

タイヤが冷えたまま走り始めると、最初の3周で転倒する確率が一気に跳ね上がります。
サーキットに行くと聞くと、「レーサーやベテランだけの世界」というイメージを持つライダーは少なくありません。しかし実際には、初心者ライダーを対象にした走行会が全国各地で開催されており、ライセンスなしで参加できるものが大半です。
走行会には大きく分けて5つの形式があります。
| 種類 | 難易度 | ライセンス | 費用目安 |
|------|--------|-----------|----------|
| 公認レース | ★★★★★ | 要(MFJライセンス) | 数万円〜 |
| 草レース | ★★★☆☆ | 不要〜専用ライセンス | 1万〜3万円 |
| フリー走行(スポーツ走行) | ★★★☆☆ | サーキットによる | 2,300円〜/枠 |
| サーキット走行会 | ★★☆☆☆ | 不要が多い | 1万〜3万円 |
| 体験走行会 | ★☆☆☆☆ | 不要 | 数千円〜 |
初心者が最初に選ぶべきは体験走行会かサーキットスクールです。これらは先導車つき・インストラクターつきで進むため、自分のペースで走れます。慣れてきたら、ショップやタイヤメーカーが主催する走行会に移行するのが自然なステップです。
走行会の探し方は簡単です。バイク用品店・SNS・各サーキットの公式サイトをチェックするだけで、近場の開催情報が手に入ります。ブリヂストンが主催する「BATTLAX FUN & RIDE MEETING」のように、初心者クラスと中級クラスに分かれた走行会であれば、スキル差による危険を避けやすいのでおすすめです。
サーキットスクールの相場は半日〜1日で2万円前後です。費用はかかりますが、MFJ全日本選手権参戦経験を持つインストラクターから直接指導を受けられるケースも多く、独学より圧倒的に上達が早くなります。つまり、最初の1〜2回は多少費用をかけて学ぶ方が、後々の出費を抑えることにつながるということです。
ライセンスについても触れておくと、筑波サーキットの「ファミリー限定ライセンス」は入会金・年会費・保険料などの合計で初年度18,650円で取得できます。これを取得すれば、平日1枠20分2,300円〜という低コストで定期的にサーキットを走れるようになります。費用面は思ったほど高くないと感じる人が多いのはこのためです。
参考リンク:初心者向けにサーキット走行会の仕組みと参加方法を詳しく解説
初心者がバイクでサーキットを走る方法とは?─ 2りんかん
装備が不十分なままサーキットに行くと、走行を断られる可能性があります。これは知らないと当日に痛い思いをする情報です。
最低限必要な装備は次の通りです。
- 🪖 フルフェイスヘルメット:セミジェットやハーフタイプはNGな走行会が多い。MFJ公認かJIS規格同等以上のものを選ぶ。
- 🧥 レーシングスーツ(革ツナギ):初心者クラスではプロテクター付きライディングジャケットで代用できるケースもあるが、初級・中級クラス以上は革ツナギが必須。既製品なら10〜20万円が目安。
- 🧤 レーシンググローブ:手首が隠れるレザー製。革や難燃素材でグリップ性を確保するもの。
- 👢 レーシングブーツ:くるぶし以上の高さがあるもの。初級以上は専用ブーツが求められる。
- 🦺 脊髄パッド:MFJのレースでは必須。ジャケット内に装着し、転倒時の脊椎損傷リスクを軽減する。
ベテランライダーが装備一式にかける費用は総額25万円程度というケースも珍しくありません。ただし、初心者の最初の走行会では体験走行会のような「初心者クラス」を選べば、レンタルスーツ・ブーツで参加できるケースもあります。いきなり全部買い揃えなくて大丈夫です。
まず確認すべき1点はレンタルの有無です。ブリヂストン走行会やクシタニの「KUSHITANI RENTAL SUIT」など、事前予約でレーシングスーツとブーツを借りられるサービスが複数あります。初回はレンタルで体感して、本格的に続けると決めてから購入する方が失敗が少なくなります。
バイク本体については、125cc以上のミッション付き車両であれば基本的にノーマルで走れます。ただし、マフラー音量が100dBを超えると走行禁止になるサーキットが多いため、社外マフラーを付けている場合は事前に確認が必要です。また、ヘッドライトやウインカーのレンズは転倒時の破片飛散を防ぐため、養生テープでテーピングするのがルールです。養生テープはホームセンターで300円程度から入手でき、1本あれば1年以上もちます。
参考リンク:サーキット走行に必要な装備をすべて網羅した実践的解説
ルールを知らないまま走り始めると、他のライダーを危険にさらすだけでなく、最悪の場合に走行禁止処分を受けることになります。これが原則です。
最初に押さえるルールは5つあります。
① ブリーフィングに必ず参加する
走行前に行われる事前説明会(ブリーフィング)は参加が義務です。コースイン・アウトの手順、ローカルルール、フラッグの意味を確認する場で、ここで疑問を解消しておくことが安全走行の第一歩です。
② フラッグの意味を覚える
走行中にコースの状況を知る手段はフラッグのみです。
| フラッグ | 意味 |
|----------|------|
| 🟡 イエロー | 前方に危険あり・追い越し禁止 |
| 🏁 チェッカー | 走行終了 |
| 🟢 グリーン | イエロー解除・通常走行に戻す |
| 🔴 レッド | 走行中断・即ピットへ |
| 🔴🟡縦縞 オイルフラッグ | コース上がオイルや水で滑りやすい |
| 🔵 ブルー | 後方の速いバイクに道を譲る |
フラッグは基本的に全国共通のルールです。これだけ覚えておけばOKです。
③ ピットアウト・イン時に手足信号を使う
