

冬用グローブを選ぶ前に、これだけは知っておいてください。「暖かさで選んだグローブ」が原因で、ブレーキが遅れて追突しかけたライダーが実際にいます。
クシタニは1947年に静岡県浜松市で創業した国内バイクウェアのパイオニアです。現在も「安全性・操作性・快適性」の三軸を妥協なく追求したものづくりで、ベテランライダーから絶大な信頼を集めています。冬用グローブも例外ではなく、ラインアップは用途別に4モデルに整理されています。
それぞれのモデルを価格・防寒層構造・プロテクター素材で整理すると、以下のようになります。
| モデル名 | 価格(税込) | 防寒層 | ナックルガード | 防水 | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| アウトドライアドマイヤーグローブ | 27,500円 | 中綿+フリース(4層) | ポリウレタン | ✅(アウトドライ) | 雨天・ツーリング |
| GPゼストウインターグローブ | 20,900円 | シンサレート+フリース(4層) | フローティング式 | ❌ | スポーツ走行・ツーリング |
| ヴァーシティウインターグローブ | 20,900円 | シンサレート+外縫い構造 | カーボン(フローティング) | ❌ | スポーツ走行重視 |
| レイヴンウインターグローブ | 12,100円 | 防風フィルム(3層) | ソフトプロテクター | ❌ | 街乗り・カジュアル |
注目すべきは防寒層の「4層」と「3層」の違いです。4層構造のモデルは表地・防水または防風フィルム・中綿・裏地の順で熱を閉じ込めるのに対し、レイヴンのような3層構造は試着時こそ裏フリースの体感が温かく感じますが、走行中に外気でグローブ自体が冷え切ると差が出やすくなります。これは重要なポイントです。
長時間ツーリングではGPゼストかヴァーシティが向いています。街乗り中心でコスパを重視するならレイヴンが選択肢に入ってきます。
参考:クシタニ公式による2023秋冬防寒グローブの詳細スペックと選び方解説
クシタニ防寒グローブの選び方を解説します。2023秋冬版 | KUSHITANI LOGS
グローブのサイズ選びは「防寒性」だけでなく「操作性」に直結するため、実はかなり慎重に考える必要があります。厚みのある冬用グローブに、さらにインナーグローブを重ねる場合は特に注意が必要です。
ここで多くのライダーが陥りがちな誤解があります。「インナーグローブを使うからワンサイズ上げればいい」という考え方は、必ずしも正解ではありません。ブカブカになったグローブはグリップ内でずれが生じ、ブレーキレバーやクラッチの微妙なタッチが鈍くなります。結果として操作遅れが起きやすくなり、安全上のリスクに直結します。
つまりサイズ感の確認が条件です。
インナーグローブを使用する前提でサイズを選ぶ場合は、次の手順が有効です。
クシタニのGPゼストウインターグローブはタイトな設計とされており、他社モデルでLサイズを使用しているライダーがLをそのまま選んだところ「少し小さく感じた」という口コミも複数確認されています。これが条件です。迷った場合は必ず店頭で試着するのが最も確実な方法です。
また、インナーグローブを活用すると保温性能が格段に上がる場合があります。クシタニの公式インナーグローブ(K-5576 T.I.インナーグローブ)は「ホットカプセル効果」による蓄熱機能を持ち、グローブ単体よりも冷えるまでの時間を大幅に延ばす効果があります。街乗りや短距離では電熱グローブなしでも十分対応できるという声も多いです。これは使えそうです。
参考:クシタニ公式によるインナーグローブの効果と活用方法
この冬もっとも活躍したアイテムはインナーグローブ | KUSHITANI LOGS
モデルの特徴を把握したうえで、どれを選ぶかを走行スタイルごとに絞り込んでみましょう。クシタニのウインターグローブはどれも高品質ですが、得意な領域がはっきり異なります。
雨天走行が多い方・長距離ツーリング派 → アウトドライアドマイヤーグローブ
防水透湿フィルム「アウトドライ」を採用した唯一のモデルです。アウトドライはコロンビアやモンベルなど一流アウトドアメーカーも採用するテクノロジーで、内側から水を通さない一方で、透湿性によって蒸れにくい構造になっています。価格は27,500円と4モデルの中で最高値ですが、雨中でも保護性能を維持できる安心感はほかのモデルでは代替できません。
