

胸部プロテクターなしのバイクジャケットは、ほぼ上半身無防備で走っているのと同じです。
コミネ(KOMINE)は1947年創業の日本の老舗バイク用品メーカーです。正式社名は「株式会社コミネ」で、東京都台東区に本社を置いています。バイクウェア・プロテクター・アクセサリーなど幅広い製品を展開しており、国内のライダーを中心に長年支持されてきたブランドです。
コミネジャケットの最大の特徴は、そのラインナップの豊富さにあります。公式サイトには常時100種類以上のジャケットが掲載されており、初めて選ぶ人が迷うのも無理はありません。まずジャケットの種類を大まかに把握しておきましょう。
大きく分けると以下の4種類が主なカテゴリです。
| 種類 | 使用シーズン | 特徴 |
|---|---|---|
| フルメッシュジャケット | 夏(7〜8月) | 全体メッシュ生地で通気性最大。涼しさ重視の夏専用モデル |
| ハーフメッシュ・3シーズン | 春・秋(4〜6月・9〜11月) | 前後ボディ部分にメッシュ、袖はテキスタイル地。春・夏・秋に対応 |
| フルイヤー・オールシーズン | 通年(真夏・真冬は別途工夫が必要) | 防水・保温ライナー脱着式で多季節対応。最も汎用性が高い |
| ウインタージャケット | 冬(12〜2月) | 中綿・防風素材で防寒特化。電熱ライナー対応モデルもあり |
3シーズンジャケットという表現は「春・夏・秋の3シーズン対応」と「真夏以外の3シーズン(春・秋・冬)対応」の2パターンが存在します。製品ごとに確認が必要です。これが基本です。
フルメッシュジャケットは夏しか使えない反面、走行風が全身を通り抜けるため、夏の熱中症リスクを下げる効果があります。一方でハーフメッシュや3シーズンモデルは、防風ライナーを追加することで肌寒い山間部にも対応できます。汎用性と快適性のバランスを考えてから選ぶと失敗が少なくなります。
バイクの車種との相性もあります。コミネジャケットが特によく合うとされるのは、ネイキッド・SS系(スーパースポーツ)・アドベンチャーバイクの3タイプです。逆に、アメリカンクルーザーやクラシックスタイルのバイクには、デザイン面での適合モデルが少ないとされています。
コミネ公式サイト|バイクジャケット一覧(季節別・機能別に絞り込み可能)
ライダーが転倒事故に遭ったとき、身体を守るのがプロテクターです。コミネジャケットには標準でプロテクターが付属するモデルが多くありますが、すべてのモデルで同じ規格・部位数が揃っているわけではありません。この違いを知らないと、「プロテクター入りジャケットを買ったから安心」と思ったまま、実は胸部が無防備という状態になりえます。
プロテクターの安全性を示す基準として広く使われているのが「CE規格(欧州安全規格)」です。バイク用プロテクターではEN 13594規格が主に参照されており、衝撃吸収性能によって「レベル1」と「レベル2」に分類されます。
コミネはCEレベル2プロテクターを別売りのプロテクター製品として多数展開しています。たとえば「SK-807 CEレベル2インナーチェストアーマー」や「SK-681 エクストリームバックガード CEレベル2」などは、標準装備のプロテクターをグレードアップしたいライダー向けに用意された製品です。つまり選べます。
注目すべきは、プロテクターが付属している部位の数です。コミネジャケットには「肩・肘・背中・胸部」の4箇所対応モデルと、「肩・肘・背中」の3箇所のみのモデルが混在しています。胸部プロテクターが省かれているモデルでは、別途オプション品(SK-689など)を購入して装着する必要があります。購入前の確認が必要です。
バイク死亡事故のデータを見ると、その深刻さがわかります。警視庁の調査によれば、バイク死亡事故の損傷主部位は頭部(35.7%)に次いで胸部(32.1%)・腹部(21.4%)が多く、胸部・腹部の合計は53.5%と、頭部を上回ります(※Young Machine 2020年12月記事より)。にもかかわらず、胸部プロテクターの着用率は約9.2%(警視庁調査)と驚くほど低い水準に留まっています。
胸部への保護が命に直結します。
ヘルメットと胸部プロテクターを併用することで、致命傷を7割以上避けられる可能性があるというデータも出ています(MotoInfo・JAMA参照)。コスト面では、コミネの胸部プロテクター単品は3,000円〜10,000円程度で購入できます。命を守る投資としては非常に小さな出費です。
MotoInfo(日本自動車工業会)|胸部プロテクターのススメ:バイク事故損傷部位の統計データ解説
