制動時の荷重移動とバイクの物理現象を理解して安全に走る

制動時の荷重移動とバイクの物理現象を理解して安全に走る

制動時の荷重移動とバイクの物理現象

リアブレーキだけで止まろうとすると、実はフロント荷重が増えて後輪がロックしやすくなります。


この記事の3つのポイント
⚖️
荷重移動の計算式

制動力×重心高÷ホイールベースで荷重移動量が決まり、重心が高いほど前輪への荷重が増える

🔧
前後ブレーキの配分

フロント7:リア3が基本で、前輪だけでも制動力を強めるほど接地荷重が増えてロックしにくい特性がある

⚠️
コーナー進入の注意点

ブレーキを急にリリースするとフロントフォークが伸びて荷重が抜け、バイクがふらつき転倒リスクが高まる

制動時の荷重移動の計算式とホイールベースの関係


バイクでブレーキをかけると、車体が前のめりになります。これは制動力が接地点に働き、重心の高さと作用点の位置がずれているために起こる物理現象です。


荷重移動量は具体的に「制動力×重心高÷ホイールベース」で計算できます。例えば、重心が高いバイク(アドベンチャーバイクなど)ほど、同じ制動力でも前輪への荷重移動が大きくなるということですね。


ホイールベースが長いバイクは荷重移動量が小さくなり、安定したブレーキングができます。逆に短いバイクは荷重移動が大きく、前輪に一気に荷重が集中します。


参考)前後荷重移動とブレーキング|トライズのブログ|ダッシュボード…


重心高が500mm、ホイールベースが2500mmのバイクなら、1Gの制動で車重の約20%が前輪へ移動する計算です。つまり300kgのバイクなら約60kgが前輪に加わります。


急制動時には車体とライダーの総重量300kgを超える荷重が前輪にかかることもあります。フロントフォークが130mmストロークすると、左右合計で221kgfもの力を受け止めている計算になります。


荷重移動を理解すれば、自分のバイクの特性に合わせたブレーキングができるようになります。車種ごとの重心高やホイールベースは新車カタログや車検証で確認できます。


参考)自動車計算式【軸荷重,重心高,最大安定傾斜角度の求め方】


制動時のフロントブレーキとリアブレーキの役割

フロントブレーキだけで制動すると、制動力を強めるほど前輪の接地荷重が増えるため、意外にもロックしにくい特性があります。制動力の釣り合い位置は前輪の真上にあり、強くブレーキをかけても前輪はスリップしにくいのです。


一般的にブレーキの前後配分は7:3と言われます。これは前輪と路面の摩擦が7割、後輪と路面の摩擦が3割という意味です。


参考)二輪教習 スムーズな停止のコツ3!前後のブレーキは7:3?


リアブレーキだけで止まろうとすると危険です。後輪だけでは制動力が弱く、確実に止まれません。さらに、制動時は荷重が前に移動するため後輪荷重が減り、後輪がロックして転倒しやすくなります。


参考)https://www.goobike.com/magazine/knowledge/beginner/17/


フロントブレーキだけを強く使うのも問題です。フロントサスペンションがガクンと沈み、バイクの安定性が損なわれます。高速走行時には前輪タイヤがロックして前転する危険もあります。


リアブレーキには車体を安定させる効果があります。リアブレーキをかけるとリアサスペンションが縮み、路面への荷重が一定になって摩擦が高まります。


参考)車体安定目的のリアブレーキ利用


急制動時にはリアブレーキを一瞬先にかけると、バイクの姿勢が安定して制動距離も短くなります。前後のブレーキを上手く組み合わせるのが基本です。


制動による前輪荷重の増加とグリップ力の関係

ブレーキをかけると前輪の接地荷重が増え、タイヤがたわんで接地面積が広がります。接地面積が増えると路面との摩擦抵抗が増えて、グリップ力が高まるということですね。


参考)荷重移動の話1【前後方向】|まえちゃん


急制動では車体重量を超える荷重が前輪にかかります。300kgのバイクでも、フルブレーキング時には前輪に300kg以上の荷重がかかる計算です。


タイヤへの荷重が大きいほどグリップ力は高まるため、前輪ブレーキは正しく操作すれば効率が高く安定した制動が可能になります。これが「フロントブレーキを主体に使う」理由です。


