整備士のバイクの資格の全種類と年収と難易度と試験

整備士のバイクの資格の全種類と年収と難易度と試験

整備士のバイクの資格

記事のポイント
🏍️
資格の最高峰は実質2級

1級の試験は現在実施されていないため、2級が事実上のトップです。

🔧
独学取得のハードル

試験を受けるだけで1年以上の実務経験が必須となります。

💰
年収とキャリア

平均年収は300〜450万円。経験と資格等級で大きく変動します。

整備士のバイクの資格の種類と等級

 

バイクに乗っていると、愛車のメンテナンスを自分で行う楽しさに目覚める方も多いでしょう。しかし、プロとして他人のバイクを整備し、報酬を得るためには国家資格である「二輪自動車整備士」が必要です。この資格には等級があり、それぞれに行える業務の範囲が法律で厳密に定められています。

 

参考)バイク整備士(二輪自動車整備士)になるには?仕事内容や平均年…

一般的に知られている等級は3級から1級までですが、実はバイク業界には「幻の1級」という言葉が存在することをご存知でしょうか。ここでは、各等級の具体的な違いと、なぜ1級が特別なのかを詳しく解説します。

 

  • 3級二輪自動車整備士
    • 概要: 整備士としてのキャリアのスタートラインです。
    • 業務範囲: タイヤ交換、オイル交換、簡単な点検整備など、基本的なメンテナンス業務が可能です。ただし、エンジンブレーキなどの重要保安部品を分解して整備する「分解整備」は、上位の整備士(2級以上)の指導監督下でなければ行えません。

      参考)自動車整備士の基礎知識! 4つの種類と各級の違い

    • 役割: 現場では見習い的なポジションとして、先輩整備士の補助を行いながら経験を積む段階となります。
  • 2級二輪自動車整備士
    • 概要: バイク整備のプロフェッショナルとして認められる資格です。
    • 業務範囲: 3級の範囲に加え、エンジン、ブレーキ、サスペンションなどの分解整備を単独で行うことが法的に許可されます。事実上、一般の整備工場で行われるほぼすべての作業を自己完結できるレベルです。

      参考)二級自動車整備士資格と三級の違いは?|自動車整備士を目指すな…

    • 重要性: バイクショップで「工場長」や「主任」を目指すなら必須の資格であり、求人市場でも最も需要が高い等級です。
  • 1級二輪自動車整備士(幻の資格)
    • 概要: 法律上は設定されていますが、これまで一度も試験が実施されたことがありません

      参考)自動車整備士の平均年収と給料アップの方法+転職術|シニアタイ…

    • 実情: そのため、現在日本国内に1級二輪自動車整備士の資格保有者は存在しません。実質的に、2級がバイク整備士資格の最高峰として扱われています。これは意外と知られていない業界の常識です。

    この等級制度は、単なる技術レベルの証明だけでなく、法律に基づいた業務独占資格としての側面が強いのが特徴です。ユーザーとしてショップに整備を依頼する際、担当者が2級を持っているかどうかは、そのショップの信頼性を測る一つの指標にもなり得ます。

     

    二輪自動車整備士の資格制度や等級ごとの詳細な業務範囲について解説されています。

     

    バイク整備士(二輪自動車整備士)になるには?仕事内容や難易度 | ジョブパル
    自動車整備士全体の等級制度と、それぞれの級で何ができるかが分かります。

     

    自動車整備士の基礎知識! 4つの種類と各級の違い | 東京自動車大学校

    整備士のバイクの資格の難易度と合格率

    「国家資格」と聞くと非常に難関なイメージを持つかもしれませんが、二輪自動車整備士の試験データを見ると、少し違った景色が見えてきます。実は、試験自体の合格率は他の国家資格と比較しても決して低くはありません。むしろ、最大の難関は試験問題そのものではなく、「受験資格を得るまでのプロセス」にあります。

     

