

全日本ロードレース参戦には年間300万円以上の費用がかかります。
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日本のモータースポーツは、1936年に開設された多摩川スピードウェイが日本初の常設サーキットとして最初のレースを開催したことから始まります。バイクに乗る方にとって重要な転機は、1955年に第一回が開催された浅間火山レースです。
このレースは海外製部品の装着がNGで、完全国内生産マシンのみが対象という厳しいレギュレーションが特徴でした。つまり純粋な技術力を競う場だったということですね。
1962年には鈴鹿サーキットが開業し、11月に第1回全日本ロードレース大会が開催されました。翌1963年には伊藤史朗選手がベルギーGPでWGP初優勝を果たし、さらに伊藤光夫選手がマン島TTレースで日本人初優勝を達成しています。
1978年には第1回鈴鹿8時間耐久ロードレースが開催され、バイクレースの歴史に新たな1ページが刻まれました。鈴鹿8耐は現在でも世界的に注目される耐久レースで、2025年の観戦チケットは大人19,800円で販売されています。
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日本のバイクレース界は、世界選手権125ccクラスで日本人が表彰台を独占する光景がよく見られるなど最盛期を迎えました。従来「マシンは一流だがライダーは三流」と海外メディアで揶揄されていた状況を覆したわけです。
しかし2022年のMotoGPでは、日本メーカーのバイクを駆る選手の表彰台登壇率が2021年の46%から23%に半減しています。2023年にはスズキが撤退し、ヤマハもファクトリーのみの1チーム2台体制になりました。
厳しいところですね。
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一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)公式サイト
ライセンス制度や競技規則について詳しく掲載されています。
バイクレースに参戦するには、まずMFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)のライセンスが必要です。2025年度のライセンス申請料金は種目によって異なり、初心者向けの国内ライセンスから国際ライセンスまで段階的に設定されています。
参考)ライセンス料金 | MFJ Online Magazine
国際レースに出場するためのFIMライセンスには別途申請が必要で、料金はレート換算により随時変更されます。申請料に加えて振込手数料も申請者負担となるため、事前に確認が必要です。
参考)FIMライセンス申請方法 | MFJ Online Maga…
サーキット走行の体験には、モビリティリゾートもてぎの例では、JAF国内Bライセンスを持っていて完走記録がある場合は31,500円、記録がない場合は37,000円かかります。ライセンスを持っていない場合は50分の走行で料金が設定されています。
地方のジムカーナ大会に参加する場合、当日申込で5,000円(JAF会員4,500円)という手頃な価格設定もあります。ヘルメットやグローブを買う必要すらなく、いつも乗っている車で出かけて参加できるイベントも存在するわけです。
参考)モータースポーツに出るにはいくらかかるの?参加費をまとめてみ…
本格的な全日本選手権に参戦しようとすると、年間300万円以上の費用が必要になります。全国6カ所のサーキットを転戦するため、レース参戦費に加えて宿泊費や移動の交通費が大きな負担となります。
これは使えそうです。
地区戦レベルだと参加費は14,400円程度で、クローズドクラスなら9,300円とさらに安くなります。ステップアップを考える際の参考として、段階的に費用が増えていくことを理解しておく必要があります。
スーパー耐久シリーズのような耐久レースでは、チーム単位でのエントリーとなり年間エントリー料が設定されています。富士24時間大会はレース全体で最も過酷と言われており、完走するだけでも大きな挑戦です。
参考)ENEOSスーパー耐久シリーズ2022 Powered by…
JAFモータースポーツ公式サイト - ライセンス料金
四輪・二輪の各種ライセンス料金と競技会参加費の詳細が確認できます。
初心者がサーキット走行を始めるには、きちんと整備されたバイクとヘルメットなどの決められた装備品があれば意外と気軽に楽しめます。体験走行では先導車が走行ラインをリードしてくれるため、初めてでも安心して参加できる仕組みになっています。
参考)【初心者向け】おすすめサーキット7選~関東編~ - みんカラ
関東圏には初心者向けのサーキットが複数存在し、栃木県の日光サーキットは全長約1kmのミニサーキットとして有名です。ドライビングパレット那須はライセンス不要で走れる気軽なサーキットで、コース全長は700mとコンパクトです。
千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイは、様々な自動車メーカーがメディア向け試乗会を開催しているコースとしても知られています。茂原ツインサーキットは2つのコースを有し、ロングコースで4輪のスポーツ走行が可能です。