ただし、前輪荷重が増えすぎると今度はリアタイヤの荷重が減ります。リアタイヤの接地荷重が減少すると、リアブレーキをかけてもグリップ力が足りずロックしやすくなります。


フロントサスペンションを硬くしすぎる改造は危険です。路面のギャップや下り坂でブレーキをかけた時に、大きな荷重が加わった状態で安定性を失い、転倒リスクが高まります。


グリップ力を最大限に引き出すには、前後タイヤの荷重バランスを意識することが重要です。


制動距離を短くしながら安全に止まれます。



コーナー進入時の荷重移動とブレーキリリースの危険性

倒し込みに入る前にフロントブレーキを急にリリースすると、収縮していたフロントフォークが一気に伸びます。その結果、フロントタイヤの荷重が抜けてバイクがふらふらした状態になり、思うように曲がりません。


参考)https://ameblo.jp/hizasuri-riding/entry-11925302448.html


これが「ブレーキリリースによる転倒リスク」です。


コーナー進入時は特に危険な状況になります。



プロライダーはフロントブレーキを引きずって荷重を残します。ブレーキを引きずることでフロントサスペンションが沈んだままになり、タイヤを路面に押し付ける力が強くなってグリップ力が上がるんですね。


ただし、フルブレーキングの入力量のままコーナーに進入すれば、フロントタイヤのグリップを失い転倒します。倒し込み角度に応じてブレーキ力を徐々に弱める必要があります。


バンク角が深いほど、タイヤのグリップはコーナリングに使われるため、ブレーキング力に使える余裕が減ります。限界バンク角では、ブレーキをかけない方が安全です。


コーナー進入では、速度を落としてからブレーキを徐々にリリースし、フロントフォークが急に伸びないようにします。荷重移動を滑らかにコントロールすることで、安定したコーナリングができます。


参考)https://www.goobike.com/magazine/ride/technique/32/


制動時の荷重移動を活かした独自のライディング技術

リアブレーキには意外な使い方があります。タイヤがエンジンパワーに負けてホイールスピンを起こす状況で、リアブレーキを使うと後輪の回転数が調整され、空回りすることなく効率よく加速できるんです。


参考)リアブレーキの効果的な使い方


これはレースでのスライドコントロール技術です。駆動輪の回転数を調整できるため、リアブレーキは減速だけでなく加速の安定にも役立ちます。


MotoGPライダーはブレーキング中に複雑な荷重移動を行います。強烈なブレーキで前のめりになったバイクに対して、頭を起こして後ろ側へ荷重を移し、前後の荷重バランスを調整しています。


同時に、荷重が減ってスライドするリアタイヤと進行方向を調整するためにハンドルを切り、左へ曲がるためにバイクを倒し込んで左足を外へ出して荷重移動を行います。前後左右の荷重移動を複合的にコントロールしているわけですね。


停車時にガクッと前のめりにならないようリアブレーキを活用すると快適です。停止直前にリアブレーキの比率を高めることで、姿勢を崩さずに停止できます。


参考)ライテクをマナボウ「 リヤブレーキを使うほど得をする」|KU…


荷重移動の原理を理解すれば、状況に応じた繊細なブレーキングが可能になります。制動距離を短くしながら、安全で快適なライディングを楽しめます。


制動時と加速時の力の釣り合い[モーターサイクルの運動学講座]- モーターファン
荷重移動の物理計算式や力の釣り合いについて、図解付きで詳しく解説されています。


制動距離を短縮する、バイクのリアブレーキの使い方 - グーバイクマガジン
急制動時のリアブレーキの重要性と、前後ブレーキの使い分けについて実践的なテクニックが紹介されています。




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