全日本F3選手権はバイクレースではない事実|四輪フォーミュラとTT-F3の違い

全日本F3選手権はバイクレースではない事実|四輪フォーミュラとTT-F3の違い

全日本F3選手権とバイクレース

バイクレース経験者でも「F3」をバイクと結びつけてしまう方がいます。


参考)全日本TT-F3レースの概要と歴史|歴代優勝&参戦機の買取査…


この記事の要点
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F3は四輪レース

全日本F3選手権は1979年から2019年まで開催された四輪フォーミュラカーの選手権で、バイクとは一切関係がありません

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バイクはTT-F3

1984年から1991年まで開催された全日本ロードレース選手権のバイククラスで、市販車ベースの400cc/250cc混走レースでした

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混同による誤解

F3とTT-F3は名称が似ているだけで全く別のカテゴリーです。検索時や会話時に混同すると情報が正しく得られません

全日本F3選手権の正体は四輪フォーミュラカー


全日本F3選手権は1979年から2019年まで日本で開催されていた四輪の自動車レースです。F3規格のフォーミュラカー(オープンホイール)を使用した四輪レースで、バイクとは一切関係がありません。


参考)全日本F3選手権 - Wikipedia


若手ドライバーの登竜門と呼ばれ、上位カテゴリーを目指すステップアップの場として機能していました。参加資格はJAFの国内A級ライセンス、もしくはFIAの国際B級以上のライセンスが必要で、四輪レースの世界における重要な選手権でした。


参考)全日本F3とは?


つまり四輪専用です。


エンジンは2000ccの自然吸気で、2013年からレース専用エンジンの使用が認められるようになりました。それまでは市販車用をベースにしたエンジンしか認められていませんでしたが、レギュレーションで細かく規定されることでイコールコンディションを保っていました。


2017年の全日本F3選手権は9大会で全20戦が実施され、若手により多くのレース経験を積ませる意図で運営されていました。ダラーラ製のシャシーにトヨタ-TOM'S、戸田レーシング、フォルクスワーゲンなどのエンジンが搭載されていました。


参考)全日本F3選手権とは何? わかりやすく解説 Weblio辞書


TT-F3がバイクの正式名称

バイクで「F3」と呼ばれていたのは、正式には「TT-F3」というクラスです。1984年から1991年まで全日本ロードレース選手権で開催されていたバイクレースのカテゴリーで、4ストローク400ccまでと2ストローク250cc以下の公道走行可能な市販車ベースのマシンが混走するレースでした。


参考)レーサーレプリカとそのブームについて ~定義と歴史と背景~ …


レーサーレプリカブームの胎動期から最盛期に掛けて開催されていたレースで、当時のバイク業界を象徴する存在でした。参戦機種は公道向け市販車をベースとしていましたが、改造範囲が緩かった1988年シーズンまでは事実上のファクトリーマシンの独壇場でした。


改造範囲が広かったのが特徴です。


初開催から1988年までの5年間は、TT-F3専用に開発されたメーカーのワークスマシンが優勝を果たしています。初年度1984年シーズンはヤマハFZR400が、1985年から1987年シーズンはホンダRVF400が3連覇し、1988年シーズンはヤマハYZF400がタイトルを獲得しました。


1989年以降は公道向け市販車がベースとなり、1989年はGSX-R400R、1990年はZXR400R、1991年はFZR400RRが優勝しています。公道用市販車をベースにレース用にモディファイしたマシンによって競われるようになり、よりプロダクションレースに近い形態になりました。


参考)https://x.com/Kawasaki_JPN/status/1555780709280882689


全日本TT-F3レースの詳細な歴史と参戦マシンの情報

TT-F3とF3を混同する理由

名称が似ているため混同されやすいのが最大の理由です。「F3」という略称で呼ばれることが多かったTT-F3ですが、正式には「TT-F3」という別の名称でした。四輪の全日本F3選手権も「F3」と略されるため、会話や検索時に混乱が生じやすい状況でした。


開催時期も一部重複しています。全日本F3選手権は1979年から開催され、TT-F3は1984年から開催されたため、1984年から1991年の期間は両方が同時に存在していました。この時期にモータースポーツを観戦していた方は、両方を同じ「F3」として記憶している可能性があります。


時期が重なっていたことが混乱の原因です。


レーサーレプリカブーム全盛期の1980年代後半、バイク業界では「F3」という呼称が広く使われていました。当時のバイク雑誌や関係者の間では「F3」で通じていたため、正式名称の「TT-F3」よりも略称が浸透してしまった背景があります。


