

インカムの音量を上げすぎると、違反点数2点+反則金7,000円が取られます。
バイク用Bluetoothインカムとは、ヘルメットにスピーカーとマイクを内蔵し、走行中でも仲間と会話したり音楽やナビ音声を聞いたりできる通信機器のことです。スマートフォンとワイヤレスで接続できるため、ハンズフリーで電話を受けたり、音楽アプリを操作(停車中のみ)したりと、ツーリングを快適にする多彩な機能を持ちます。
有名メーカー品の価格帯は2万円〜6万円程度が相場です。国内シェアNo.1のB+COM(サインハウス)や、グローバルブランドのSENA・Cardo(カルド)・MIDLANDなどが代表的な選択肢として挙げられます。中国メーカーのFODSPORTSやAmisonは1万円以下から購入できるため、コスト重視のライダーに人気があります。
インカムの主な機能は以下のとおりです。
インカムを選ぶ際に見落としがちなのが「デュアルチップ搭載かどうか」という点です。Bluetoothの通信チップが1枚(シングルチップ)のモデルは、インカム通話をしている最中にナビ音声が聞こえなくなります。2枚搭載(デュアルチップ)のモデルは通話しながらナビ音声も同時に聴けるため、複数人でグループツーリングをするライダーには実用上の差が大きくなります。
スピーカーの厚みも見落とされがちなポイントです。スピーカーが厚いとヘルメット内で耳に直接当たり、長時間のツーリングで痛みが出ることがあります。mybestの検証によると、主要モデルのスピーカー厚は11mm(SENA 50S)〜14.8mm(B+COM SB6XR)程度の差があり、インナーパッドが薄めのヘルメットを使用している場合は特に注意が必要です。
スピーカーの厚みと互換性は事前確認が条件です。
【徹底比較】バイク用インカムのおすすめ人気ランキング|mybestによる検証データ(通信距離・防水・音質などの実測スコアを確認できます)
インカムの通信方式には大きく分けて「Bluetooth通信」と「メッシュ通信」の2種類があります。この違いを理解しておかないと、グループツーリングで「仲間と話せない」「通信が頻繁に切れる」という問題が起きやすくなります。
Bluetooth通信は、機器同士を1対1でペアリングする従来方式です。複数人で使う場合は「数珠つなぎ」接続が必要で、最大同時通話人数はメーカーによって4〜8人程度となっています。実用的な通信距離は街中で100〜200m、高速道路など見通しの良い場所でも300〜500m程度が目安です(B+COMの公式情報より)。一度接続が切れると、手動で再接続が必要なモデルもあります。
メッシュ通信は、各機器がお互いに中継局の役割を担う新方式です。離れた仲間との間に別のライダーが入ることで通信範囲が広がり、SECAの「オープンメッシュ」機能では人数制限なし・最大2,000mでの通信が実現します。Cardoが開発した「DMC(Dynamic Mesh Communication)」では最大15台、SENAの「Mesh Intercom」ではグループメッシュで24台まで同時通話が可能です。接続が一度切れても距離が縮まると自動で復帰するため、山道やワインディングの多いルートでも安定しています。
つまりメッシュ通信はグループに有利です。
ただし、メッシュ通信に対応したモデルは価格が高めになります。SENAの50Sは4万円超、CardoのPACKTALK EDGEも同等以上の価格帯です。ソロツーリングが中心のライダーや2〜3人の少人数グループであれば、Bluetooth通信のみの手頃なモデルで十分なケースが多いです。
注意が必要なのは、メッシュ通信は基本的に同一メーカー・同一規格間でのみ使える点です。SECAのメッシュとCardoのDMCは相互接続できません。異なるメーカーを使っている仲間と話す場合は、Bluetoothのユニバーサル接続機能を使うことになりますが、その場合は同時通話人数や通信距離がBluetoothの制約に戻ります。
| 比較項目 | Bluetooth通信 | メッシュ通信 |
|---|---|---|
| 同時通話人数 | 最大4〜8人 | 最大15〜24人(無制限モデルあり) |
| 実用通信距離 | 100〜500m程度 | 最大2,000m以上 |
| 再接続 | 手動が必要な場合あり | 自動復帰 |
| 他メーカーとの接続 | ユニバーサル接続で可能 | 基本的に同一メーカーのみ |
| 価格帯 | 1万円〜(手頃) | 3〜6万円(高め) |
「秒」でつながるSENAメッシュの詳細解説|Webike(メッシュ通信の接続性・通話範囲・使い方の詳細が確認できます)
インカム自体をヘルメットに固定して使うことは、道路交通法上で違法ではありません。ただし、使い方次第では交通違反に問われるケースが複数あります。この点は「インカムは合法だから何でもOK」と思い込んでいるライダーほど見落としやすい部分です。
① 大音量による安全運転義務違反
最も発生しやすいのが音量トラブルです。多くの都道府県の道路交通規則では、「安全運転に必要な音や声が聞こえない状態での運転」を禁止しています。エンジン音・クラクション・緊急車両のサイレンが聞こえないほどの音量でインカムを使用すると「安全運転義務違反」となります。罰則は違反点数2点・反則金7,000円(原付は6,000円)です。さらに、緊急車両のサイレンを聞き逃して進路を妨害すると「緊急車両妨害等違反」にもなり、追加の点数・反則金が科せられます。
音量に気をつければ大丈夫です。
② 走行中のスマートフォン操作
インカムと接続しているスマートフォンを走行中に手に持って操作した場合、「携帯電話使用等(保持)違反」となります。反則金は二輪車で15,000円・違反点数3点と、かなり重い処罰です。音楽の切り替えや電話の応答は停車してから行うか、ボイスコントロール対応のインカムを選ぶのが安全です。
