

10W-40指定車にレッドバージョンを使うとエンジン保護性能が落ちます。
ヤマルーブレッドバージョンフォースクーターは、ヤマハが2018年以降のJOG(CEH50/CEH50D)とVINO(XCH50)向けに開発した専用エンジンオイルです。SAE粘度規格は10W-30、JASO規格はMBで、鉱物油ベースの経済的な設計となっています。
参考)ヤマルーブ レッドバージョン For スクーター 1L
このオイルの最大の特徴は、対象車種のエンジン設計に完全に合わせた専用チューニングです。高温時の粘度を意図的に下げることで、エンジン内部でオイルをかき混ぜる際の抵抗(攪拌ロス)を減らしています。摩擦低減剤もバランスよく配合されており、省燃費効果が期待できる設計です。
参考)ヤマハ(YAMAHA) スクーター エンジンオイル ヤマルー…
価格は1Lで約1,800円前後と、ヤマハ純正オイルの中ではベーシックなポジションに位置します。コストパフォーマンスを重視したい通勤通学ユーザーに適したオイルですね。
参考)https://kakaku.com/item/S0001011740/
適合車種は非常に限定的で、2018年以降に発売された50ccスクーターのJOG、JOG DX、VINOの3モデルのみです。型式で言えばCEH50、CEH50D、XCH50が該当します。
参考)ワイズギア ヤマハ ヤマルーブ レッドバージョン For ス…
ここで重要な注意点があります。10W-40のオイルを指定している車両には絶対に使用してはいけません。レッドバージョンは10W-30の粘度設計なので、より高粘度を必要とする車両に使うと、高温時の油膜保持力が不足し、エンジン保護性能が低下するリスクがあります。
自分のバイクの適合オイルを確認するには、取扱説明書の「メンテナンス」または「諸元表」のページを見るのが確実です。車体に貼られているステッカーにも記載されている場合があります。型式や年式が不明な場合は、ヤマハの販売店やYSPで車体番号から調べてもらえますよ。
ヤマハには「ブルーバージョンフォースクーター」という別のスクーター専用オイルも存在します。
両者の違いは対象車種と性能レベルです。
ブルーバージョンは50ccから中型スクーターまで幅広く対応しており、摩擦低減剤の配合比率が高めに設定されています。アイドリング安定性、省燃費性、出力向上などの効果がレッドバージョンより強化されているのが特徴です。価格もレッドバージョンより若干高めになります。
一方、レッドバージョンは特定の小排気量車種に特化した経済性重視の設計です。JOGやVINOのエンジン特性に最適化されているため、対象車種であればコストを抑えつつ必要十分な性能が得られます。つまり「専用設計で安い」がレッドバージョンですね。
対象車種以外のスクーターに乗っている場合は、ブルーバージョンやヤマルーブFXなど、より汎用性の高いオイルを選ぶべきです。乾式自動遠心クラッチを使用するスクーターであれば、ブルーバージョンが推奨されます。
JASO規格のMBは「低摩擦特性」を持つスクーター向けオイルの分類です。バイク用オイルには主にMAとMBがあり、MBは摩擦係数が低く設計されています。
なぜスクーターにMBを使うのでしょうか?
スクーターは湿式クラッチを持たず、エンジンの動力をCVT(無段変速機)で伝達します。マニュアル車のようにクラッチ板の摩擦で動力を伝える必要がないため、オイルの摩擦係数を下げてエンジン内部の抵抗を減らせるんです。これにより燃費向上、アイドリング安定、加速性能の向上といったメリットが得られます。
逆にマニュアル車(MT車)にMBオイルを使うと、クラッチが滑ってしまい正常に動力が伝わらなくなります。MT車には摩擦係数が高いMA規格(MA1またはMA2)が必要です。規格の違いは「性能の優劣」ではなく「用途の違い」ということですね。
参考)https://www.goobike.com/magazine/maintenance/maintenance/413/
MB指定のスクーターにMAオイルを使った場合、すぐに壊れることは稀ですが、燃費性能の低下やエンジン内部抵抗の増加、長期的にはカーボン蓄積のリスクがあります。設計上の最適化から外れるため、指定規格を守るのが最も安全です。
スクーターのオイル交換は走行距離3,000kmごと、または半年ごとが基本的な目安とされています。ただし、短距離走行や渋滞の多い環境ではエンジン負荷が高いため、もっと頻繁な交換が推奨されます。
参考)専用オイルを使おう!スクーターに入れるオイルの選び方・おすす…
バイクにあまり乗らない人でも、6か月に1度は交換すべきです。走行距離が少なくても、外気温や湿度の変化でオイルは劣化していくからです。50cc~250ccの小排気量車はオイル量が少なく汚れやすいため、2,000km程度での早めの交換が安心ですよ。
交換作業自体は比較的簡単で、ドレンボルトを緩めてオイルを抜き、新しいオイルを規定量入れるだけです。必要なものは廃油処理ボックス、レンチ、新品のドレンワッシャーです。ドレンボルトは最初に手で締めてから工具で軽く締める程度にし、締めすぎないよう注意してください。
オイル量の確認は、エンジンを停止して数分待ち、点検窓またはオイルレベルゲージで行います。ゲージを使う場合は、ねじ込まずに「スッと置いてスッと抜く」のがポイントです。規定量より多すぎても少なすぎてもエンジンに悪影響があります。
実際の使用者からは「純正ならではの安心感」という声が多く聞かれます。ヤマハ純正オイル全般について、エンジン音が静かになった、アイドリングが安定した、という評価が見られます。
参考)https://www.monotaro.com/review/product/00270484/
コストパフォーマンスの面でも評価は高めです。他メーカーの高級オイルと比べて価格が抑えられており、バイクショップで購入するよりネット通販を利用すればさらに安く入手できます。クーポン併用で1,500円前後まで下げられる場合もあるようです。
参考)【楽天市場】【在庫有り】バイクオイル ヤマルーブ プレミアム…
長期使用に関しては、60,000km以上走行してもトラブルなしという報告もあります。ただし、これは定期的な交換をしっかり行っていることが前提です。基本的なメンテナンスを守れば、ベーシックグレードのオイルでも十分な性能を発揮できるということですね。
一方で、スクーター用MB規格オイル全般について「MA規格を使っていたらピストンリングが3万キロで劣化した」という経験談もあります。これは規格違いのオイルを使用した場合のリスクを示す事例です。
指定規格を守ることの重要性が分かります。
純正オイルを選ぶメリットは「車種ごとの最適化」と「メーカー保証との整合性」です。社外品の高性能オイルも多数ありますが、特にこだわりがなければ純正で十分という意見が主流です。取扱説明書に記載された指定オイルに従うのが基本ですよ。
📊 ヤマルーブレッドバージョンの主な仕様
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| SAE粘度 | 10W-30 |
| JASO規格 | MB(スクーター専用) |
| ベースオイル | 鉱物油 |
| 容量 | 1L / 20L |
| 適合車種 | CEH50(JOG/JOG DX)、XCH50(VINO) |
| 価格目安 | 約1,800円(1L) |
🔧 オイル交換の基本タイミング
参考)バイクのオイル交換の目安は?走行距離や頻度、オイルの色で判断…
⚠️ 使用時の注意事項