

あなたがカウル付きバイクで走っても燃費は1割も変わらない
バイクが走行すると、空気の流れには大きく分けて2種類の状態が発生します。層流は流体が規則正しく、平行な層を作りながら流れる状態です。一方、乱流は流体が不規則に混ざり合いながら、渦を巻いて流れる状態を指します。
層流では空気の粒子が互いにぶつかり合うことが少なく、抵抗が小さくなります。具体的には、流体中の粒子が流れに垂直な方向にほとんど動かず、一方向に移動する特徴があります。
つまり層流が基本です。
参考)車の燃費を左右する?「層流」の基礎知識 - クルマの大辞典
これに対して乱流では、流体の粒子速度の大きさと方向、圧力の振幅が無秩序に変動します。流れと逆向きになることもあるため、エネルギー損失が大きくなります。
結論は抵抗が増えるということです。
バイクの走行中、車体表面に沿って空気が流れ始めると、最初は規則正しく流れる層流が生まれます。しかし流れが速くなったり、表面が粗かったりすると、流れは徐々に乱れ始めて乱流へと変化します。この層流から乱流への変化が起こる領域を境界層と呼びます。境界層の厚さは、走行速度、車体の長さ、空気の粘度、そして境界層内の乱流の量によって決まります。
バイクが走行する際、空気抵抗は燃費や最高速度に直接影響します。空気抵抗を減らす上で重要なのが、空気の流れ方です。車体表面に沿ってスムーズに流れる層流と、乱れた流れである乱流では、空気抵抗に大きな違いが生じます。
実験データによると、38km/h〜42km/hの走行速度において、カウル形状による空気抵抗の差は極めて小さいことが示されています。平地では空気抵抗の差をほとんど感じられず、自由落下で坂を下る際にカウル無しで50km/h、カウル有りで52〜53km/hと、わずか2〜3km/hの差しか出ません。
カウル自体はほぼ意味がありません。
ホンダCBR1000RR-Rのような最新スーパースポーツでは、空気抵抗値0.270というクラス最小値を記録していますが、これはフェアリングの形状だけでなく、空気の整流化を徹底した結果です。フルカウルはバイクの車体全体を覆うため、空気の整流効果が最も大きくなり、車体の高速安定性が向上します。その結果、加速力の向上や最高速アップなどのメリットがあります。
参考)’20ホンダCBR1000RR-Rエアロダイナミクス解説【R…
空気抵抗削減のポイントは「前投影面積の削減」と「身体を流れる空気の整流化」です。特に幅を狭くすることが効果的で、これだけでメーカー発表の風洞実験に惑わされることなく、現実的な対策が取れます。
ヤマハ発動機のカウル解説記事では、流体力学にのっとったカウル形状の工夫について詳しく説明されています
バイクの空気抵抗において、カウルなどの器材の形状差よりも、ライダーの体勢が圧倒的に大きな影響を与えます。実験結果では、ロードバイクを普通のポジションからDH(ダウンヒル)ポジションに変更すると50W削減、TTバイク+DHなら100W削減という劇的な効果が確認されています。
これは驚きですね。
具体的なポジションごとの空気抵抗を見ると、立ちこぎでは138%、ハンドル中央で110%、ブラケットで100%となります。下ハンドルで腕を伸ばした場合は98%とわずか2%の削減にとどまりますが、腕を曲げると92%、前を持つと80%まで減少します。エアロバーを使用すると75%まで削減可能です。
参考)速く走るために必要なエアロポジションを比較【ロードバイクの空…
バイクに乗る際、体勢を低くすることで前投影面積が減り、空気抵抗が大幅に低下します。実際の走行では、60km/hの巡航時に欧米のハイエンドバイクを上回る空力性能を実感できたという報告もあります。
ただし、ポジションによる空気抵抗の削減には注意点もあります。下ハンドルで腕を曲げる体勢は呼吸がしにくいため、無理してこの体勢をするくらいならブラケットポジションでしっかり呼吸をしたほうが良い可能性もあります。体幹が強くないライダーが極端に低い姿勢を維持するのはかなりキツイため、瞬間的に加速したいときに使うのが効果的です。
バイクの車体設計において、層流を維持する工夫が随所に施されています。フルカウルは車体全体を覆うことで、空気の整流効果を最大化します。風を受け流す形状にすることで、風の抵抗を減らす工夫がこらされているのです。
車体全体のフォルムを紡錘形と呼ばれる流体力学にのっとった形に近づけることで、体積や重量は増えるものの空気抵抗を減らすことが可能です。空気抵抗が減らせればスピードアップにもつながり、現在のレース分野ではカウルの使用が常套手段であり必需品となっています。
カウルは必須です。
