

ワックスを多くつければつけるほど、ヘルメット内で髪が固まった形のまま潰れてしまいます。
センターアップとは、前髪の分け目をセンター(中央)に置きながら、根元をしっかり立ち上げるスタイルのことです。横から見たときにトップにふんわりとしたボリュームが出るのが特徴で、メンズのセンターパートをよりシャープかつクールに見せる人気の髪型です。
まず前髪の根元を水でしっかり濡らすところから始めます。半乾きのまま熱を加えることで、根元の毛流れに形がつきやすくなるためです。ドライヤーは上からではなく、下から斜め上に向けて当てるのが原則です。上から押さえつけるように乾かすと根元が寝てしまい、立ち上がりが出にくくなります。
乾かし方は「6割乾いた段階で根元を持ち上げながら」というタイミングが重要です。
| ステップ | やること | ポイント |
|---|---|---|
| ①根元を濡らす | 前髪の根元を水またはウォータースプレーで湿らせる | 毛先ではなく根元を重点的に |
| ②ドライヤー(温風) | 下から斜め上に向けて風を当てる | 6割乾いたら次のステップへ |
| ③形をつける | 指で根元を持ち上げながら乾かす | 分け目をジグザグにして立体感を出す |
| ④冷風で固定 | 冷風を30秒ほど当てて形を固定 | ここをサボると持続しない |
| ⑤ワックスで仕上げ | 少量のワックスを毛先から根元へなじませる | 米粒1〜2粒分が目安 |
ワックスの量は米粒1〜2粒分が目安です。それ以上つけると油分が多くなり、ヘルメット内の熱で髪が圧着しやすくなります。ワックスよりもクレイ(粘土状)タイプのスタイリング剤の方がバイク乗りには向いています。クレイタイプはマット(ツヤなし)に仕上がりつつ、指でほぐして再整形しやすいという特性があるため、ヘルメットを脱いだ後の手直しがとても楽になります。
最後にヘアスプレーをかける場合は、20cm以上離して根元に向けてピンポイントに吹きかけます。スプレーを上から全体にかけるだけでは粒子の重みで髪が下に引っ張られ、逆にボリュームが落ちてしまうので注意が必要です。つまり、根元狙いで吹くのが正解です。
センターアップが崩れる主な原因は「圧迫」「湿気(蒸れ)」「皮脂の増加」の3つです。それぞれに対処法があります。
原因① 圧迫
ヘルメットの内側が頭部に密着することで、せっかく立ち上げた前髪の根元が物理的に押しつぶされます。フルフェイス型のヘルメットはジェット型と比べて密閉度が高いため、特にこの影響を受けやすいです。対策としては、ヘルメットと頭皮の間に物理的な空間をつくる「ベンチレーションライナー(通称エアーヘッド)」を活用する方法が有効です。
シリコン製の突起がついたこのライナーをヘルメット内側に貼り付けると、頭皮との接地面が減り、髪が潰されにくくなります。楽天・Amazonなどで2,000〜3,000円程度で入手できます。1時間程度のツーリングであれば、装着前後で明らかに髪のつぶれ方が違うと感じるライダーも多いです。
原因② 湿気・蒸れ
ヘルメット内部は走行中に温度が上がり、発汗によって湿気がこもります。湿気は髪のタンパク質結合を崩し、セット前の形状記憶を失わせます。これがいわゆる「蒸れ潰れ」です。ヘルメットのエアダクトを全開にしておくことで内部の換気を促せます。
また、ヘルメットインナー(薄手のキャップ)を使うことで汗を吸収し、蒸れを軽減できます。夏場は特に効果が大きく、長距離ツーリングでも髪型の崩れを抑えられます。
蒸れ対策が原則です。
原因③ 皮脂の増加
ヘルメット内の温度上昇で頭皮の皮脂分泌も活発になります。皮脂が多いとスタイリング剤がのりにくくなるため、出発前に洗髪して頭皮をすっきりさせておくのが理想です。ただし、洗髪後は髪をしっかり乾かすことが条件です。濡れた状態でヘルメットをかぶると、髪に余分なくせがつき、蒸れも倍増してしまいます。
3つの原因を一度に解決しようとする必要はありません。まずは「蒸れ対策」から取り組むと効果を実感しやすいです。
ヘルメットを脱いだ直後は、焦って触らないことが大切です。
ヘルメット内の熱で髪が温められた状態のまま、力強くかき上げると逆に変なくせがつきやすくなります。まずは30秒ほど自然冷却させてから手入れを始めましょう。髪が冷えると繊維が安定し、整えやすくなります。これは意外に知られていないコツです。
復元の手順は以下の通りです。
| 手順 | やること | 時間目安 |
|---|---|---|
| ①冷却 | ヘルメットを外した後、30秒ほどそのまま置く | 約30秒 |
