

初めて観戦する人でも斜面で転倒したバイクが飛んでくる場合があります。
和歌山県有田郡湯浅町の湯浅トライアルパークで、毎年10月に全日本トライアル選手権シリーズの終盤戦が開催されています。2025年は第7戦として10月26日に実施され、約800人の観客が集まりました。全8戦で構成される全日本選手権シリーズのうち、この湯浅大会は残り2戦のうちの1戦という重要な位置づけです。
参考)和歌山・湯浅大会 | MFJ Online Magazine
競技は10セクション×2ラップに加え、国際A級スーパークラスの上位10名は14:30頃からスペシャルセクション2セクションにトライする形式です。開催クラスは国際A級スーパー(IAS)、国際A級(IA)、国際B級(IB)、レディースの公認クラスとなっています。
参考)10.13 第6戦 和歌山・湯浅大会 スタート&ゴール時間 …
主催は一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)で、運営は株式会社モトスポーツプロモーション、協力はMFJ近畿地区トライアル部会が担当しています。大会は曇り一時雨という天候でも開催され、気温23℃という環境下でレースが行われました。
参考)小川毅士、11年ぶりの勝利 R7 和歌山・湯浅大会 - TR…
ヤマハ発動機は電動トライアルマシン「TY-E 3.0」を2台、「TY-E 2.2」を1台投入し、電動技術の獲得とカーボンニュートラルへの取り組みを進めています。つまり最新技術の実戦テストの場でもあるということですね。
参考)全日本トライアル選手権
湯浅トライアルパークは、みかん畑の山の上に位置する全日本選手権屈指の難関コースです。広大なエリアに険しい斜面、滑る山肌、ひたすら続くガレ沢という、トライアル心をゆさぶる地形が特徴となっています。
コースにはエンデューロ、ハードエンデューロ、トライアル、オフロードなど多様なセクションがあり、初心者でも楽しめるエリアから上級者向けの難所まで幅広く用意されています。ウィリーの練習、岩場走行の練習、山道走行、坂道登坂、ハードな道の走破など、様々な技術を試せる環境です。
参考)湯浅トライアルパーク
パーク利用は単発1,000円/日、年間利用は10,000円/年(4月から3月末)という料金設定で、申し込みはBHB広畑(TEL.0737-62-2905)で受け付けています。日曜日が定休日のため、日曜利用の際は事前の電話確認が必要です。
参考)和歌山県有田郡
自転車(マウンテンバイク)での利用も可能で、その場合は500円/日とバイクの半額になります。パークへは二の丸温泉から上に登り、1つ目分岐を左に曲がり、ブドウ園の分かれ道を左に進む道順です。
観戦チケットは前売券と当日券の2種類が用意されています。前売券は2,000円(税込)で、チケットぴあ(Pコード:858496)またはローチケ(Lコード:51667)で購入できます。中学生以下は無料で、公式プログラムが入場時に配布される仕組みです。
当日券は3,000円(税込)と前売券より1,000円高くなるため、事前購入がお得です。どちらのチケットも中学生以下無料、公式プログラム付きという点は共通しています。
駐車料金は2輪が無料、4輪が1,000円で、会場入り口での支払いとなります。前売券を購入すれば合計1,000円の節約になるということですね。
観戦エリアは黄色テープで囲まれた競技エリア以外なら自由に移動できるため、セクションに沿って斜面を登り、難所の真横で待ち構えることも可能です。登山靴などの装備があれば、より快適にトライアル観戦を楽しめます。
参考)はじめて全日本トライアル選手権を観戦したお話 - 大将がゆく
チケット購入は大会の1ヶ月ほど前から可能で、オンラインで簡単に手続きできます。
トライアル競技は比較的安全とされていますが、コントロールを失った車両が飛んでくる場合があります。特にセクションの出口付近や難しいポイント(岩を上ったあとなど)周辺で起きることが多いため、「立入禁止」を示すテープが張られています。必ずその外側で観戦し、とっさの場合には自ら身を守れる心構えが必要です。
実際に過去の大会では、失敗したバイクが観客に怪我をさせた事例や、オブザーバーに当たって怪我をさせた事例が報告されています。モータースポーツ観戦は危険を伴う行為であり、それを承知で観戦する必要があることが明記されています。
参考)出光イーハトーブトライアル[イーハトーブ新聞 2006 vo…
観客とバイクの動線が重なっているため、ボーッと歩いていると選手の移動を邪魔したり、バイクと接触する恐れがあります。小さな子どもを連れての観戦では、目を離さないよう特に注意が必要です。
観戦時の服装は動きやすく汚れてもいいものを選び、砂ぼこりが舞うため防寒・防風対策も重要です。山間部での開催が多く天候が変わりやすいため、帽子やサングラスも持参すると良いでしょう。
指定の観戦エリアで見ること、ゴミは持ち帰ること、ドライバーの集中を妨げないよう大きな声を出しすぎないことが基本マナーです。
トライアル競技では黄色テープで囲まれたセクション内を走行し、足を着いた回数によって減点される採点方式が採用されています。足を1回着くと1点減点、2回で2点減点という形で、バイクが倒れると5点減点(失敗)となります。
観戦初心者は「足を着いたら減点&バイクが倒れたら失敗」くらいの認識で充分楽しめますが、詳細なルールを理解するとより深く観戦できます。
採点カードへのパンチ(記録)は非常に重要で、次のセクションをトライした時点で修正できないというルールがあります。2025年の湯浅大会では、スペシャルセクション第1で黒山健一選手が1点減点だったにも関わらず、パンチがクリーンのところにされていたため、規則に基づき結果の変更がならない事態が発生しました。
国際A級スーパークラスでは、10セクション×2ラップ終了後、上位10名が14:30頃からスペシャルセクション2セクションにトライし、最終順位が決定されます。各選手のスタート時間は1分間隔で設定され、第1セクションから順にトライしていきます。
クリーンを達成したセクションは結果表で黄色く表示され、順位とラップのトップはL順を赤く表示するなど、視覚的にわかりやすい工夫がされています。パンチミスは絶対で結果変更できないのが原則です。
湯浅町は醤油発祥の地としても知られており、醤油や醤油関連のお土産を目当てに湯浅大会を訪れるファンも多く存在します。レース観戦と地域の特産品を楽しむという、二重の魅力がこの大会にはあります。
全日本トライアル選手権は8戦で構成され、湯浅大会は終盤の第6戦または第7戦として開催されることが多く、チャンピオン争いが白熱する重要な一戦となっています。2025年大会では小川毅士選手が11年ぶりの勝利を達成するなど、ドラマが生まれる舞台でもあります。
ただし台風などの悪天候時は開催が取り止めになることもあります。2024年には第5戦広島・三次灰塚大会が台風10号の接近により開催取り止めとなった例があります。
参考)2024全日本トライアル選手権シリーズ 第5戦広島・三次灰塚…
湯浅トライアルパークは全日本選手権開催時以外にも、一般のライダーが練習に利用できる施設として機能しています。初心者から上級者まで、それぞれのレベルに応じた練習が可能で、傾斜の緩いところで慣れてから難所にチャレンジできる環境が整っています。
和歌山県の自然豊かな環境の中、トライアル競技の醍醐味を存分に味わえるのがこの湯浅大会の最大の特徴といえるでしょう。
MFJ公式サイト - 全日本トライアル選手権湯浅大会
※大会の最新情報、エントリーリスト、リザルトなどが確認できます。
トライアル自然山通信 - 湯浅大会レポート
※詳細なレース展開、選手のコメント、セクションごとの成績が掲載されています。