埼玉県本庄市のGOLDEX本庄モーターパークでは、ビジター会員が3,500円で1年間有効、メンバー会員は15,000円で同じく1年間有効という料金設定です。レンタル車両も用意されており、初心者に優しいコースとなっています。
結論は初期投資を抑えられるということです。
体験走行の料金はサーキットによって異なりますが、お手ごろな価格設定で自慢の愛車をサーキットデビューさせるチャンスがあります。ご家族やご友人を誘って一緒に走行することも可能で、モータースポーツへの入口として最適です。
走行前にはサーキットごとの規則を確認し、必要な装備を揃えることが大切です。ヘルメットは必須アイテムで、グローブやレーシングスーツの着用が推奨される施設もあります。安全に楽しむための準備が重要ということですね。
鈴鹿サーキットは1987年に10年ぶりにF1日本グランプリが復活した際、開催地として選ばれました。1990年前後には日本でF1ブームが沸き起こり、チケットは45倍とも言われたプラチナチケットでした。
参考)【鈴鹿 富士 もてぎ 岡山 オーポリ】日本を代表する5つのサ…
2006年を最後にF1開催地は富士スピードウェイに移りましたが、2009年から鈴鹿と富士の隔年開催が発表されます。しかしトヨタのF1撤退により2010年の富士開催がキャンセルされ、その後は毎年鈴鹿で開催されています。つまり鈴鹿が日本のF1開催地として定着したわけです。
富士スピードウェイは日本初のF1開催サーキットで、過去にスポーツカー世界耐久選手権(WEC/WSPC)を1982年から1988年まで開催しています。現在も世界耐久選手権(WEC)の富士6時間レースが開催され、国際的な注目を集めています。
ツインリンクもてぎ(現モビリティリゾートもてぎ)は、日本唯一の本格的オーバルコースが併設されているのが特徴です。1998年より日本初のオーバルレース『インディジャパン300』を開催しましたが、2011年の東日本大震災でコースが破損して以降、公式レースでは使用されていません。
参考)日本でオーバルコースのモータースポーツが盛り上がらない理由
日本ではオーバルコースを使ったモータースポーツが浸透していないという現実があります。日本のモータースポーツは欧州志向が強いことが原因のひとつとされ、アメリカンモータースポーツに対する認知度は高くありません。
意外ですね。
世界ツーリングカー選手権(WTCC/WTCR)は鈴鹿で2011年から2014年、2018年から2019年に開催されました。スーパーGTやスーパーフォーミュラなど、国内トップカテゴリーのレースも各サーキットで定期的に開催されています。
バイクレースでは、世界耐久選手権(EWC)に日本のトップチームが年間でシリーズ参戦し、真夏のスプリント耐久と呼ばれる鈴鹿8耐を含む全4戦で競い合っています。24時間レースが年に2回も開催される過酷なシリーズです。
参考)EWCの楽しみ方
鈴鹿サーキット公式サイト
F1日本グランプリや鈴鹿8耐など、国際的なレースイベント情報が掲載されています。
日本のモータースポーツ界は近年、いくつかの深刻な課題に直面しています。F1に関して言えば、世界選手権が年間24試合を世界各地で戦うワンワールド形式であるにもかかわらず、日本人はF1にほとんど興味を持っていません。
参考)日本では、なぜF1が流行らないのか?みんなに知ってほしい国際…
F1ドライバーは全世界でわずか20人しかおらず、メジャーリーグよりも狭き門です。そんな世界に日本GPが存在し、日本人ドライバーがいて、HONDAのエンジンで戦っているにもかかわらず、注目度が低いのが現状です。
痛いですね。
MotoGPでは、2021年に全54表彰台のうち日本メーカーのバイクを駆る選手たちが25回(登壇率46%)表彰台に上がっていました。ところが2022年第14戦までの42表彰台中わずか10回(登壇率23%)にまで減少しています。
2023年にはスズキがMotoGPから撤退し、ヤマハもサテライトチームがなくなりファクトリーのみの1チーム2台体制になりました。日本企業はホンダとヤマハの3チーム6台という、かつてない小規模な陣容です。ドゥカティ8台、アプリリア4台、KTM4台という欧州勢16台の前では、存在感がますます希薄になっていくリスクがあります。
国内レースでは、ENEOSスーパー耐久シリーズのような長時間耐久レースが人気を集めています。富士24時間はシリーズで最も過酷と言われ、チームとドライバーの総合力が試される舞台です。
日本のモータースポーツを支えるのは、草の根レベルでの参加者の増加と若手育成です。地方のジムカーナやダートトライアル、カートレースなど、気軽に参加できるカテゴリーから始めて、ステップアップしていく道筋を作ることが重要となっています。
世界で活躍する日本人ライダーやドライバーを輩出するためには、国内でのモータースポーツ人気の回復と、参戦しやすい環境づくりが課題です。バイクに乗る方にとっても、サーキット走行やレース参戦の選択肢を知り、自分に合った形でモータースポーツを楽しむことが、業界全体の活性化につながります。
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