③ 技適マークなしのインカム使用
意外に知られていないのが電波法のリスクです。Bluetoothなどの無線通信機能を持つインカムは、日本国内で使用するために「技術基準適合証明(技適)」を取得している必要があります。Amazonなどで購入できる一部の海外製格安インカムには技適マークがないものがあり、その状態で使用すると電波法違反となります。罰則は最大で1年以下の懲役または100万円以下の罰金です(総務省 電波利用ポータル参照)。「安かったから」という理由で購入したインカムが、知らないうちに電波法違反になっていたというケースが起こりえます。
100万円の罰金リスクは見逃せません。
購入前に確認すべきことは、製品本体や取扱説明書に「技適マーク(🌀マーク)」と技適番号が記載されているかです。総務省の「技術基準適合証明等を受けた機器の検索」ページでもオンライン確認ができます。
技適マークのQ&A|総務省 電波利用ポータル(技適の義務・罰則・確認方法の公式情報)
ツーリング中の突然の雨に備えて防水性能は重要なチェックポイントです。しかし、多くのライダーが防水等級「IPX7」を「最高レベル」と思い込んでいるという落とし穴があります。これは意外ですね。
IPコード(IP規格)の防水等級は0〜8の数字で表されますが、数字が大きければバイク走行に最適とは必ずしも言えません。
バイク走行中に問題になるのは「雨・水しぶき・水圧のある噴流」です。そのためバイクのインカムに本当に求められる性能はIPX6の「噴流耐久性」です。mybestの実機検証では、「IPX7」を謳っているインカムの一部がIPX6の噴流試験に合格できなかったことが確認されています。
IPX7だけでは不十分なケースがあります。
つまり「IPX7と書いてあるから安心」ではなく、「IPX6/IPX7の両方の表記があるか」、または実際の防水検証データを確認することが大切です。たとえばB+COM SB6XRやSENA 50Sは公称IP67(IPX6とIPX7を両方クリア)に加え、第三者機関の実測でもIPX6相当をクリアしていると報告されています。
購入前にIPX6通過の確認が鉄則です。
雨の中でインカムが水没して故障した場合、修理費用は製品によっては1〜3万円程度かかることがあります。コスト面でのリスクを避けるためにも、防水性能の表記を正確に読み解いておくことが重要です。
防水等級(IPX)の定義一覧|Garmin Japan(IPX6・IPX7の試験条件の詳細が確認できます)
インカム選びの記事では「何人まで接続できるか」という人数ばかりが注目されがちです。しかし現場のライダーが本当に後悔するのは「同時に何人と話せるか」ではなく、「使い方のシーン」に合っていない選択です。ここでは独自視点として「ライディングスタイル別」の選び方を紹介します。
🏍️ ソロツーリングがメインの場合
通話機能すら不要な場合があります。音楽・ナビ・ラジオをヘルメット内で聴くことが主目的であれば、通話機能のないBluetoothスピーカー型(例:COVELLのオートバイヘッドセット)でも十分です。価格は5,000〜8,000円程度で入手できます。コスト重視のソロライダーにはこの選択肢が見落とされがちです。
👥 2〜3人の固定メンバーでのツーリングの場合
全員が同じブランドのBluetooth対応インカムを揃えることが最も安定します。B+COMは国内シェアNo.1のため仲間を誘いやすく、デイトナやコミネは2〜3万円以下で入手しやすいコスパモデルが揃っています。デュアルチップ搭載かどうかを確認し、「通話しながらナビを聴けるか」を必ずチェックしてください。
🏁 5人以上の大人数ツーリングや不特定メンバーとの合流の場合
メッシュ通信対応モデルが圧倒的に有利です。SENAの50Sはオープンメッシュで人数制限なしの同時通話が可能で、他メーカーのインカムともBluetooth経由でユニバーサル接続ができます。また、CardoのPACKTALK EDGEシリーズはJBLスピーカーを搭載しており音楽再生品質でも評価が高く、ツーリング中のBGMにこだわるライダーにも向いています。
これは使えそうです。
重要なのは「将来的に一緒に走る仲間が増える可能性があるか」という視点です。最初に安いBluetoothモデルを買って、後からメッシュ対応のモデルに買い替えるケースは少なくありません。最初から少し予算を上げてメッシュ対応を選ぶか、割り切ってコスパ重視で選ぶかは、自分のライディングスタイルを正直に振り返ることが選択のカギになります。
また、ヘルメットとの相性も見落とせません。近年はSHOEI・Arai・OGK KABUTOなど主要ヘルメットブランドが特定のインカムと連携した「専用設計スペース」を設けるモデルを増やしています。専用設計モデルはスピーカーをヘルメット内にすっきり収められ、出っ張りが少なく見た目もシンプルです。ヘルメット購入時にインカムの対応状況を同時確認することをおすすめします。
| ライダータイプ | おすすめモデル例 | 価格帯目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| ソロ中心・コスパ重視 | FODSPORTSシリーズ / Amison | 5,000〜1万円 | 音楽・ナビ再生に特化、IPX6確認必須 |
| 2〜3人の固定仲間 | デイトナ DT-E1 / B+COM ONE | 1.5〜3万円 | デュアルチップ確認・同じブランドで揃える |
| 大人数・不特定メンバー | SENA 50S / Cardo PACKTALK EDGE | 4〜6万円 | メッシュ通信対応・ユニバーサル接続 |
【2025年最新版】バイク用インカムの選び方|ナップス楽天市場店(B+COM・SENA・Cardo・MIDLANDの詳細比較と選び方ガイド)