    参考)二輪自動車整備士とは?資格や試験内容について解説!|お役立ち…

    ここでは、実際の合格率データと、試験の内容(学科・実技)について深掘りします。

     

    合格率の推移と実態

    二輪自動車整備士試験の合格率は、実施年度によって多少の変動はあるものの、おおむね以下の水準で推移しています。

     

    等級 学科試験 合格率 実技試験 合格率 備考
    3級 約 60% 〜 70% 約 90% 以上 基礎的な内容が多く、対策をすれば合格しやすい
    2級 約 70% 〜 80% 約 90% 以上 3級より専門的だが、実務経験者が多いため合格率は高め

    この数字を見て「意外と簡単そうだ」と感じた方もいるかもしれません。しかし、この数字にはカラクリがあります。受験者の大半は、専門学校で体系的に学んだ学生や、すでに現場で毎日バイクに触れている現役のメカニック見習いです。つまり、「全くの素人がいきなり受けて受かる試験」ではないということです。

     

    参考)バイク整備士になりたい人はなぜ専門学校に通うのか?その理由を…

    試験の構成と難所

    試験は「学科試験」と「実技試験」の2部構成で行われます。

     

    1. 学科試験
      • エンジンの熱力学、電気回路の基礎、法令知識などが問われます。特に最近のバイクは電子制御化(FI、ABS、トラクションコントロールなど)が進んでいるため、電気・電子に関する知識のウェイトが高まっています。
      • 「なんとなく整備ができる」レベルでは太刀打ちできず、理論に基づいた数値や用語の理解が不可欠です。
    2. 実技試験
      • 実際に車両やパーツを使って、トラブルシューティングや測定作業を行います。
      • 免除制度: 実は、国が認定する専門学校(一種養成施設)を卒業するか、各都道府県の整備振興会が実施する「技術講習(約半年間)」を修了すると、この実技試験が免除されます。多くの受験者はこの免除制度を利用しているため、上記の実技合格率が高くなっているのです。

        参考)整備士の資格は通信講座(ユーキャンなど)で取得できますか?働…

    独学で挑む場合、この実技試験が鬼門となります。試験会場でいきなり「キャブレターの調整を行え」「電気回路の導通点検を行え」と指示され、制限時間内に正確な手順で作業を完了させるには、普段からの反復練習が欠かせません。

     

    学科試験の対策と合格率、勉強のポイントについて詳しく書かれています。

     

    二輪自動車整備士とは?資格や試験内容について解説! | 整備士ジョブズ

    整備士のバイクの資格の受験資格と実務経験

    バイク好きのライダーなら、「趣味の延長で整備士資格を取りたい」と考えることがあるかもしれません。しかし、二輪自動車整備士の資格取得における最大の壁は、「実務経験」という厳格な受験資格にあります。この規定により、単にペーパーテストが得意なだけでは受験すらさせてもらえません。

     

    参考)バイク整備士になるには

    ここでは、ルート別に必要な期間と条件を整理し、社会人が働きながら取得する現実的な方法について解説します。

     

    ルート別:受験資格を得るための条件

    大きく分けて「専門学校ルート」と「実務経験(独学)ルート」の2つがあります。

     

    • 1. 専門学校ルート(最短・確実)
      • 国土交通省認定の整備専門学校に入学し、所定の課程(通常2年間)を修了することで、実務経験なしで2級の受験資格が得られます。
      • さらに、在学中に実技試験免除の特典も得られるため、卒業と同時に学科試験のみで資格取得が可能です。
      • デメリット: 学費(200万〜300万円程度)と、平日昼間の通学時間が必要です。社会人にはハードルが高い選択肢です。
    • 2. 実務経験ルート(働きながら取得)
      • 整備工場(認証工場または指定工場)に就職・アルバイトとして入り、整備主任者の下で実務経験を積む必要があります。
      • 3級受験: 1年以上の実務経験が必要。
      • 2級受験: 3級取得後、さらに3年以上の実務経験が必要(合計4年以上)。
      • 注意点: ガソリンスタンドや用品店での「オイル交換のみ」のアルバイトなどは、実務経験として認められない場合があります。「認証工場」での勤務実績証明が必要です。

        参考)働きながら自動車整備士の資格を取る方法/高卒でも高校中退でも…

      独学・趣味での取得は可能か?