コースへの出入りは手を上げるなどの合図で周囲に意思を伝えます。タイミングは後続車の流れをよく見てから判断してください。
④ 無理に抜かない・急に譲らない
前走者を抜くには相当な技量差が必要です。後続車が速くて焦っても、急なライン変更はかえって危険です。ホームストレートなど余裕のある場所まで我慢するのが原則です。
⑤ 早めに休憩を取る
サーキット走行は想像以上に体力を消耗します。集中力が落ちる前にピットへ戻るのが、転倒を防ぐ最も有効な方法のひとつです。厳しいところですね。
ルールを守ることは、自分を守ることでもあります。走行会のブリーフィングは退屈に感じるかもしれませんが、実際に現場で役立つ情報が詰まっています。特に初心者のうちは、ブリーフィングで積極的に質問する姿勢が成長を加速させます。
参考リンク:走行中のブレーキングテクニックを含むルール解説の実践情報
ライテクをマナボウ〈サーキットで遊ぼう!〉ブレーキのかけ方─ クシタニ
サーキット走行で最もミスが多いのはコーナリングではなく、コーナー手前のブレーキングです。この認識が上達の分岐点になります。
ブレーキングの正しい考え方
公道では「止まる」ためにブレーキをかけますが、サーキットでは「そのコーナーに適した速度に合わせる」ためのブレーキングが求められます。最初に強くかけて、徐々に緩めながらコーナーの角度に合わせて入るのが基本のやり方です。「いきなり強くかけて急に離す」とフロントが暴れ、転倒のリスクが高まります。
コーナリングの4ステップは次のとおりです。
1. ブレーキング:コーナー手前の一定ポイントで毎回同じ場所からかけ始める
2. 向き変え:バイクをコーナーに向けて傾け始める
3. 旋回:速度を一定に保ちつつ、アクセルをわずかに開けて安定させる
4. 立ち上がり:コーナー出口に向けてアクセルを開けていく
特に初心者が意識すべきなのは目線です。コーナーに入ったら、視線を近くではなく出口付近に送ることで、体が自然に正しい方向を向き、バイクが安定します。目線が近いとどうなるか、試してみると一目瞭然です。
ニーグリップも忘れずに
ニーグリップ(ひざでタンクを挟む動作)は、ライダーがバイクと一体化するための基本姿勢です。左コーナーでは右側のステップとかかと内側で体を支え、体がバイクに対して無駄な力を使わない状態をつくります。これができると、手がハンドルにしがみつく力が自然に抜けます。
ブレーキポイントの固定が上達への近道
筑波サーキットのビギナークラスでは、インストラクター指導のもと走行基準タイム1分20秒以上のライダーが対象です。あるデータによれば、ビギナークラスへの参加4回でタイムが1分20秒台から1分18秒台へと約2秒短縮したケースが報告されています。これはブレーキポイントを毎回同じ場所に固定し、繰り返しにより身体に覚えさせた結果です。
コーナリングが上手くなる感覚は、1日で変わることがあります。まずは速さを求めず、正確な動きを繰り返すことが大切です。
参考リンク:コーナリングに特化したライディングフォームと目線の解説
コーナリングを安全に楽しくするライディングフォームと視線─ Honda Go バイクレンタル
スポーツ走行における転倒は「タイヤが冷えている最初の数周」に集中して起きます。これは多くの経験者が口をそろえて語る事実です。
冷間タイヤの危険性
公道用ラジアルタイヤが本来のグリップ力を発揮するには、タイヤ温度が60〜80℃程度まで上がる必要があります。セッション開始直後の1〜3周はタイヤが冷えており、グリップが大きく低下した状態です。慣れてきて気が緩んだころに突然スリップダウンが起きるのはこのためです。意外ですね。
ウォームアップの正しいやり方は、「ストレートで少し高めのギアでアクセルをしっかり開け、荷重をかけながらタイヤ温度を上げる」ことです。コーナーで無理に寝かせてタイヤを温めようとするのは逆効果で、転倒リスクを自らつくり出すことになります。
空気圧はサーキット走行前に「冷間」で管理する
サーキット走行中はタイヤが高温になり、内部の空気が膨張して空気圧が上昇します。そのため、走行前に空気圧を指定値より約10%下げておくことで、温まった際に適正圧に近づけます。例えば、CBR650Rの場合、フロント指定値250kPaに対して230kPa、リヤ290kPaに対して250kPaに設定するという具体的な実践例があります。ただし、帰路に公道を走る場合は必ず指定値に戻す必要があります。これが条件です。
タイヤゲージと携帯用空気入れをピットバッグに常備しておくと、天候や路面温度の変化に応じた細かい調整ができます。1,000〜2,000円程度のデジタルゲージで十分対応できます。
転倒した時のダメージを最小化するスライダー装備
転倒は「するかもしれない」ではなく「するものだ」という前提で備えることが大切です。エンジンのマウント部に取り付けるガードスライダー(左右セットで14,000〜16,500円程度)があれば、転倒時のクランクケースやフレームへのダメージを大幅に軽減できます。実際、スライダーなしの転倒では修理費用が数十万円に上ることもありますが、スライダーがあれば修理費用を2万〜3万円程度に抑えられたというケースも存在します。
サーキット走行でタイヤは通常より早く消耗します。スポーツ寄りのハイグリップタイヤ(例:ブリヂストン バトラックスS22)で年1回交換サイクル・取付工賃込み約7万円というのが実際のコストです。タイヤ管理は走りの安全と直結しているため、摩耗チェックを習慣にしましょう。
参考リンク:バイクサーキット走行の年間コストと転倒リスク・修理費の実態

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