

あなたが観戦するレースは600ccでも改造範囲で大きく損します。
AMAスーパースポーツ選手権は、アメリカモーターサイクル協会(AMA)が統括し、現在はMotoAmericaとして運営されるロードレース選手権の主要クラスです。600cc級を中心とした市販車ベースのマシンで争われるこのカテゴリーは、スーパーバイク世界選手権のサポートレースとして併催されるスーパースポーツ世界選手権と同様のコンセプトを持っています。
2026年シーズンは9ラウンド・計20レースで構成され、4月17日にロードアトランタで開幕し、9月27日にニュージャージー・モータースポーツパークで閉幕します。注目すべきは、第84回を迎える伝統のデイトナ200マイルレースが、2026年からスーパースポーツクラスの正式なポイント対象イベントとして組み込まれることです。
これは大きな転換点ですね。
参考)2026 MotoAmerica Schedule feat…
アメリカ国内選手権としては世界最高レベルの規模と競技水準を誇り、かつてMotoGP王者となったニッキー・ヘイデンや、スーパーバイク世界選手権王者のベン・スピーズなど、数多くの世界的ライダーを輩出してきた歴史があります。
参考)AMAスーパーバイク選手権とは何? わかりやすく解説 Web…
AMAスーパースポーツは、同じMotoAmericaシリーズ内のスーパーバイククラスと明確に区別されています。スーパーバイククラスが1000cc(リッタークラス)の市販車ベースで比較的広範囲な改造が許されるのに対し、スーパースポーツは主に600cc級で改造範囲が大幅に制限されているのが特徴です。
具体的には、600cc超から955ccまでの2気筒エンジンも参戦可能ですが、基本は4気筒600cc級マシンが中心となります。改造に関しては、フレームは市販状態のままで穴あけも安全部品取り付けのみに限定され、エンジンブロックやクラッチシステムの基本構造も市販仕様を維持する必要があります。
一方で、クラッチディスクやスプリング、オイルラインなどは交換・改造が認められており、ホイールバランスウェイトの追加やスピードメーター駆動部の撤去も可能です。
市販車に近い状態が基本です。
日本ではこのクラスを「600SSの改造車」と呼び、全日本選手権のJSB1000クラス(リッターSS改造車)との対比で理解されることが多いです。
AMAスーパースポーツの源流を遡ると、1976年に開始されたAMAスーパーバイク選手権にたどり着きます。当時の背景には、1970年代のアメリカで2ストロークヤマハTZ750が「フォーミュラ750」を完全支配していた状況があり、車種多様性を確保するために4ストロークエンジン車による選手権が考案されました。
このAMAスーパーバイク選手権のコンセプトは欧州にも輸出され、今日のスーパーバイク世界選手権(WSBK)発展の礎となっています。一国内選手権としては異例の国際的影響力を持っていたわけです。
2015年には、国際化とガラパゴス化への危機感から、AMAがFIM(国際モーターサイクル協会)と提携し、シリーズ名を「MotoAmerica」へ改名しました。これにより新たな時代に突入し、現在に至っています。
日本人ライダーの参戦も歴史上散見され、1993年には宗和孝宏がルーキーオブザイヤーを獲得、2005年には民辻啓がスーパーストッククラスに参戦しています。ただし近年は日本人参戦者が減少傾向にあります。
2026年のテクニカルレギュレーションによれば、スーパースポーツクラスは厳格なホモロゲーション(公認車両)システムを採用しています。参戦できるのは一般市販されている600cc級スポーツバイクで、フレーム本体と主要エンジン部品は市販状態を維持する必要があります。
許可される改造範囲は明確に定義されており、例えばフレームボディは元のホモロゲーション部品のまま使用し、穴あけはステアリングダンパーやセンサーなど承認部品の取り付けのみに制限されます。フレーム側面には保護カバーの装着が認められています。
ホイールに関しては、市販状態のホイール軸を使用しなければならず、ホイールスペーサーのみ改造・交換可能です。クラッチシステムは湿式/乾式、単板/多板、ケーブル/油圧といった基本方式を市販仕様のまま保持する必要がありますが、摩擦板やスプリングは交換できます。
オイルポンプは改造可能ですが、ポンプハウジング、取り付け点、オイル供給ポイントは市販状態を維持する必要があります。
つまり基本構造は変えられません。
排気量に関しては、600cc超から955ccまでの2気筒エンジンにも門戸を開いており、ツインエンジンの大排気量マシンも理論上は参戦可能です。
多様性を確保する狙いがありますね。
バイクに乗る人にとって、AMAスーパースポーツ選手権は自分が所有する、あるいは購入を検討している600ccスポーツバイクの性能を直接確認できる貴重な機会です。レースで使われるマシンは市販車ベースで改造範囲が限定されているため、市販車の素性がレース結果に直結します。
例えば、ヤマハYZF-R6、カワサキZX-6R、ホンダCBR600RR、スズキGSX-R600といった日本製600ccスポーツバイクが、このクラスの主力マシンとして活躍しています。これらのモデルは街乗りからサーキット走行まで幅広く対応できる汎用性を持ちながら、レーシングポテンシャルも高いのが特徴です。
MotoAmericaは公式ウェブサイトやSNSを通じて積極的にレース情報を発信しており、ライブストリーミングやハイライト映像も提供しています。日本からでもオンラインで観戦できる環境が整っているため、時差を気にせず録画視聴することも可能です。
またサーキット走行会に参加するライダーにとっては、レギュレーションを参考にしたマシンセッティングのヒントを得られる点も魅力です。どのパーツが改造可能で、どこを市販状態で維持すべきかという情報は、安全で効果的なカスタムの指針になります。
レース観戦を通じて最新の走行テクニックやライン取り、ブレーキングポイントを学ぶこともでき、自身のライディングスキル向上に役立てられます。プロライダーのオンボード映像は特に参考になりますね。
MotoAmerica公式サイト
スーパースポーツクラスの最新スケジュール、エントリーリスト、レース結果、テクニカルレギュレーションの詳細が掲載されています。