

実は7割以上のライダーが無意識にリーンアウトになっている。
リーンウィズとは、バイクの傾きとライダーの上半身の傾きが同じになるコーナリングフォームです。傾いた車体の中心線とライダーの上半身が一直線上にある乗り方で、教習所で教わる最も基本的なライディングテクニックです。
「リーン」は英語で「傾ける」という意味、「ウィズ」は「一緒に」という意味です。
つまり、バイクと一緒に傾くということですね。
バイクとライダーが一体となって自然な姿勢になるため、操作がしやすく疲れにくいのが特徴です。重心がバイクの中心にくるので、タイヤのグリップ力を発揮しやすく、最も応用力の高いフォームといえます。
参考)正しい乗り方は! 基本的なライディングフォーム「リーンウィズ…
公道で運転するときは、リーンウィズだけを意識していれば問題ありません。他のフォームと違って大げさに姿勢移動をせず、目線と「へその位置をずらす」などのちょっとした重心移動で曲がるので疲れにくいのも魅力です。
参考)正しい乗り方は! 基本的なライディングフォーム「リーンウィズ…
リーンウィズの基本は、下半身でニーグリップをして身体を支え、上半身をバイクの傾きに合わせて傾けるフォームです。バイクの中心に乗って、リラックスした姿勢をとりやすく、車体をしっかりとホールドできてバイクとの一体感を得られます。
ニーグリップは、タンクを両膝で挟むというよりも、つま先を内側に絞るようにすることで自然に膝が閉まります。つま先を開いた状態で膝だけを閉じようとすると余計な力が入ってしまい、スムーズな動作ができません。
参考)【リーンウィズで速くなる!? 《全20回》】その8 ニーグリ…
正しいリーンウィズができているかチェックする方法があります。後輪をゆっくり押しながら歩いてみると、後輪が追従しながら旋回していき、このときのフォームが自然で正しいリーンウィズとなります。
頭を地面と水平に保つことを意識すると、「本来いらない恐怖心」を排除しやすくなります。バイクの傾きとともに頭の角度もバンクさせると平衡感覚をつかみにくいですが、水平に移動させることで平衡感覚をつかみやすくなり恐怖心が減ってよりバイクを倒せます。
参考)リーンウィズとは?リーンウィズで何故曲がる?コツや怖い場合の…
セルフステアを使いやすいのもリーンウィズの特徴です。左右の肘が曲がっているのでハンドルに力が入りづらく、セルフステアの邪魔をすることが減ります。
リーンウィズをベースにして、状況に応じて「リーンイン」または「リーンアウト」を使うと、より効果的なライディングができます。
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
リーンインとは、ライダーの上半身がバイクの傾きよりもイン側に入ったフォームのことです。バイクを起こしぎみに曲がれるので、滑りやすい路面に対応しやすく、コーナーの出口で加速しやすいメリットがあります。白バイ隊員がよく使うフォームで、エンジンガードやサイドボックスがあるため車体を深く寝かせない走法です。
リーンアウトとは、ライダーの上半身よりもバイクをより内側に傾けたフォームのことです。コンパクトに小さい旋回半径で曲がっていけるので、Uターンなど低速時でもバンク角がつけやすく小回りがしやすいのが特徴です。
ただしリーンアウトは簡単にできる反面、スリップ転倒しやすく、ライテク上達の足かせとなってしまいます。スリッピーな路面(ウェットやサンド)では、とても転倒しやすいというデメリットがあります。
教習所では、スラロームでリーンアウト、クランクでリーンイン、それ以外は基本的にリーンウィズでOKです。
リーンウィズは、基本的なフォームであり、最も理にかなったフォームです。車体傾斜角に合わせたフォームのため、力学的にも安定しており、リーンインほど上体を使わないため、切り返しが早いのもメリットです。
参考)https://ameblo.jp/touring-riders/entry-10701670898.html
特にデメリットがないため、公道で運転するときはリーンウィズだけを意識していれば問題ありません。バイクとライダーが路面にかける重量ベクトルが一致するので、バイクの挙動を感じ取りやすいのが最も標準的なライディングフォームです。
