NATCトライアル選手権│北米最高峰バイク競技を知る

NATCトライアル選手権│北米最高峰バイク競技を知る

NATCトライアル選手権とは何か

観客席がなくても世界トップクラスのテクニックを間近で体感できるのがNATCです。


NATCトライアル選手権 3つのポイント
🏆
北米最高峰のトライアル競技

NATC(ノース・アメリカン・トライアルズ・カウンシル)はアメリカとカナダで開催されるトライアル選手権で、世界チャンピオン経験者も参戦する本格的な大会です

🎯
減点方式の採点システム

足を着いた回数や制限時間超過で減点され、最も減点が少ないライダーが優勝する独自のルール体系を採用しています

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日本との深い交流

世界トライアル選手権で活躍する日本人トップライダーとも技術交流があり、GasGasやBeta、Montesaなどのメーカーがサポートしています

NATC選手権の基本構造と開催形式

NATCトライアル選手権は、北米大陸で年間を通じて複数のラウンドを転戦する本格的なシリーズ戦です。開催地はアメリカ各州やカナダに及び、フロリダ州ウェブスターやロードアイランド州エクセターなどが主要な開催地となっています。


参考)[動画]トライアルの超絶テクと美しい映像をお楽しみください …


大会の基本形式は、自然地形を利用したセクションと呼ばれる採点区間を複数設定し、各セクションで減点されずにクリアできるかを競います。


つまり減点が少ないほど上位です。


Patrick Smage(パトリック・スメージ)は、このNATC選手権で9度の王座を獲得した伝説的なライダーとして知られています。ちなみに世界選手権で4度タイトルを獲得したゲイリー・シュライバーもNATCで活躍していました。これは北米トライアルのレベルの高さを証明するものですね。


参考)ホンダの新しいCRF250F&MILAN SHOW:THEW…


NATCトライアル競技のルールと採点方法

トライアル競技は、設定されたセクション内で足を着かずに障害物を乗り越えることを目指すモータースポーツです。セクションとは、スタートとゴールが明確に設定された採点区間のことで、大きな岩や急こう配、丸太などの障害物が配置されています。


参考)トライアルのルール解説!


減点のルールは明確です。足を1回着くごとに1点の減点、2回で2点、3回以上で3点、転倒やセクション外に出ると5点の減点となります。


制限時間を超過した場合も減点対象です。



全日本選手権では通常8セクション×3ラップの24セクションに加え、スペシャルステージの2セクションで合計26セクションを走ります。NATCも同様の形式を採用していますが、ラウンドごとにセクション数は変動します。人車一体となり他人の力を借りずに規定時間内に走りきることが求められるんです。


NATC選手権と全日本選手権の違い

開催地域と文化的背景が最大の違いといえます。NATCは北米の広大な自然環境を活かしたコース設定が特徴で、アメリカとカナダの複数州を転戦します。一方、全日本選手権は日本各地で開催され、2026年は愛知県岡崎、栃木県もてぎ、北海道和寒などが会場です。


参考)Celebrating World Championship…


クラス構成にも違いがあります。全日本選手権はIAS(国際A級スーパークラス)、IA(国際A級)、IB(国際B級)、レディース、NAクラスなど細かく分類されています。エントリー料金も日本では関東選手権で8,000円、県大会で6,000円程度です。


参考)2026 MFJ全日本トライアル選手権シリーズ | MFJ …


観戦スタイルも異なりますね。全日本選手権、特にもてぎ大会では徒歩圏内に多くのセクションが設定され、初心者でも気軽に観戦できる環境が整っています。NATCはより自然に近い環境での開催が多く、ワイルドな雰囲気が魅力です。


NATC参戦に必要な資格とライセンス

トライアル競技への参加には、MFJライセンスなど各国のモーターサイクル協会が発行する競技ライセンスが必須です。日本の場合、全日本選手権では国内B級以上のライセンスが必要で、地方大会ではエンジョイライセンス以上で参加できます。


参考)https://archive.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule/pdf/2021/husoku19.pdf


ライセンスの有効期間は毎年4月1日から翌年3月末までです。受付時にはライダー本人がMFJライセンス、参加受理書、健康保険証(コピー可)を提示する義務があります。ライセンスを提示できない場合は一切出場が認められません。


参考)https://apps.mobilityland.co.jp/info/download/2HPxWm/52186


アシスタントの登録も可能で、当該年度有効なエンジョイライセンス以上の所持者が対象となります。関東選手権では各クラスのアシスタントはNB以上の競技ライセンスが必須で、参加費は1,000円から2,000円程度です。


これが基本です。



参考)http://www.kinki-trial.com/2022/2022kisoku_20220119.pdf


NATC観戦の魅力と楽しみ方

トライアル競技の最大の魅力は、選手との距離が極めて近く、プロゴルフトーナメントのような至近距離で観戦できることです。エンジン音や選手の息遣い、さらには泥しぶきまで体感でき、セクションをクリアした瞬間に湧き上がる拍手で観客とライダーが一体になれます。


