタムとして愛好家の間で人気があり、インパクトのある外観に仕上がります。
参考)「ロンホイ」……スクーターのインパクトを1.2倍マシ! カス…

カスタムトレンドとしては、ストリート系やニュースクールと呼ばれるジャンルで頻繁に見られます。特にTWシリーズは、ロンスイカスタムの代表的な車両として知られています。スクーター系では、シグナスX、PCX、マジェスティなどがロンホイカスタムの人気車種となっています。
参考)ロンホイ初心者にオススメの4D9マジェスティカスタム プロが…
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見た目の調整という観点では、GN125のような車種ではホイールベースが短くお尻が短く見えてしまうため、ロンスイ化によってバランスを改善するケースもあります。カフェレーサーカスタムを行う海外のビルダーも、リアタイヤの位置調整のためにスイングアーム長を調整することがあります。ただし、これらのカスタムは基本的にビジュアル重視であり、機能面でのメリットよりもデメリットの方が多いと指摘されています。​

ロンホイの走行性能への影響とメリット

ロンホイカスタムによるホイールベースの延長は、走行性能にいくつかの影響を与えます。最も顕著なメリットは直進安定性の向上です。ホイールベースが長くなると、左右に車体が振られにくくなり、安定してまっすぐ走れるようになります。これは、まっすぐ走ろうとする力が強くなるためで、高速道路などでの巡航が楽になります。
参考)ホイールベースとは?長い車・短い車のメリット&デメリットやコ…

乗り心地の改善も期待できるメリットの一つです。路面の段差を乗り上げた時でも、ホイールベースが長い場合は車体に伝わる振動が少なくなります。これは、タイヤと搭乗者の距離が長くなることと、ホイールベースが長いことによって車体の上下動が少なくなるためです。路面の凹凸に対しても緩やかに対応できるため、連続して衝撃が来ることも少なく、比較的振動が少なくなります。youtube​​
さらに、ロンホイには冷却性能の向上という隠れたメリットもあります。エンジン周りの風通しが良くなるため、エンジンの冷却性が向上する可能性があります。また、ウイリーしにくくなるという特性も持っており、ドラッグレースなどの直線加速競技では有利に働きます。0-100km/hの加速タイムを競う競技では、フロントアップを抑制することが重要なため、超ロンスイ仕様が採用されています。
参考)https://ameblo.jp/lindapoodle/entry-12548084776.html

ロンホイとロンスイのデメリットと注意点

ロンホイやロンスイカスタムには、メリットを上回る数多くのデメリットが存在します。最も顕著なデメリットは旋回性の低下です。ホイールベースが長くなると、特に低速時の機動性に影響を及ぼし、Uターンや狭い道での取り回しが非常に難しくなります。都市部や交通量の多い地域での運転では、この影響を強く感じることになります。小回りが効かなくなり、カーブでの内輪差も大きくなるため、慣れるまで注意が必要です。
参考)https://dongri-galaxy.link/zoomer-long-wheel-custom-illegal/

フェンダーレス化に伴う問題も無視できません。リアタイヤの位置が後方に移動するため、多くのケースでフェンダーが外されます。リアフェンダーがなくなれば、雨の日にリアタイヤからの跳ね上げがひどくなり、リュックや洋服が著しく汚れます。これは日常使いのバイクにとっては大きなマイナスポイントです。​
強度不足のリスクも深刻な問題です。スイングアームやエンジンハンガーが長くなると、延長量によっては補強なしでは強度が落ちます。単純に延長するだけでは危険であり、補強を考えるか、実績のあるキットを採用する必要があります。また、スイングアームの振れ幅が大きくなるため、チェーンの遊び量を適切に調整しないと、チェーンに過剰な負荷がかかったり、外れやすくなったりします。整備の難易度も上昇し、通常の整備作業が複雑になって特別な技術や工具が必要になる場合があります。​

ロンホイカスタムの法規制と車検対応

ロンホイやロンスイカスタムを行う際には、法規制への理解が不可欠です。日本の法律では、車両の構造変更には厳しい規制があり、適切な手続きを行わないカスタムは違法とみなされます。ロンホイカスタムは一般的に車検基準に適合しないため、公道での走行は法律に違反する可能性が高くなります。​
構造変更の観点から見ると、ホイールベースの延長は車両の基本構造を変更する行為に該当します。そのため、正式に構造変更検査を受けて登録を変更しない限り、公道走行は違法となります。カスタム愛好家の間では、このリスクを理解した上で、展示用やプライベートトラックでの走行に限定して楽しむケースも見られます。​
安全性の面でも懸念があります。ロンホイ化によって変更された重心や機構は、特に急なブレーキングや高速走行時に安定性を損なう可能性があり、事故につながるリスクを増加させます。また、ナンバープレートの取り付け位置が適切な位置にならない場合もあり、これも法規制に抵触する可能性があります。延長しすぎると車体後部の構造が大きく変わるため、保安基準を満たすことが困難になります。
参考)原付の改造ですがロンホイや車高短にする過程のブログが多々あり…

ロンホイ人気車種と専用キットの選び方

ロンホイカスタムには、車種ごとに専用設計されたキットが販売されています。HONDA PCX125/150の4型(JF81/KF30)用には、ADIOブランドから160mmロンホイキットが提供されており、信頼性の高い製品として知られています。シグナスXやマジェスティSも、ロンホイカスタムの定番車種として多くの専用キットが用意されています。
参考)シグナスX ロンホイ加工☆他店購入、ヤフオク購入車両どんな車…

キット選びのポイントは、まず延長量の決定です。一般的には80mm、100mm、160mmなどの選択肢があり、車種や使用目的によって適切な長さが異なります。延長量が大きいほど見た目のインパクトは強くなりますが、旋回性の低下も顕著になるため、バランスを考慮する必要があります。​
キットの品質も重要な選択基準です。ADIOなどの実績あるメーカーの製品は、エンジンヘッドが下がらない設計になっており、エンジンオイルの偏りによる焼きつきトラブルを防げます。また、リアショックのオフセットブラケットやシートボックス加工用カバーが標準付属しているかどうかも確認すべき点です。振動発生の少ない設計かどうかも、長期使用を考えると重要な要素となります。
参考)原二スクーターユーザー注目のブランド「アディオ」のモノ作り …

適合情報の確認も欠かせません。キット装着にあたっては、基本的にフェンダーレス化が必要となり、車種によっては追加部品が必要になる場合があります。配線や配管の変更も伴うため、自分の車種に適合した専用キットを選ぶことで、施工の難易度を下げられます。​
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