また、両方とも「若手の登竜門」という位置づけだったことも混同を招いています。四輪のF3が若手ドライバーの育成の場であったように、バイクのTT-F3もライセンス取得の登竜門として機能していました。ノービスライセンス取得にはTT-F3車での参戦が認められており、ステップアップの構造が似ていました。


参考)サヨナラ、俺たちのヨンタイ~鈴鹿4耐 45年の歴史に幕〜 &…


全日本F3選手権の歴史的意義

全日本F3選手権は日本最長の歴史を持つレースシリーズで、1981年から全日本選手権のタイトルが懸けられるようになりました。40年間にわたって日本のモータースポーツ界を支え、多くの若手ドライバーを育成してきた実績があります。


2019年に終了するまで、数多くの日本人ドライバーがこのシリーズを経てF1やスーパーフォーミュラなどのトップカテゴリーへステップアップしました。ドライバーの技量がレース結果に表れる「ドライバーズレース」と呼ばれるフォーミュラレースの特性により、才能の発掘と育成に最適な環境でした。


ドライバー育成の場として機能していました。


レース形態は2001年より1大会2レース制となり、1日目の第1レースは65km、2日目の第2レースは最短90km、最長100kmとされました。2011年シーズンからは一部の大会で1大会3レース制が採用され、より多くの実戦経験を積める仕組みになっていました。


シャシーメーカーはダラーラが中心で、エンジンサプライヤーはトヨタ-TOM'S、戸田レーシング、フォルクスワーゲン、スリーボンド-東名などが参入していました。各レース毎の順位、ポールポジション、ファステストラップによって与えられるポイントの合計によってチャンピオンが決定する仕組みでした。


TT-F3がバイク史に残した功績

TT-F3は1984年から1991年の8年間で、日本のバイク業界に大きな影響を与えました。レーサーレプリカブームの中心的存在として、市販車の性能向上と技術開発を加速させる役割を果たしました。


参戦機種は公道走行可能な市販車ベースという制約がありながら、メーカーは競ってワークスマシンを投入しました。ヤマハFZR400、ホンダRVF400、スズキGSX-R400R、カワサキZXR400Rなど、現在でも伝説的な存在として語り継がれるマシンが数多く生まれました。


市販車の技術向上に貢献しました。


1990年には全日本ロードレース選手権TT-F3クラスで年間シリーズチャンピオンを獲得したZXR400Rのように、公道用市販車をベースにレース用にモディファイしたマシンが活躍しました。このクラスで培われた技術は市販車にフィードバックされ、400ccスポーツバイクの黄金時代を作り上げました。


ライセンス取得の面でも重要な役割を果たしていました。ノービスライセンス取得には250ccまでの市販レーサーかTT-F3車での参戦が認められており、ジュニアライセンスへのステップアップに不可欠な存在でした。鈴鹿4時間耐久レースなどでもTT-F3車両が活用され、ライダー育成の基盤を支えていました。


参考)https://www.autoby.jp/_ct/17714228


レギュレーションの変更により、1988年以降は市販車ベースの色合いが濃くなり、1991年シーズンを最後に終了しました。その後は2ストローク250ccと4ストローク400ccが分離され、それぞれのクラスで発展していく形になりました。


正しい情報検索のために知っておくべきこと

「全日本F3選手権 バイク」という検索ワードでは、正確な情報にたどり着けません。四輪のF3選手権とバイクのTT-F3は完全に別物であり、検索時には明確に区別する必要があります。


バイクのレース情報を探す場合は「TT-F3」または「全日本ロードレース TT-F3」と検索するのが正解です。「全日本F3」だけで検索すると四輪のフォーミュラカーレースの情報しか出てこないため、必ず「TT」を付けることが重要です。


「TT」を付けるのが検索のコツです。


四輪レースに興味がある場合は「全日本F3選手権」または「日本 フォーミュラ3」と検索すれば、正確な情報が得られます。2019年に終了したシリーズですが、歴代チャンピオンやレース結果などの歴史的な情報は豊富に残っています。


レーサーレプリカ時代のバイクレースについて調べたい場合は、「全日本ロードレース」「レーサーレプリカ」「400ccレース」などのキーワードを組み合わせると効果的です。TT-F3以外にも、JSB(全日本スーパーバイク選手権)やGP250クラスなど、当時の様々なカテゴリーの情報が見つかります。







全日本スーパーフォーミュラライツ選手権全記録 2020-2024