      結論から言うと、「完全に趣味の範囲で、整備工場に勤務せずに資格を取ることは不可能」です。受験申請の際、勤務先の工場長などが署名・捺印した「実務経験証明書」の提出が必須となるからです。

       

      参考)仕事としてではなく、趣味で整備の勉強がしたいと思ってます。 …

      「週末だけバイク屋を手伝って資格を取りたい」という場合でも、そのバイク屋が認証工場であり、かつ正式に実務経験として証明書を出してくれる関係性が必要です。したがって、一般のライダーが「自分のバイクをいじるために箔をつけたい」という理由で取得するには、あまりにもハードルが高い資格と言えます。

       

      しかし、これは裏を返せば、「資格を持っている整備士は、例外なく現場での厳しい下積み時代を経験している」という証明でもあります。私たちが安心して愛車を預けられるのは、この厳格な制度があるからこそなのです。

       

      働きながら資格を取得するための具体的なステップと要件が解説されています。

       

      働きながら自動車整備士になるには|計画的に資格取得する方法 | 自動車整備士求人ナビ
      実務経験の規定や、趣味での取得が難しい理由について詳しく説明されています。

       

      働きながら自動車整備士の資格を取る方法/高卒でも高校中退 | 整備士ネット

      整備士のバイクの資格の年収と仕事内容

      晴れて資格を取得した後、待っているのはどのような待遇と仕事なのでしょうか。バイク整備士の年収は、一般的に自動車(四輪)整備士と比較してやや低い傾向にあると言われていますが、近年のバイクブームや旧車人気の再燃により、状況は変化しつつあります。

       

      参考)バイク整備士とは?必要なスキルと年収、働き方を徹底解説!

      ここでは、リアルな年収事情と、資格の有無で変わる仕事内容について解説します。

       

      整備士のバイクの資格保有者の年収相場

      • 平均年収: 300万円 〜 450万円程度
      • 初任給: 月収18万円 〜 22万円程度
      • 店長・工場長クラス: 年収500万円 〜 600万円以上も可能
      経験・資格 年収目安 解説
      見習い(無資格) 250万〜300万円 洗車や軽作業が中心。資格取得までは給与も抑えめ。
      3級整備士 300万〜380万円 基本的な整備を担当。まだ先輩の指示が必要な場面も。
      2級整備士 350万〜450万円 重整備や車検整備も担当。即戦力として評価される。
      ディーラー勤務 400万〜550万円 大手メーカー系ディーラーは福利厚生や賞与が手厚い傾向。

      「好きを仕事にする」という側面が強いため、給与水準は全産業平均よりやや低めですが、「独立開業」という夢があるのがバイク整備士の魅力です。独自のカスタムショップやレストア専門店を開業し、人気店となれば年収1000万円を超えるオーナーも存在します。

       

      仕事内容:資格で変わる「触れる領域」

      資格の有無は、法律的に「触ってよい部品」の範囲を決定づけます。

       

      • 無資格者・見習い
        • 洗車、車両の移動、納車準備、アクセサリーパーツ(スマホホルダー等)の取り付け。
        • オイル交換やタイヤ交換も補助作業としては可能ですが、分解整備に該当する作業(キャリパーを外すなど)は単独ではできません。
      • 有資格者(特に2級)
        • 分解整備: エンジンを開けてのオーバーホール、ブレーキキャリパーの分解清掃、フロントフォークのオーバーホールなど、バイクの性能と安全に直結する核心的な作業。
        • 車検整備: 250ccを超えるバイクの車検対応。公道を走るための保安基準に適合しているかどうかの最終判断。
        • トラブルシューティング: 最新の診断機(OBDツール)を使用した電子制御系の故障診断。