| ②手ぐし | 根元から指を入れてふんわりと持ち上げる | 約30秒 |
| ③追いワックス | 少量のクレイワックスを手のひらで広げて毛先からなじませる | 約1分 |
| ④分け目を整える | コームや指先でセンターに分け目をつくり、根元を立ち上げる | 約1分 |
携帯用のミニワックスを1つバッグに入れておくと、目的地に着いてすぐに手直しができます。追いワックスは「出発前にたくさんつける」より「目的地で少量を補う」という使い方の方が自然な仕上がりになります。
ドライシャンプー(粉末・スプレー式)も有効なアイテムです。根元に軽くスプレーするだけでべたつきを吸収し、ボリュームを取り戻す効果があります。ドラッグストアで700〜1,500円程度で購入でき、小さいサイズなら上着のポケットにも入ります。使い方はシンプルで「根元に吹きかけて指でなじませる」だけです。
コームや小さなヘアブラシを持ち歩くと、さらに仕上がりが整います。
参考:バイク向けヘルメット着用時の髪型対策を詳しく解説しています。
バイクのヘルメットを被っても髪型が崩れない対策10選|2りんかん
多くのセンターアップ解説記事では「セット方法」にフォーカスしていますが、実はカット段階の設計がヘルメット後の崩れやすさを大きく左右します。これはあまり取り上げられない視点です。
センターアップをバイクでも崩れにくくするためのカットポイントは「前髪の長さ」と「トップのレイヤー量」の2点です。前髪が目の眉毛より3〜4cm以上ある場合、ヘルメットをかぶったときに前髪がおでこに押さえつけられる面積が増え、根元のくせがより強くつきやすくなります。一方、前髪を眉上1〜2cmのやや短めに設定すると、ヘルメットの圧迫を受ける面積が小さくなり、脱いだ後の復元が楽になります。
トップのレイヤー(段)は、多すぎると軽くなりすぎてヘルメット内で拡散した状態でつぶれてしまいます。反対に、レイヤーがほとんど入っていない「重ため」のカットだと、ヘルメットの重みをもろに受けてペタンコになります。バイク乗りに最適なのは、トップに「軽めのセイムレイヤー(均等な段)」をわずかに入れつつ、全体の重さを適度に残したカットです。
美容師に相談するときは「バイクのヘルメットをよくかぶるので、脱いだ後にセンターアップがある程度戻りやすいカットにしてほしい」と伝えると、カットの方向性がスムーズに共有できます。この一言で、仕上がりの満足度がぐっと変わります。
カットとセットの両輪を整えることが、センターアップをバイク後も維持する近道です。
参考:センターパートの正しいカット方法・オーダー方法について詳しく解説しています。
毛流れセンターパートとは?オーダーのコツやセット方法を紹介!|minimodel
センターアップをバイクでも長持ちさせるには、スタイリング剤の「種類」と「量」の両方を見直す必要があります。選び方を間違えると、セットに5分かけても10分でペタンコになります。
ワックス選びの基準
バイク乗りのセンターアップに向いているのは「クレイ(土)タイプ」または「ファイバータイプ」のワックスです。どちらもマットな質感でボリュームが出やすく、手直しのしやすさが特徴です。油分が多い「グリース」や「オイルベース」のワックスは、ヘルメット内の熱で溶けて髪を押しつぶしやすいため、バイク乗りには不向きです。
代表的な製品として、アリミノの「スパイスクレイ ハード」(オープン価格・市場価格1,000〜1,300円前後)や、GATSBY(ギャツビー)の「ムービングラバー スパイキーエッジ」(オープン価格・市場価格1,000円前後)などが使いやすいです。
スプレー選びの基準
ヘアスプレーはワックスの後にかける「仕上げ剤」として使います。キープ力が「スーパーハード」または「エクストラハード」表記のものを選ぶと、走行風に対してもある程度耐性が出ます。ただし、ハードスプレーをかけすぎると髪がパリパリになり、ヘルメット内でその固まりがそのまま潰れて、逆に戻りにくくなります。ポイントは「少量を根元だけに」という使い方です。
参考:センターパート向けのヘアワックス選びについてくわしく比較しています。
スタイリング剤は「少量でキープ、目的地で追い補給」というスタイルが、バイク乗りのセンターアップには最も理にかなっています。つまり、出発前は軽め・到着後に少し補う、が原則です。
参考:バイク用ヘルメットの蒸れ防止グッズについての詳細情報が掲載されています。
ヘルメットを被っても蒸れない&髪型が崩れにくい!便利グッズ紹介|bike-news.jp