操作性と防寒性の両立を求める方 → GPゼストウインターグローブ
シンサレートを中綿に採用した4層構造で、長時間走行でも冷えにくい設計です。ナックルガードは左右分割のフローティング構造になっており、指を曲げてもガードが一緒に動くためツッパリ感が少なく、ブレーキやクラッチ操作の感触が損なわれにくい点が高評価の理由です。実際のインプレッションでは「200km走行してウィンカーキャンセルとハザードを押し間違えたのが1回だけ」という具体的な報告もあります。操作性が命の方に向いています。
スポーツ走行・見た目のかっこよさも重視 → ヴァーシティウインターグローブ
GPゼストと設計思想はほぼ同じながら、カーボン製ナックルガードを採用したスポーティーなモデルです。指部に外縫いを採用しているため、縫い目が指に当たりにくく、フィット感がやや優れています。価格もGPゼストと同じ20,900円なので、見た目がスポーツ寄りが好みであればこちらを選んでも後悔しないでしょう。
街乗り・通勤・コスパ重視の方 → レイヴンウインターグローブ
ストレッチ素材をメインに採用したカジュアルなデザインで、12,100円というリーズナブルな価格が魅力です。手のひら側に人工皮革を採用しており、使い始めから柔らかい操作感があります。ただし手首の丈がほかの3モデルよりやや短めなので、手首まできっちり防寒したい方は注意が必要です。
結論はGPゼストが万人向けの基準です。防御力・保温力・操作性のバランスが4モデルの中でもっとも整っており、はじめてクシタニの冬グローブを選ぶ方に最適な一双と言えます。
クシタニのウインターグローブ(レイヴンを除く3モデル)には牛革やゴートスキンが主素材として使われています。革製品は適切なケアをしないと、見た目には問題なく見えても内部の繊維が劣化し、保護性能が著しく低下します。バイク用グローブの寿命は一般的に1〜3年とされていますが、毎日使うバイク便レベルの使用頻度では1年程度で劣化が始まるという専門家の意見もあります。これは知っておくべきデメリットです。
革グローブのメンテナンスを怠ると起きること。
メンテナンスの基本手順は以下の流れで行います。
特にウインターグローブは「インナーがある為、グローブの内部が乾燥せずグローブを傷めることになる」(JRP推奨)として、ご家庭での丸洗いを控えることを推奨しているメーカーもあります。表面の汚れを固く絞ったクロスで拭き取るだけでも十分な場面が多く、洗いすぎにも注意が必要です。
参考:RSタイチ公式によるレザーグローブのお手入れ方法(PDF)
レザーグローブのお手入れ方法 | RS TAICHI
クシタニのウインターグローブを購入したにもかかわらず、高速道路での長時間走行や深夜帯のツーリングで「手が冷え切ってしまった」という経験を持つライダーは少なくありません。これは必ずしもグローブの性能不足ではなく、「走行風がグローブ自体を冷やし切ってしまう」という物理的な限界が原因です。
グローブ単体の保温性には上限があります。
このような場面で有効なのが、「グローブ+インナーグローブ+グリップヒーター」の3点セット運用です。クシタニの公式情報によると、インナーグローブは「ホットカプセル効果」で蓄熱・保熱の機能を持ち、グリップヒーターの熱をより長時間保持することができます。クシタニのT.I.インナーグローブ(K-5576)は素材自体に若干の厚みがあるため、アウターのサイズ選びと合わせて導入を検討するのが理想です。
さらに一般的にはあまり知られていない方法として、「ナックルガード付きハンドガードの併用」があります。これはバイクのハンドルに取り付けるアクセサリーですが、走行風をグローブへ直接当てないようにするだけで、体感温度が大幅に改善するケースがあります。見た目を気にするライダーにはハンカバの代替選択肢として実用的です。
一方、電熱グローブは電源供給が必要なため、車載USBやシートバッグへのモバイルバッテリー接続を前提に計画する必要があります。クシタニ製品ではないものの、電熱グローブを下調べしたい場合は、バイク用品専門店「2りんかん」や「ナップス」の現物試着が選択肢の一つとして有効です。
参考:クシタニ清水店によるインナーグローブの詳細紹介
この時期に便利な防寒インナーグローブ | KUSHITANI 清水店

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