

あなたの愛車、フルノーマルでも2026年以降は車検に通らなくなる可能性があります。

騒音規制フェーズ3とは、四輪車の加速走行騒音を対象とした国際基準「UN Regulation No.51-03 Series(R51-03)」に基づく最も厳しい段階の規制値です。 日本はこの国際基準との調和を進める方針を採用しており、2022年6月に中央環境審議会が環境大臣に対して第四次答申を提出しました。 zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
フェーズ3の適用スケジュールは以下の通りです。
- M1・M2・N1カテゴリー(乗用車・小型貨物):2024年から新型車に適用開始
- M3・N2・N3カテゴリー(大型バス・大型トラック):2026年から適用開始
- 継続生産車:新型車から約2年遅れで適用される見込み detail.chiebukuro.yahoo.co(https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q13304634533)
つまり四輪乗用車では2026年7月ごろから継続生産車にも影響が出始めるということです。
しかしながら、2024年9月時点でも実際の省令・告示の正式な発令はされておらず、施行が事実上遅延している状況が続いています。 厳しいところですね。 ameblo(https://ameblo.jp/manual-transmission-cars/entry-12866967238.html)
重要なポイントを先に整理します。フェーズ3はあくまでも四輪車を主な対象とした規制です。 バイク(二輪車)に対しては、現在別の国際基準「ECE R41-04」が適用されており、これはフェーズ2レベルに相当します。 bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
ではバイク乗りには関係ないかというと、そうではありません。間接的な影響が複数あります。
- 社外マフラー市場への影響:四輪の規制強化に伴い、バイク向けアフターマーケットにも将来的に規制強化の波が及ぶ可能性が高い
- 二輪向けフェーズ3検討の開始:2022年の第四次答申では「二輪車走行騒音規制の見直し」が今後の検討課題として明記されている zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
- タイヤ騒音規制(R117-02)の普及:タイヤ騒音規制の強化は二輪にも波及する可能性がある
二輪車の騒音規制は現在、日本独自に非常に厳しい水準が設けられています。加速騒音の規制値は二輪が73dB以下であるのに対し、四輪は76dB以下です。 バイクの方が厳しいというのが現状です。 bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
現在販売されているバイクは、このECE R41-04をクリアした上で出荷されているため、フルノーマル状態であれば車検も問題ありません。ノーマルなら問題ありません。
フェーズ3の導入が予定より遅れている最大の理由は、技術的な達成困難性にあります。2020年の自動車単体騒音専門委員会の報告では、驚くべき事実が明らかになりました。 zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
電気自動車(EV)でさえフェーズ3の規制値を達成できない、というのです。
EVはエンジン音がほぼゼロですが、走行中に発生するタイヤノイズだけで規制値を超えてしまう可能性があるとされています。 つまり問題の核心はエンジン音ではなく、タイヤが地面と接触する際に発生する「タイヤ騒音」にあります。 zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
対策として注目されているのが「R117-02適合タイヤ(低車外音タイヤ)」です。この基準では、例えば乗用車用タイヤの場合、断面幅185mm以下なら70dB、245mm超275mm以下なら72dBという基準値が設定されています。 zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
しかし問題が残ります。
- R117-02のタイヤ基準をクリアしてもフェーズ3の車両規制値は達成困難との報告がある
- タイヤの市場への普及には時間がかかる
- スポーツモデルが履くような265〜275mmの極太タイヤでは基準値が74dBまで緩和される一方、そのクルマ自体の騒音が別の問題を生む zutarou(https://zutarou.com/archives/9191)
結論はこうです。フェーズ3は技術的ハードルが非常に高く、現時点では正式な施行告示が出ていない「宙に浮いた規制」となっています。
フェーズ3の話と並行して、バイク乗りが今すぐ確認すべき実務的なリスクがあります。それが社外マフラーに関するJMCA(全国二輪車用品連合会)の認証規制です。
2010年4月以降に生産されたバイクに装着するアフターマーケットマフラーは、近接排気騒音94dB・加速騒音82dB以内でなければなりません。 さらに、着脱式バッフル(差し込んで音を消すパーツ)も禁止されています。 jmca.gr(https://jmca.gr.jp/about_muffler/noise_regulation/)
これは知っておくべき重要なポイントです。
- JMCAプレートなしのマフラーは違法:2010年規制以降の対象車両に装着した場合、検挙される可能性が高い bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
- バイク屋まで処罰対象:不正マフラーを装着したショップも罰則の対象となる bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
- 車検時だけでなく走行中も対象:警察の取締りは走行中にも行われる
対策として有効なのは、購入前にJMCAプレートの有無と対応年式を確認することです。これは1つで完結する確認作業です。JMCAの公式ウェブサイト(JMCA 騒音規制値について)では、年式別の規制値一覧と認証マフラーのリストを確認できます。
ここで少し視野を広げてみましょう。日本のバイク騒音規制の歴史を振り返ると、規制強化と緩和のサイクルが繰り返されてきたことがわかります。 bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
日本の二輪騒音規制は世界一厳しい時代があったという事実は、あまり知られていません。
2001年の規制で二輪の加速騒音は73dB以下となりましたが、同時期の四輪は76dB以下、アメリカ・欧州の二輪は80dB以下でした。 日本だけが突出して厳しかったのです。 bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
その後、2014年の国際基準化(ECE R41-04への移行)により規制は実質的に緩和されました。 この緩和があったからこそ、国内仕様の大排気量バイクが復活しました。隼(Hayabusa)の国内仕様が登場したのも、この規制緩和がきっかけです。いいことですね。 bike-lineage(https://bike-lineage.org/etc/bike-trivia/noise_regulation.html)
🔮 今後の見通し(独自考察)。
フェーズ3を巡る議論を踏まえると、二輪への影響は次の流れで進む可能性があります。
1. 四輪向けフェーズ3の正式施行(2026年〜2027年頃)
2. R117-02適合タイヤの普及加速
3. 二輪走行騒音規制の見直し検討が本格化
4. 欧州二輪規制(Euro 5+など)との調和を経て、バイクにも段階的に厳格化
ただし、過去の歴史が示すように、日本の規制当局は「技術的に実現可能な範囲」を重視する傾向があります。 EVでさえクリアできないフェーズ3をバイクに即座に適用する可能性は低いと見られています。 bestcarweb(https://bestcarweb.jp/feature/column/334465?prd=2)
現時点でバイク乗りに求められる行動は1つです。社外マフラーの認証状況を確認し、JMCAプレートの有無を今すぐチェックすること。それだけで法的リスクを大幅に回避できます。
参考情報:二輪車の現行騒音規制値について詳しくはJMCA公式サイトへ。
JMCA | 騒音規制値について(近接排気騒音・加速騒音の年式別一覧)
環境省による第四次答申の全文はこちらから確認できます(フェーズ3の施行スケジュール・技術的根拠が記載)。
環境省 | 今後の自動車単体騒音低減対策のあり方について(第四次報告)PDF