

共振回転数で巡航すると手が痺れて操作ミスにつながります。
固有振動数とは、バイクの各パーツが持つ固有の振動しやすい周波数のことです。バネに吊るされたおもりと同じように、バネの強さが大きいほど、また質量が小さいほど固有振動数は高くなります。
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バイクの車体、ハンドル、ステップ、カウルなど、あらゆるパーツがそれぞれ異なる固有振動数を持っています。外部から物体固有の振動数と同じ振動数が与えられると、振動の幅が大きくなる現象が起こります。
これが共振です。
エンジンがある一定の回転数のときに発生する周波数と対象物の固有振動周波数が合致すると、振動は増幅されて非常に大きな振動になります。特定の回転域だけ「細かく強い」振動が発生し、手が痺れやすいのはこの共振が原因です。
サスペンションの固有振動数は、乗り心地を重視した車両で1.0~1.5Hz程度、スポーツ走行向けのレース仕様で2.5~3.5Hz程度に設定されます。固有振動数が低いと路面からの振動の絶縁性は良好ですが、車体の動きは緩慢になります。
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逆に固有振動数を上げると、車体の姿勢変化に対する応答性が早くなり、かっちりした乗り味になります。
バイクの直進安定性に影響する振動モードには、主にウィーブモードとウォブルモードの2種類があります。ウィーブモードは1Hz~3Hz程度の振動で、横運動、ヨー運動、ロール運動およびハンドル系の運動が連成しています。
参考)https://repository.exst.jaxa.jp/dspace/bitstream/a-is/943675/1/AA1940282007.pdf
車速の上昇に伴って不安定化し、周波数も車速に比例して上昇する特性があります。特に120km/hから高速域になるにしたがって安定性が低下することが知られています。
ウォブルモードは主にハンドル系が数Hz~10Hzで振動するモードです。高速域で不安定になる特性があり、車速の上昇に伴い振動数が減少します。
ヤマハの研究によると、ウィーブモードの固有振動数は車体剛性の影響が小さく、ウィーブモードの減衰比にはフロントフォークの横曲げ剛性の影響が大きいことが分かっています。
これらの振動モードは高速域における転倒を招く原因にもなるため、車両開発において重要な検討項目です。
共振が発生する回転数は、エンジンの爆発周波数を計算することで推測できます。4ストロークエンジンの場合、1サイクル当たりの爆発は1/2回(2回転に1回爆発)です。
計算式は「回転数÷60×1/2×気筒数」で周波数(Hz)を求められます。例えばSR400のアイドリング時1,100回転では約9.16Hz、5速2,500回転では約20.83Hzとなります。
特定の回転域で「ブルッ」と細かく強い振動が来たら、エンジンと取り付け部の共振帯です。前兆が出たらすぐギアを1段変えて、回転がズレて収まるなら共振帯確定です。
レブル250の場合、だいたい4,000rpm代、細かく言うと3,900~5,100rpm位が不快な振動の範囲とされています。加速時に通過する程度なら耐えられますが、問題は定速走行時の絶え間ない振動です。
参考)https://ameblo.jp/krefirst/entry-12744146645.html
各ギアの速度域を算出し、オレンジ色で囲まれた共振帯の回転数を避けて走行することで不快な振動を回避できます。
共振帯で巡航しないことが基本です。
共振を止める最も効果的な手段は、振動系の固有振動数を変えて現在の共振状態から切り離すことです。バイクの場合、ハンドルの末端に重さをもたせることで振動軽減ができます。
参考)バイクの振動対策はグリップ・バーエンド・グローブのどれ?ライ…
バーエンドやハンドルインナーウェイトを取り付けると、ハンドルの固有振動数が変化して共振を抑えられます。多くのレースチームがバーエンドのオモリによって振動対策をしています。
京都市産業技術研究所の研究では、バイク用ハンドルのパイプ内に一定量のシリコンゴムを注入することで、未対策時に比較して共振加速度を3分の1程度に低減できることが確認されました。
つまり適切な対策で効果が出ます。
グリップを耐震素材のものに交換、ノーマルのバーエンドより重いものに交換、インナーウェイトを追加すると、大抵の振動は抑制できます。グローブも振動を吸収してくれる素材のものにすると効果的です。
参考)バイクのハンドルの振動対策!手のしびれはグリップを変えるだけ…
バイクの振動対策グッズの詳細はこちら(振動対策製品の比較と選び方)
走行中に共振が発生した場合は、速度を急激に変えるか力を抜いて周波数特性を変えることで対処できます。
参考)【落車対策】ロードバイク動的挙動制御の真髄:高速共振の克服と…
共振による細かく強い振動は、手の痺れや疲労を引き起こす主要因です。回転数が上がるほど強くなる通常の振動とは異なり、特定の回転域だけ発生する共振は手が痺れやすくなります。
グリップが劣化して硬くなると、バイクの振動をハンドルが拾い、グリップから手に伝わりやすくなります。アフターパーツのグリップで耐震性能に重きを置いているものに交換すると、振動対策の第一歩になります。
これは使えそうです。
振動を吸収するゲル素材を内蔵したグリップや、分厚いゴムを使用したものなど、様々な選択肢があります。比較的ローコストで済み、細かい振動には効果的な対策です。
参考)不快なハンドルの振動を軽減したい!効果的な対策とオススメアイ…
高速巡航時には、フロント+1丁(またはリア-2丁)でスプロケットを変更し、同速時のrpmを下げて共振帯を避ける方法もあります。
ただし発進が重くなるのは覚悟が必要です。
90~100km/h程度の巡行では、負荷が大きくなった方がバイブレーションが不快でなくなる感覚があるため、各自で確認することが必要です。
📊 主な振動対策と効果の比較
| 対策方法 | コスト | 効果 | 作業難易度 |
|---|---|---|---|
| グリップ交換 | 中(5千円~1万円) | 共振周波数の変更 | 普通 |
| インナーウェイト追加 | 中(5千円前後) | 共振加速度を1/3に低減 | 普通 |
| スプロケット変更 | 高(1万円~) | 共振帯の回転数回避 | やや難しい |
| シリコンゴム注入 | 低(材料費のみ) | 共振加速度を1/3に低減 | 難しい |
まずグリップとバーエンドの組み合わせから試すのが効率的です。それでも改善しない場合は、共振回転数を特定してギア選択やスプロケット変更を検討しましょう。

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