

リンク式サスのグリス切れは想像以上に深刻です。
NSK(日本精工)が開発したリンク式サスペンションは、パンタグラフ形状のリンク機構を採用した革新的な技術です。この機構は駆動輪と従動輪をリンクを介して接続することで、整備されていない路面や段差でも駆動輪を確実に接地させられます。
具体的には最大50mm(500円玉の直径約2.6枚分)の段差と最大10°のスロープに対応できる走破性を実現しています。屋外での凹凸路面でも安定した推進力と走行性能を確保できるのが大きな特徴です。
参考)https://www.nsk.com/content/dam/nsk/jp/ja/virtualexpo/robot/pdf/10_suspension.pdf
NSKは2023年にプロトタイプを発表し、2024年からは立命館大学での実証プロジェクトを通じて改良を重ねてきました。2027年内には市場投入を目指してサービスロボット向けプラットフォームの開発を推進中です。
参考)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000139963.html
これは技術検証が完了した段階です。
バイクのリンク式サスペンションは、リンク比の効果によって小さい衝撃では柔らかく、大きい衝撃に対しては硬くなる理想的な特性を実現します。このプログレッシブ効果により、路面の小さなギャップでは柔らかく、大きなギャップでは硬いバネ特性となるのです。
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リアホイールの動きが小さい範囲ではサスペンションストロークが少なく、リアホイールの動きが大きくなるとストローク量の変化割合が大きくなります。重量車でエンジンパワーがあってもストローク初期は柔らかく乗り心地を確保し、リアタイヤが大きく沈むとスプリング反力を強くできるのが利点です。
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またマスの集中化により重たいリアサスをバイクの重心近くに配置できるため、運動性能が優れています。低重心化できることも運動性能において優れたポテンシャルを発揮する要因となり、多くのスポーツバイクで採用されています。
つまりプログレッシブ特性が基本です。
NSKは世界的なベアリングメーカーとして、開発設計技術・材料技術・製造技術などの総合力を持っています。NSK高機能標準軸受(NSKHSP)は長寿命化と高速化を実現しており、メンテナンスコストの低減やダウンサイジングの要求に対応できます。
リンク式サスペンションの可動部には複数の支点があり、各接続部分には軸受(ベアリング)が使用されています。これらの軸受部分のフリクションロスを減らすことが、サスペンション性能を最大限に引き出す鍵となります。
NSKのベアリング技術は合計6品種・3万点におよぶフルラインアップ化を実現しており、あらゆる産業機械への対応が可能です。サービスロボット向けリンク式サスペンションにも、この豊富な軸受技術のノウハウが活かされていると考えられます。
これが性能向上の鍵ですね。
ホンダが開発した「プロリンク(PRO-LINK)」は、正確にはプログレッシブリンクサスペンションと呼ばれます。モトクロスなどオフロードマシンでのストローク増大を目指して開発されたシステムで、サスペンション初期動作は反力が小さく、ストロークとともに反力が大きくなる特性を持っています。
ヤマハは「モノクロスサスペンション」を開発し、モトクロスレースで圧倒的な性能を収めたことから「空飛ぶサスペンション」と呼ばれました。この構造をロードレースにも転用したところ好調で、市販車にも装備が始まりました。
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カワサキでは「オフセットレイダウンリヤサスペンション」や「ユニトラック」といった名称で独自のリンク式システムを展開しています。各メーカーは独自の設計思想でリンク機構を開発しており、プログレッシブ特性の追求という点では共通していますが、リンク形状や配置には違いがあります。
メーカーごとに特徴があります。
リンク式サスペンションの不調の主因は、リンク部分のグリス切れや劣化です。想像以上にグリスの劣化がサスペンションの動きに大きく影響しており、定期的なメンテナンスが必須となります。
リンク部分を片方の手で持って動かしてみると、コンディションの悪さがよくわかります。リンクの片方を抑えて持ったとき反対側が下がってしまうほど動きが悪くなっているケースは、かなりのグリス切れや劣化が考えられます。
グリス切れの状態で長期間走行し無理なストロークが積み重なっている場合、リンクロッド表面が傷ついているケースが多くなります。リンク機構はフレームとリアショック、リアショックとスイングアームの距離を変えることで機能するため、可動部が増える分フリクションロスが多くなる可能性があるのです。
メンテナンスには専門知識が必要です。
リンク周囲のボルトやナットに潤滑剤を吹き付けて、各種レンチでボルトを確実にホールドして丁寧にゆるめる必要があります。仮に円滑に動く場合は簡易な清掃だけでよいですが、動きが悪い場合は分解してしっかりとクリーニング・グリスアップする必要があります。
リンクロッド表面に傷がある場合は、純正部品との交換が望まれます。定期的な点検により、サスペンションのベストな状態を維持できますので、走行距離や使用環境に応じてメンテナンス時期を計画することが重要です。
部品交換が必要なケースもあります。
リアサスリンクのメンテナンス手順と分解方法について詳しく解説された参考記事

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