リーンウィズを極めると、Uターンでも高速コーナーでもバランスよく走れます。たとえばUターンを100%、高速コーナーを100%とした場合、リーンインはそれぞれ0%と100%、リーンアウトは100%と0%ですが、リーンウィズは両方とも80%の性能を発揮できます。学習効率のいいライディングフォームということですね。
リーンウィズで走っている間はまだ「余裕がある」ということなので、2台の速度が拮抗しているのであればリーンウィズで走っている方がバイクがうまいということになります。最小の動きで曲げているということは、その気になって姿勢を変化させてハングオフなどで走り始めたら、もっともっと速く上手に走れるようになるからです。
バンク角の少ない、ハーレーやアメリカンバイクなどで特に実践していただきたいフォームです。リーンウィズが安全マージンを格段に高めるための究極のフォームといえます。
リーンウィズのコツは、ツーリングペースでアクションせず重心移動のきっかけを与える操り方を覚えることです。疲れ知らずで、慣れてくるとタイミングがとりやすく、浅いバンク角までなら意外なほどクイックにリーンできます。
参考)ツーリングペースのリーンウィズで、アクションなしの重心移動で…
イン側の背中から脇腹を脱力して重心移動するのがコツです。シートに座った状態では、上半身の体重を脊椎を中心に、両側の背筋と脇腹でやんわりと受けています。脱力した側の上半身がちょっと下がるので、立っている真ん中から片側へ重心が変わるのを感じられます。
前後の重心移動も非常に重要です。この重心移動の効果を大きくするためには、直線でしっかり伏せるという動作が必要です。伏せることにより、ブレーキング時の抜重や、その後のシート荷重の効果も高まります。
一次旋回の場面では、ブレーキングのタイミングに合わせて上体をスッと起こし、フロント側に集中しようとする荷重を軽減してやり(抜重と言います)、ステップ荷重でバイクを倒しこみます。
外側のニーグリップや太ももに脛から足首など、下半身で掴まるようにグリップすると確実で安心です。両方の膝でタンクを挟むのではなく、片方のアウト側の膝や太ももでホールドするのがポイントです。
参考)曲がるとき外側ニーグリップをアテにすると確実安心!【ライドナ…
7割以上のライダーが知らずに間違えているのは、車体が傾くことへの恐怖心から本能的に上体が残ってしまい、自分ではリーンウィズのつもりが結果として車体だけが傾斜してしまっているリーンアウトになっている例です。まずは自分のフォームをセルフチェックしましょう。
ヒザすりの前に「リーンウィズの可能性」を引き出すことが重要です。下半身をホールドしていない状態で、形だけ身体をイン側にずらしてしまうと転倒してしまいがちです。特にウエット路面などグリップの悪い路面では危険です。
参考)ヒザすりの前に「リーンウィズの可能性」を引き出せ!【ライテク…
ヒザをするのはOKですが、その前にリーンウィズでしっかり縦に荷重をかけることを意識してください。これが基本を固めるための重要なステップです。
よく、ライテクが初級から中級に上がりたてのライダーが、いきなりコーナーで転倒するのを見かけます。リーンアウトの理屈を分かった上で実践するのであれば問題ありませんが、基本であるリーンウィズを身につけていないと危険です。
基本はリーンウィズで、体が少しだけ先行する感覚の「弱リーンイン」がおススメです。左右でフォームが違うライダーで、リーンウィズで回ろうと考えているのに体が外に逃げている場合は、上体を若干だけ先行して倒していくような感覚の「弱リーンイン」のフォームで体を遅れないように修正するとバランスが良くなります。
ヤマハ公式サイトのリーンウィズ解説
リーンウィズ、リーンアウト、リーンインの基本的な違いと使い分けについて、メーカー公式の詳しい解説が掲載されています。
初心者の方にもわかりやすい内容です。
プロライダーによるリーンウィズのメリット・デメリット解説
プロのライディングインストラクターが、リーンウィズとリーンアウトのメリット・デメリットを力学的な視点から詳しく解説しています。
より深く理解したい方におすすめです。