ストック欧州選手権:日本人参戦と市販車ベースレースの魅力

ストック欧州選手権:日本人参戦と市販車ベースレースの魅力

ストック欧州選手権:市販車ベース国際レース

あなたのバイクの兄弟車が欧州選手権を戦っているかもしれません。


ストック欧州選手権の3つの特徴
🏍️
市販車ベースのレギュレーション

FIMが定める基準内の市販バイクを使用し、改造範囲が限定されたクラス

🌍
MotoGPへの登竜門

JuniorGPの一環として若手育成に特化し、世界最高峰への道筋を提供

🇯🇵
多国籍エントリー

2025年は11カ国36人が参戦し、日本からの挑戦者もいる国際舞台

ストック欧州選手権の市販車レギュレーション

ストック欧州選手権は、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が管轄する欧州レベルの二輪ロードレース選手権です。このレースの最大の特徴は、市販されているバイクをベースとした「ストック」規定にあります。


レギュレーションでは、エンジンやフレームなど基本構造の大幅な改造は認められず、ブレーキパッドやタイヤ、サスペンションなど限定的なパーツ交換のみが許可されています。つまり、街で乗れるバイクとほぼ同じ仕様ということですね。


参考)https://www.mfj.or.jp/wp-content/uploads/2002/03/FIM_Regulation_EWC_2024_Ver2.pdf


この規定により、ライダーの純粋な技術力が試される環境が整えられています。高額な開発費用をかけたマシンではなく、市販車ベースで競うため、若手ライダーが参戦しやすい土壌が作られているのです。


参考)#37 BMW MOTORRAD WORLD ENDURAN…


スーパーストッククラスでは、最大市販価格44,000ユーロ(税込)以下のスーパーバイクモデルが公認対象となります。


日本円で約700万円程度が上限です。



ピレリがオフィシャルタイヤサプライヤーとして全クラスに統一タイヤを供給しており、タイヤによる性能差が出ない仕組みになっています。


公平な条件が基本です。



参考)『JuniorGP™』~ミサノでシーズン開幕


ストック欧州選手権のMotoGPへのステップアップルート

ストック欧州選手権は、FIMの「JuniorGP」プログラムの一部として運営されています。JuniorGPは、世界最高峰のMotoGP™への道筋を若手ライダーに提供する育成プログラムです。


2025年シーズンは、全7戦14レースで構成され、5月のエストリルから11月のバレンシアまで欧州各地のサーキットで開催されます。MotoGP™と同じサーキットで併催されることも多く、トップカテゴリーのパドックで経験を積める環境が整っています。


参考)2025 FIM Stock European Champi…


過去には、ホセ・アントニオ・ルエダやアンヘル・ピケラスといった二冠達成者を輩出しており、MotoGP™のMoto3™クラスへのステップアップを目指すライダーたちの登竜門となっています。


実績ある育成ルートということですね。



参加資格として、ライダーは有効なFIMライセンスを所持していなければなりません。予選では、最速ライダーのタイムの115%以内を記録しないと決勝レースに出場できない規定もあります。


厳しい基準です。



参考)https://archive.mfj.or.jp/user/contents/motor_sports_info/rule-world/pdf2020/2020fim_sporting_code.pdf


エントリー費用は各イベントごとに設定されており、チームライセンスとライダーライセンスの両方が必要となります。プロフェッショナルな環境で競技が行われているのです。


MotoGP公式サイト「Road to MotoGP」
JuniorGPプログラムの詳細や、各カテゴリーへのステップアップルートについて詳しく解説されています。


ストック欧州選手権の日本人ライダー参戦状況

2025年シーズンのストック欧州選手権には、11カ国から36人のライダーがフルエントリーしています。内訳は、スペイン14人、イタリア6人、ポルトガル6人、ハンガリー2人、フランス1人、イギリス1人、ウクライナ1人、スイス1人、そして欧州外からオーストラリア2人、コロンビア1人、中国1人という多国籍な構成です。


残念ながら、2025年シーズンのストック欧州選手権に日本人ライダーのエントリーは確認されていません。一方、同じJuniorGPプログラムのMoto2™欧州選手権には、日本から三谷然選手、内海孝太郎選手、保坂洋祐選手の3名が参戦予定です。


日本人ライダーにとって、欧州での参戦はロジスティクスや資金面でのハードルが高いのが現状です。シーズンを通じて欧州に滞在し、移動費や宿泊費、チーム費用などをカバーする必要があります。


しかし、MotoGP™への最短ルートを目指すなら、JuniorGPプログラムでの実績は重要な評価ポイントになります。世界トップレベルの若手と競い合う経験は、何にも代えがたい財産です。


ストック欧州選手権とスーパーバイク世界選手権の違い

ストック欧州選手権と混同されやすいのが、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)です。両者は市販車ベースという点では共通していますが、レベルとレギュレーションに大きな違いがあります。


スーパーバイク世界選手権は「世界選手権」であり、改造範囲がストッククラスよりも広く設定されています。エンジン特性の変更や空力パーツの追加など、より高度なチューニングが認められているのです。


一方、ストック欧州選手権は「欧州選手権」レベルで、改造が厳しく制限されています。これにより、ライダーの技術とチームのセットアップ能力が結果に直結する構造になっています。


また、耐久世界選手権(EWC)にもスーパーストッククラスが存在しますが、こちらは耐久レース形式で複数のライダーが交代しながら長時間走行します。ストック欧州選手権は短距離スプリントレースです。


参考)ダンロップ、EWCスーパーストック決戦間近で興奮高まる - …


つまり、ストック欧州選手権は若手育成に特化した、市販車に最も近い仕様で競う欧州レベルの選手権ということですね。


ストック欧州選手権がバイク乗りに与える影響

一般のバイク乗りにとって、ストック欧州選手権は「自分が乗っているバイクがレースで戦っている」という親近感を生み出します。市販車ベースという特性上、レースで使われる技術やセッティングのノウハウが、そのまま一般ライダーにも応用可能だからです。


参考)【限定12台】マン島TT・スーパーストック優勝記念車「CBR…


例えば、マン島TTのスーパーストッククラスで優勝したマシンをベースにした限定レプリカモデルが発売されることもあります。レースで実証された性能を持つバイクに乗れるのは、ファンにとって大きな魅力です。


また、ストック規定で使用されるブレーキパッドやタイヤは、一般市販品と同じまたは近い仕様であるため、レースでの評価が製品選びの参考になります。


プロが選ぶパーツということですね。



さらに、JuniorGPプログラムは約10カ月をかけてシリーズが進行し、各ラウンドで複数レースが開催されます。観戦の機会が多く、バイクファンにとって身近な存在になっているのです。


参考)世界のバイクレース一覧!ランキングと最高峰を紹介


ストック欧州選手権は、プロとアマチュアの距離を縮め、バイク文化全体を活性化させる役割を果たしています。


レースと市販車の架け橋です。



MotoGP公式「JuniorGP暫定エントリーリスト」
2025年シーズンの各カテゴリー別エントリー状況と、参戦国・ライダー数の詳細が確認できます。