        特に最近のバイクは高度に電子化されており、パソコンと接続して診断を行うスキルも求められます。昔ながらの「勘と経験」だけでなく、「データ分析能力」も仕事の重要な一部となっています。

         

        バイク整備士の具体的な年収データと、キャリアアップの可能性について書かれています。

         

        バイク整備士とは?必要なスキルと年収、働き方を徹底解説! | メカニックワークアシスト
        プロとして働く整備士の仕事のやりがいや、求められるスキルについて解説されています。

         

        プロのバイク整備士に必要なスキル | バイク整備士の仕事

        整備士のバイクの資格とユーザーの分解整備の範囲

        最後に、今回の記事のターゲットである「バイクに乗っている人」にとって、意外と知られていない法的な視点を紹介します。それは、「資格を持っていない個人(ユーザー)は、どこまで自分のバイクを整備していいのか?」という問題です。

         

        「整備士資格がないと、ブレーキパッドの交換もしてはいけないの?」
        このような疑問を持つライダーは多いですが、実は法律(道路運送車両法)の解釈は以下のようになっています。

         

        自分のバイクなら「分解整備」も合法

        驚くことに、「ユーザー自身の所有する車両」であれば、資格がなくても分解整備を行うことは法律で禁止されていません。これを「自己整備(ユーザー整備)」と呼びます。

         

        • OKな例: 自分のガレージで、自分のバイクのブレーキキャリパーを分解洗浄する。エンジンのシリンダーを外してピストンを交換する。
        • NGな例: 友人のバイクを預かり、お金をもらってブレーキ整備をする(これは無資格での事業行為となり違法です)。
        • グレーな例: 友人のバイクを無償で整備する。金銭の授受がなくても、継続的に行っているとみなされると問題になる可能性があります。また、万が一整備不良で事故が起きた場合、整備した人の責任(民事・刑事)が重く問われます。

        整備士資格の知識がもたらす「やらない勇気」

        ここで、プロの整備士資格(特に2級レベル)の知識が重要になります。整備士教育では、技術だけでなく「金属疲労」「締め付けトルクの管理」「油脂類の化学的特性」などを徹底的に学びます。

         

        これを知っている整備士は、「ここを適当に締めると、走行中に脱落して死ぬかもしれない」というリスクを具体的にイメージできます。一方、ネット情報だけで見よう見まねで整備するユーザーは、その「見えないリスク」に気づかないまま作業を完了させてしまうことがあります。

         

        例えば、重要保安部品であるブレーキやアクスルシャフト(車軸)の締め付け。

         

        • 素人の感覚: 「手で回らなくなるまで強く締めたから大丈夫。」(→オーバートルクでボルトが伸び、破断する危険性)
        • 整備士の視点: 「規定トルクは○○N・m。トルクレンチを使い、ネジロック剤の要否を確認し、マーキングを行う。」

        プロの資格を持つということは、「何ができるか」だけでなく、「何をしてはいけないか(危険か)」を知っているということです。ユーザーとしてバイクを楽しむあなたも、整備士の資格内容や試験範囲を知ることで、「ここは自分でやろう」「ここは命に関わるからプロ(有資格者)に任せよう」という線引き(リスク管理)ができるようになります。

         

        資格取得を目指さなくても、整備士テキスト(市販されています)を読んでみることは、安全なバイクライフにとって非常に有意義な「自己投資」と言えるでしょう。

         

        ユーザー車検や自己整備に関する法的な解釈と、プロに任せるべき領域について解説されています。

         

        バイク整備士の平均年収は?給料や待遇についても解説! | 整備士ジョブズ

         

         


        カーシティーのトレインのトロイ