

減衰係数とは、振動が減衰する速さに比例する力を表す物理量です。バイクのサスペンションでは、この減衰係数が乗り心地や操縦安定性を大きく左右します。
サスペンションの役割は路面からの衝撃を吸収することですが、単にバネだけでは車体がいつまでも上下に揺れ続けてしまいます。
そこで減衰力が必要になるんですね。
参考)ライテクをマナボウ ♯35 サスペンションの減衰力調整で何が…
減衰力は、サスペンション内部でオイルが小さな隙間を通過する際の抵抗によって生み出されます。このオイルの通り道を狭くすると強い減衰力が発生し、広くすると弱い減衰力になります。
参考)https://waco-weekend-rider.com/shock-absorber/
減衰係数は「c」という記号で表され、単位はN/m/sです。実際の減衰係数cを臨界減衰係数ccで割った値が「減衰比ζ」で、0から1の範囲で表されます。
減衰比が1に近づくほど振動は早く収束しますが、バイクでは必ずしも大きければ良いわけではありません。
走行条件に合わせた適切な値が存在します。
減衰力が強すぎると、サスペンションの伸縮が遅くなります。どういうことでしょうか?
路面の凹凸を高速で通過する際、サスペンションは素早く伸びて路面を追従する必要があります。しかし減衰力が強すぎると、サスペンションが伸びきる前にタイヤが路面から離れてしまうのです。
タイヤが路面から浮いた状態では、グリップ力が失われます。特にカーブで車体がバンクしている状態だと、一瞬でスリップして転倒する危険性があります。
減衰力を強くすると「レーシーなセッティング」と勘違いする人がいますが、これは大きな間違いです。フロントの圧側だけを強くしすぎると、乗り心地がゴツゴツして段差で跳ねるような感覚になります。
参考)https://news.livedoor.com/article/detail/23483741/
さらに問題なのは、ストレートエンドでフロントサスがフルボトムしないから「しっかりした」と感じても、実際にはコーナーでのハンドリングが悪化している可能性があることです。
強すぎる設定は危険ということですね。
メーカーの初期設定は、体重80kgくらいの人に合わせています。
つまり体重が軽いライダーには合っていません。
参考)軽量ライダー向けサスペンション設定:減衰力最弱で走行性能を最…
軽量ライダーがそのまま乗ると、減衰力が強すぎて路面追従性が悪化します。結果として乗り心地が悪く、走行性能も低下するんです。
減衰力を弱めることは、サスの動きを速めることです。フワフワして不安と思うのはイメージに過ぎません。
参考)ツーリングの快適さアップには伸び側減衰を弱めよう!【ライドナ…
実際には、減衰力を弱めるとサスペンションは素早く伸びて路面を捉え続けます。特にツーリングでは、伸び側減衰を弱めることで快適さが大幅にアップします。
参考)快適なツーリングのためにサスペンションを調整しよう!【&#8…
調整の順番も重要です。まずプリロードで1G'(車体を支えた状態での沈み込み量)を適切に設定し、その後に減衰力を調整します。プリロードを無視して減衰力だけをいじると、バランスが崩れて危険な状態になることがあります。
サスセッティングで最も多い間違いは、フロント圧側を固くしすぎて、フロント伸側を柔らかくしすぎることです。これは街乗りから峠、サーキットと走りが激しくなるほど顕著になります。
もう一つの典型的な失敗は、リアのプリロードを柔らかくしすぎることです。これにより走行中の動的挙動でリアが低くなりすぎ、アクセルを開けてもアンダーステアになります。
タイヤの状態も重要です。死んでいるタイヤでセッティングを出そうとしたり、空気圧が適切でない状態では、どんなに調整しても効果が出ません。空気圧は冷間時と温間時で変わるため、走行シーンに合わせた調整が必須です。
減衰力調整の影響は圧側・伸び側の両方に及びます。縮むときにバネレートが高くなったような硬い足に、弱くすると柔らかい足のような感覚になります。
サスペンションは走行3万kmぐらいでオーバーホールが推奨されています。長期間メンテナンスしていないサスでは、どんなに調整しても本来の性能は発揮できません。抜けてるサスは接地感が薄く、バンクさせると崩れ落ちそうになります。
減衰力調整でハンドリングと乗り味が変わります。減衰力を弱めるとサスペンションの動きが速くなり、ハンドリングや乗り味が軽くなります。
逆に減衰を強めるとサスペンションの動きが遅くなるため、ハンドリングが重くなります。どちらが良いというものではなく、走る場所やスピードで最適値は変化します。
ストローク速度は路面の凸凹や車速に比例します。同じ路面でも通過速度が変われば、ストローク速度も変わり、要求される減衰力も変わるということですね。
参考)【元ヤマハエンジニアから学ぶ】二輪運動力学からライディングを…
ショックアブソーバーは、ストローク速度が速くなるほど減衰力が強くなるよう設定されています。ただしライダーの体重や荷物の重さで最適値は変わります。
タンデム時はシングル走行時と異なる設定が必要です。パッセンジャーを乗せる場合は、プリロードを強め、それに合わせて減衰も強める必要があります。
調整機構付きのサスペンションがある場合、自分の走り方に合った位置を探すことが大切です。メーカー設定はPL対策で快適さを犠牲にしている可能性もあります。
バイクと物理学の詳細な解説 - Quantum Curiosity
減衰係数やばね定数などサスペンションの物理的パラメーターについて詳しく学べます。
ライテクをマナボウ 35 サスペンションの減衰力調整 - クシタニ
減衰力アジャスターの具体的な調整方法と効果について実践的な情報が得られます。

reemaa Nタイプの減衰器100W 10dB 6GHz男性と女性Nタイプコネクタ50Ωインピーダンス低VSWRスタンディング波係数1.25未満