

カスタムパーツの中で見落とされがちなのがフレームキャップボルトです。
フレームキャップボルトは六角穴付きボルトとも呼ばれ、頭部に六角形の穴が開いているのが特徴です。バイクのフレームやカウル、マフラー周りなど幅広い箇所に使われています。
参考)https://www.urk.co.jp/contents/elements/element13.html
サイズ表記は「M6×20」のように示され、Mの後の数字がボルトの直径(ミリメートル)、×の後の数字が長さを表します。バイクで一般的に使われるのはM6、M8、M10あたりです。頭部の径や高さも規格で決まっており、M6なら頭部径が10mm、高さが6mmとなります。
直径が合っていても長さが不適切だと、短すぎれば固定力が不足し、長すぎると内部のパーツに干渉する危険があります。交換前に純正ボルトのサイズを正確に測定することが基本です。
ノギスやメジャーがあれば自分で測れますが、不安な場合はバイクショップで確認してもらうのが確実ですね。
素材選びはボルトの性能を大きく左右します。
純正で最も多いのが鉄製ボルトで、強度が高く単価が安いのがメリットです。ただし錆びやすく重量もあるため、長期使用では表面の劣化が目立ちます。特に海沿いや融雪剤が使われる地域では錆びの進行が早いです。
参考)バイクに適したボルトの素材を考えてみた[チタン][ステンレス…
ステンレス製は耐食性に優れ、メンテナンス頻度を減らせます。剛性も確保できる一方で、鉄より若干重く、価格も高めです。ステンレスボルトは約40~50%軽量なチタン製に比べると重量面で劣ります。
参考)TARMACのすぐに錆びるトップキャップボルトは「β tit…
チタン合金製は軽量性、高強度、高耐食性の三拍子が揃っていますが、価格はステンレスの数倍から十数倍になることもあります。ヒルクライムやロングライドで軽量化を重視するなら投資価値がありますが、街乗りメインなら費用対効果を慎重に検討すべきです。
参考)チタンボルトm6の引張強度と軽量化。折れる?ステンレス比較
用途と予算に応じた素材選びが重要ですね。
見た目のカスタムとしてフレームキャップボルトは意外と効果的です。
チタン焼き風やアルマイトカラーのボルトに交換するだけで、カウルやエンジン周りの印象が大きく変わります。特にM6サイズのドレスアップボルトは、フロントカウル、サイドカバー、テールカウル、ナンバープレートなど幅広い箇所に使えます。
参考)M6 ドレスアップボルト ボルトキャップ ボルトカバー チ…
ボルトベースと呼ばれるアルミ製の座金を組み合わせると、さらに存在感が増します。外径約17.4mm、厚み約2.9mmのボルトベースは、フランジ部径約12mmのボルトと合わせることで、一体感のあるカスタムルックを演出できます。
ただしナンバープレート周りのドレスアップには注意が必要です。ナンバーフレームやボルトでドレスアップする際、プレートの全ての文字が判読できないと違反になり、フレームの大きさにも細かなルールがあります。
参考)ドレスアップのナンバーフレームやボルトが違反の対象になる? …
視認性を損なわない範囲でカスタムを楽しみましょう。
ボルト交換で最も重要なのが締め付けトルクの管理です。
キャップボルトは強度が高い反面、締めすぎると破損する恐れがあります。特にM3~M6などの細いボルトでは「少し強く締めただけ」でねじ切れてしまうこともあります。メーカーのカタログには、ねじサイズごとの適正トルク値が記載されているため、トルクレンチを使って推奨トルクで締め付けるのが理想です。
参考)六角穴付きボルト(キャップボルト)とは?特徴・寸法・用途・選…
締め付け時にボルトに生じる軸力が、ボルト材の降伏応力の70%以下であることを確認する必要があります。これを超えると、ボルトが伸びたり破断したりするリスクが高まります。
逆に緩すぎると走行中の振動でボルトが緩み、パーツの脱落につながる危険性があります。ネジロック剤の塗布やツメ付きワッシャーの利用も、緩み防止に有効な対策です。
参考)増し締めのススメ。いつしか緩むボルト類は定期的な確認が必要だ…
トルクレンチは数千円から入手できます。
長期間使用していると、ボルトの錆びや固着は避けられない問題になります。
鉄製ボルトは特に錆びやすく、整備の度に引っかかり感が増していくことがあります。固着したボルトを無理に回すと、ネジ山を破損してしまう危険性があるため、CRCなど市販の潤滑油をたっぷりと吹き付け、錆びや固着が酷い場合は数時間置きに吹き付けて時間をかけて浸透させることが重要です。
参考)https://gra-npo.org/policy/yokai_column/bolt_replace_VTR.html
予防策として、締結時に焼き付き防止グリスを使っておけば、ネジの固着を防げて外す際も無駄な力は必要なくなります。ボルトを締め付ける際にネジ山の表面に摩擦熱が発生し、その熱によりボルトやナットが固着する現象を「カジり」と呼びます。
定期的な増し締めも重要で、ボルトがいつの間にか緩んでいたという経験を持つライダーは少なくありません。走行後や洗車後にボルトの状態をチェックする習慣をつけておくと、トラブルを未然に防げます。
こまめな確認が愛車を守ります。
一般的なカスタムとは別の角度から、フレームキャップボルトの選び方を考えてみます。
βチタニウムなど高級素材のボルトには、弾性による振動緩和効果があります。この特性によりボルトが緩みにくくなり、適切なトルクを長期間維持できます。特に軽量、コスト重視のアルミボルトは振動で疲労がたまり急激に破断するため、βチタニウムに交換することで軽量性を維持しながら耐久性を強化できます。
フォークやステムから伝わる微細な振動を緩和する効果は、長距離ツーリングでの疲労軽減にもつながります。数値として表れにくい部分ですが、整備経験者の間では「クリア感」や「澄んだ味」として感じ取られることがあります。
またホイールボルトキャップのように、盗難抑止効果を狙った製品も存在します。キャップの六角サイズがオーバーサイズになっており、これ自体がボルトの頭だと誤解させることで、適合する工具を持たない相手には外せない仕組みです。
参考)https://maniacs.livedoor.biz/archives/51992754.html
機能とセキュリティを兼ね備えた選択肢もあります。
バイクの増し締めと定期点検の詳しい情報はこちら
Pro-Bolt Japanの締付トルクガイドはこちら

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