ただし、真正面からの抵抗は「前投影面積」で決まります。横風という条件、つまり斜めになると通過する空気がより大きな乱流を作り始めます。このため、実際の走行条件では風洞実験の数値とは異なる結果になることがあります。
カワサキの研究開発資料によると、スケッチ段階から空力性能・冷却性能・快適性を作り込むことで、空力抵抗は車体を覆うカウリングの意匠形状によるところが大きいことが示されています。ツアラータイプの製品では、風防性の向上と夏場の体感温度低減による快適性向上も重要な設計要素となっています。
参考)https://www.khi.co.jp/rd/magazine/pdf/174/n17410.pdf
高速走行時には、境界層内の乱流により物体からその周囲の流体への熱流束が増加します。多くのケースで境界層内の乱流により物体に対する抗力が増加するため、設計者はシミュレーションや風洞試験に多くの時間を費やし、車両の空力特性を微調整して抗力を最小限に抑えています。
ANSYSの層流と乱流の解説記事では、CFDソフトウェアを使用した流れの予測方法について詳しく説明されています
バイクの実走行において、層流を意識することで燃費向上と疲労軽減を同時に実現できます。
まず重要なのがタイヤの空気圧管理です。
空気圧が低下すると接地面積が増えて抵抗になり、その抵抗に打ち勝って走行することでエンジンの負荷が大きくなり燃費悪化の要因になります。タイヤの空気圧が下がると、タイヤと路面の接地面積が増え、走行時に無駄なエネルギーを使うことで燃費が悪くなるのです。
空気圧管理が原則です。
次に風の影響を考慮した走行も重要です。風速5〜10m/sになると、横風によってふらつきが起こりやすくなります。特に軽量のバイクやスクーターの場合は風の影響を強く受けるため、無理な走行は控えましょう。風速10〜15m/sでは、経験豊富なライダーでも風に押されてバランスを崩すリスクが高まります。この風速の時はできる限りバイクの運転は避けた方が良いでしょう。
厳しいところですね。
風速15m/s以上になると、バイクを倒すほどの力が発生します。強風に煽られることで、立ちゴケや転倒のリスクが非常に高くなり、命に関わる事故にも繋がりかねません。横風が強い場合、バイクは左右に揺れやすく不安定になり、時速20メートル以上の風速では体重移動だけではコントロールしきれなくなることがあります。
強風時の走行では、姿勢を低くしてハンドルをしっかり握って風に対抗することが大切です。体勢を低くすることで前投影面積が減り、風の影響を受けにくくなります。また、予期せぬ方向へ押し出されると一瞬で状況が変わり、それへの対応が遅れることがあるため、常に周囲の状況に注意を払う必要があります。
天気予報で風速をチェックする習慣をつけることも対策の一つです。風マークがついているときは風速も確認し、無理な走行を避けることで安全性が大幅に向上します。スマートフォンの天気アプリで風速を簡単に調べることができるので、出発前に必ず確認しましょう。
風速に注意すれば大丈夫です。
タイヤの空気圧と空気抵抗の関係には、一般的に知られていない重要な側面があります。
空気圧が高すぎる場合にも問題が発生します。
空気圧が高いとトレッド面の変形が少なくなるため、ブレーキを掛けた際にタイヤが潰れず接地面積が増えません。
その結果、制動距離が長くなります。
タイヤが潰れず早期にロックすればABSが作動し、それもまた制動距離増加につながります。つまり、空気圧が低すぎても高すぎても、バイクの性能に悪影響を与えるということです。空気圧が低いと燃費が悪くなり、高いと制動距離が伸びるという二律背反の関係にあります。
適切な空気圧を維持することは、層流を保つだけでなく、ハンドリングの向上にもつながります。空気圧低下はハンドリング悪化の原因でもあるため、定期的なチェックが欠かせません。メーカー指定の空気圧を基準に、走行条件や積載量に応じて微調整することで、最適な走行性能を引き出せます。
空気圧の管理には、デジタル式の空気圧計を使うと正確に測定できます。ガソリンスタンドで空気を入れる際にも、必ず冷間時(走行前)の状態で測定し、走行後の高温時には測定しないようにしましょう。走行後はタイヤが温まって空気が膨張するため、正確な数値が得られません。
冷間時測定が条件です。
空気圧の点検は月に1回、または長距離走行の前に行うのが理想的です。前後のタイヤで指定空気圧が異なる場合もあるため、取扱説明書やフレームに貼られたステッカーで確認してください。空気圧管理アプリを使えば、点検日を記録して次回の点検時期を通知してもらえるので便利です。こまめな確認で安全性と経済性を両立させましょう。

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