「コミネを選ぶ理由はコスパだ」とよく言われますが、その内実を整理しておきます。フルプロテクション対応のコミネジャケットは、1万円〜2万円台で入手できるモデルが多数あります。一方で、国内他ブランドを見ると、HYOD(ヒョウドウ)のジャケットは4〜7万円台、クシタニは5万円台〜、さらに海外の本革ジャケットは10万円を超えることも珍しくありません。
同様のプロテクション性能(4箇所対応・CE規格準拠)を備えながら、価格は他社の3分の1以下に抑えられているケースがあります。これは使えます。
コスパが高い背景には、コミネが1947年から積み重ねてきた製造技術と、日本国内での安定した生産体制があります。また、ブランド広告への出費を最小化し、製品の機能と安全性に予算を集中させる方針が価格を抑える要因になっているとも言われています。
ただし「安いから」だけの理由で購入すると、思わぬ後悔が生じる場合があります。具体的には以下のような点に注意が必要です。
Webikeの売れ筋ランキングでは、コミネのJK-1623(プロテクトフルメッシュジャケット ネオ)が首位を獲得するなど、実際に売れている事実がそのコスパの高さを裏付けています。世界販売数6万着を超えた「JK-1283シリーズ」のような実績も、品質の一定の証明と言えます。
価格だけでなく機能と安全性のバランスで選ぶことが、コミネジャケットを最大限に活かすポイントです。
Webike|コミネジャケット売れ筋ランキング TOP100(リアルタイム更新)
バイクウェアの選び方でよくある失敗は「一着で通年対応しようとすること」です。コミネにはオールシーズン対応をうたうモデルもありますが、ライナーを活用した使い分けが前提になっています。季節に合わないジャケットを着続けると、快適性だけでなく安全性も損なわれます。
春(4〜6月)と秋(9〜11月)は、いわゆる「バイクのベストシーズン」です。3シーズンジャケットまたはハーフメッシュジャケットが最適です。山間部ツーリングでは防風インナーライナーの追加が効果的で、気温の急変に対応できます。気温15〜25℃が目安のゾーンです。
真夏(7〜8月)はフルメッシュジャケットの出番です。全面がメッシュ生地になっているため、走行中に風が全身を通り抜け、体温の上昇を抑えます。熱中症は時速60km以上での走行中に発症するケースもあるため、通気性を最優先に選ぶべきシーズンです。停車中は風が通らないため熱くなりますが、これはどのジャケットでも共通の問題です。
早春(3月)と晩秋(11月)は、日中と朝夕の気温差が10℃以上になる日も多いため、3シーズンジャケットに加えてレイヤリング対応を意識します。山間部では真冬用ジャケットが安全です。
冬(12〜2月)は防寒性の高いウインタージャケット一択です。コミネのJK-579(プロテクトソフトシェルウィンターパーカ)のように、脱着可能な保温インナーライナー付きモデルを選べば、春・秋も流用できます。さらに電熱ライナーベスト(EK-101など)に対応したモデルであれば、真冬の長距離ツーリングでも体温を維持できます。電熱は強力です。
都市部(平野部)と山間部では同じ季節でも気温に5〜10℃以上の差が生じることがあります。ツーリング先の標高と天候を事前に確認してからジャケットを選ぶのが基本的なリスク管理になります。
「プロテクター入りのジャケットを買ったから安全」と安心しているライダーは多いです。しかし実際には、着用したときにプロテクターが正しい位置にきちんと当たっているかどうかが重要で、これを確認せずに走り出しているケースが少なくありません。
プロテクターのズレ問題は、主に以下の2つの原因で発生します。
この問題を防ぐ方法は単純です。購入後に必ずまたがった姿勢でプロテクターの位置を確認し、肩・肘・背中・胸部それぞれがズレなく正しい位置に来ていることをチェックします。これが条件です。
また、長期間使用したジャケットでは、プロテクターポケットの内側生地が摩耗してプロテクターがズレやすくなるケースもあります。2〜3年使用したジャケットは定期的に確認することが推奨されます。
コミネでは胸部プロテクター(SK-689など)を別売りで展開しており、標準付属品よりも高い規格(CEレベル2)にアップグレードすることもできます。また、既存のジャケットの胸部ポケット対応品が複数ラインナップされているため、手持ちのジャケットに後付けする選択肢も有効です。
プロテクターはつければいいだけでなく、正しく装着されてはじめて命を守ります。この視点は、ブランドや価格の話とは別次元で重要なポイントです。ズレに注意すれば大丈夫です。
コミネ公式|CEレベル2プロテクター一覧(ジャケットへの後付けオプション品を確認できます)

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