観戦の基本的な流れはシンプルです。まず各選手の競技スタートスケジュールを確認し、見たい選手の時間に合わせて第1セクションで待機します。バイクは1台ずつ1分30秒ごとに時間差でスタートするため、複数の選手を順番に見られるんですね。


おすすめの観戦ポイントは岩盤エリアです。もてぎ大会では第9〜11セクションと最終セクションが見どころで、切り立つ岩山や鋭利な岩など、選手たちが足先から指先までの神経を最大発揮させる人車一体の舞いを堪能できます。実況放送を聞きながら木陰にレジャーシートを敷いてじっくり観戦するスタイルも人気です。


モビリティリゾートもてぎ公式トライアル観戦ガイド
トライアル世界選手権の観戦方法や見どころについて、会場の特徴や楽しみ方を詳しく解説しています。


トライアルバイクの特徴と車両規定

トライアルマシンは一般的なバイクとは全く異なるシンプルな設計が特徴です。最も顕著な違いは、ライダーが座るためのシートすら存在しないことで、燃料タンクも必要最小限のサイズに抑えられています。この設計により、ライダーは自由に体重移動でき、障害物を攻略しやすくなっているんです。


車両検査は大会当日に実施され、ライダー1名に対し1台に制限されています。出場資格の確認後、必ず車両検査を受けなければなりません。


主要メーカーはGasGas、Beta、Montesa、Shercoなどで、電動トライアルバイクも登場しています。ホンダのCRFシリーズなど、トライアル競技用に特化した車両開発が各メーカーで進められています。


軽量化と低重心化が最優先ですね。



トライアル初心者が知っておくべき注意点

初心者が最も陥りやすい失敗は、ダニエル(前輪を上げる技術)だけができて満足してしまうことです。ダニエルだけがやりやすいセッティングにしてしまう人が多く、他のテクニック習得の妨げになります。上達のためには上級者のセッティングを参考にすることが重要です。


参加資格の確認も見落としがちなポイントです。普通運転免許を所持し、サーキットルールやマナーを守れる心身ともに健康な方が対象で、スタッフの指示に従える姿勢が求められます。20歳未満(2022年4月以降は18歳未満)の出場者は出場申込書の誓約書欄に保護者の承諾が必要です。


参考)https://www.trial.co.jp/osaka/circuit_run/run_01.pdf


エントリー手続きも注意が必要で、必要事項をすべて記入した出場申込書と参加料を期限内に送付しなければなりません。当日受付を選択する場合、エントリー料金とは別に当日受付手数料3,000円が追加されます。


締め切りは厳守です。



NATCトライアル選手権の歴史的名場面

Patrick Smageの9度の王座獲得は、NATC選手権史上最も輝かしい記録として語り継がれています。彼はAMA/NATC MotoTrials全米選手権シリーズでチャンピオンに輝き、北米トライアル界のレジェンドとして確固たる地位を築きました。


世界トライアル選手権で4度タイトルを獲得したゲイリー・シュライバーも、NATCで活躍した名選手の一人です。彼がNATCで磨いた技術は、世界の舞台でも通用する証明となりました。


これは意外ですね。



日本の全日本選手権でも、黒山健一選手が2025年に再びタイトルを獲得するなど、ベテラン選手の活躍が目立ちます。小川友幸選手は2010年から2024年まで国際A級スーパークラスで圧倒的な強さを見せ、15年間で13回のタイトルを獲得しています。レディースクラスでは西村亜弥選手が2018年から2020年まで3連覇を達成しました。


参考)全日本トライアル選手権 - Wikipedia


NATCトライアル選手権の将来展望

電動トライアルバイクの普及が競技の未来を大きく変える可能性を秘めています。GasGasのラインにも電動モデルが登場し、環境への配慮と静粛性を両立した新しいトライアル競技のスタイルが模索されています。


2026年の全日本トライアル選手権は、4月12日の愛知・岡崎大会を皮切りに、5月31日のもてぎ大会、6月21日の北海道・和寒大会と続きます。各大会でIAS、IA、IB、レディースクラスが開催され、若手選手の育成にも力が注がれています。


北米と日本の技術交流も今後さらに深まると予想されます。世界選手権レベルのライダーがNATCに参戦することで、技術向上と競技人口の拡大が期待できるでしょう。


無料で観戦できる大会も増えています。


トライアル競技は、観客との距離が近く体験型スポーツとしての魅力があるため、モータースポーツの裾野を広げる重要な役割を担っています。モビリティリゾートもてぎのような施設では、観戦だけでなくアスレチックやグルメも楽しめる複合型イベントとして発展しており、家族連れでも一日中楽しめる環境が整っているんです。