

ハンドル握り締めると逆効果です。
ウィーブモードとは、バイク車体のヨー軸(左右回転)とロール軸(傾き)が連成した振動モードのことです。中高速走行中のバイクには、安定性を支配する2つの振動現象があり、その1つがウィーブモードです。
この現象は横運動、ヨー運動、ロール運動、操舵系が複雑に絡み合って発生します。固有振動数は1~4Hzの範囲で、車速の上昇に対して大きくなる特性があります。
研究によると、高速域での不安定性の主な原因は、リアタイヤ横力の位相遅れです。速度が上昇すると、リアタイヤ横力ベクトルの変化は大きさよりも位相変化によるものが大半を占めます。
位相遅れが原因ということですね。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaeronbun/50/5/50_20194688/_pdf
この物理現象は、タイヤ特性を含めた車体の剛性、アライメント、重心位置、空力特性など、バイク全体の特性が複合的に関係しています。フレーム剛性の影響も受けますが、ウィーブモードの固有振動数への影響は比較的小さいとされています。
参考)http://www.interq.or.jp/silver/s883/gensyo_sysutem_gensyo.html
高速になるほどリアタイヤの応答が遅れ、車体の安定性が損なわれる仕組みです。
つまり速度と振動の関係が転倒リスクに直結します。
ウィーブとウォブルは、振動数と発生する速度域が異なる別の現象です。ウォブルモードは操舵系の振動であり、前輪のジャイロモーメントにより励起されます。
振動数について見ると、ウォブルモードの振動数は車速の上昇に伴い減少し、ウィーブモードの振動数は車速の上昇に伴い増加します。車速の上昇に伴い両モードの振動数は接近する特性があります。
参考)https://le-design.jp/iml.jp/img/img_report/R5/R5.pdf
発生する速度域も明確に違います。ウォブル(シミー)現象は時速60km~120kmの一般的によく使う速度帯で発生し、振動周波数は8~12Hzです。一方、ウィーブ現象は120km/h以上の高速走行時に発生する車体の横揺れ現象とされています。
参考)シミー(ウォブル) : MOTOROMAN Staff BL…
ウォブルモードは中低速域において安定し、高速域で安定性が低下します。ウィーブモードは中速域では安定するが、低速域と高速域で不安定化する傾向があります。
速度域で区別できます。
参考)https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsaeronbun/53/2/53_20224060/_pdf
ただし、実際には振動数の差だけで、区別せず両方ウォブルと呼ぶ場合もあります。ウォブルがひどくなるとバイク全体のコントロールができなくなるウィーブ現象を誘発する恐れもあります。
参考)ウォブル現象
速度が上がるとウィーブモードは不安定になります。エネルギーフロー法による解析では、高速域での不安定性の根本原因は車速の上昇そのものです。
前後タイヤ横力の合計はいずれの車速においても車体の合計よりも非常に大きく、安定方向へ寄与しています。しかし速度上昇に伴い、その安定化効果は減少していきます。
ウィーブモードの固有振動数は車速に比例して上昇する特性があります。この特性は高速域における転倒を招く原因にもなり、車両開発において重要な課題です。
固有振動数が上昇するんですね。
バイクには常に自然な振動があり、タイヤと道路の間の見引力が振動を生成します。高速走行では長時間、速い速度で走り続けるため、一般道よりタイヤに負荷がかかりやすくなります。
参考)バイク高速道路デビューの不安を解消! 街乗りよりも安全説は本…
ウォブルの発生速度はそのバイクの走行限界速度といえるでしょう。時速120km超え辺りから発生することが多く、タイヤの影響を加味した車体の剛性、重心位置などのバイク特性が関係しています。
タイヤの空気圧不足は、ウィーブやウォブル現象の主要な原因の1つです。空気圧が極端に低いとタイヤがバースト(破裂)する危険性があります。
タイヤバランスや摩耗も重要な要因です。ブレーキや急加速によりタイヤが不均一に摩耗すると振動が発生し、速度が上がると振動が大きくなりデスウォブルに変わります。タイヤの空気圧は一般的に150~300kPaの範囲で定められていますが、車種ごとに最適な空気圧が設定されています。
車体側の要因として、フレーム剛性やアライメントが挙げられます。レーシングマシンでは、フォークの長さ・ネック角・スイングアーム長の変更、ピボット強度強化などのアライメント調整によってウォブル現象の抑制を試みます。
ホイール周辺のベアリング破損やアンバランス、エンジンマウントの防振ゴムの劣化も影響します。足回りやハンドル周りなど、各部の締め付け確認も欠かせません。
各部の点検が基本です。
市販車で本格的なアライメント調整を行うことは現実的ではないため、タイヤの種類を変更してみる程度の対策になります。ステアリングダンパーの装着やハンドルブレースの装着も有効な対策です。
バイクで起こる〇〇現象~シミー、ウォブル、ジャダー - ガッツクローム
ウォブルやシミー現象の詳しいメカニズムと具体的な対策方法が解説されています。
ウィーブやウォブル現象が発生したら、ハンドルバーを緩く保つことが最重要です。ハンドルが左右に揺れるときに恐怖から握り締めると、問題はさらに深刻になります。
バイクが自然に落ち着くまで、ハンドルバーから力を抜く必要があります。ハンドルを押さえこんでもウォブルは抑えられないので、発生したら減速して原因を調べるしかありません。
力を抜くのが原則です。
次にスロットルをゆっくり戻して減速を試みます。スロットルをゆっくり戻すのは難しいですが、その方法しかありません。クラッチを握ったり前ブレーキをかけないよう注意してください。
急制動を行うと揺れが減少せず、さらに悪化したり転倒する可能性があります。スロットルをゆっくり戻してエンジンブレーキで減速が始まったら、後ブレーキを少しずつかけて揺れを抑えながら速度を落とします。
可能なら体を前に傾けることも有効です。ウォブル現象は前輪に荷重が不足しているために発生するケースが多く、前に体を傾けるとフロントホイールに荷重がかかり、地面とのトラクションが回復します。
前傾姿勢で安定します。
振動を抑えるためハンドルをしっかり押さえながら減速し、安全な路肩に停車しましょう。停車後はレッカーサービスや懇意のバイク販売店に連絡し、バイクを引き上げてもらってください。
タイヤ空気圧の定期チェックは、ウィーブ予防の最重要項目です。走行直後はタイヤの空気が熱膨張で高圧な状態になっているので、タイヤが冷えているときに空気圧を調整するようにしましょう。
エアーゲージを使ってタイヤの空気注入口に金口を押し当てて空気圧を確認します。指定空気圧はフレームやチェーンカバーなどに規定値が記載されたステッカーが貼られています。バイクのマニュアルにも規定値が記載されています。
規定値の確認が条件です。
タイヤのバランス調整も欠かせません。タイヤバランスの不良はシミー現象の原因として挙げられます。ホイールを取り外し、ベアリング、調整、損傷の検査などの整備を行ってください。
足回りやハンドル周りなど各部の締め付け確認を行います。エンジンマウントなどのすべてのゴム部品の寿命を確認し、ショックダンパー、タイヤを確認して必要に応じて交換します。
ステアリングダンパーの装着は、ウォブルやシミー対策として効果的です。ハンドルブレースの装着やハンドルグリップを衝撃吸収タイプに交換することも有効な対策です。
高速道路走行前は特に念入りに安全装備を整えてください。自身でメンテナンスを行うのが難しい場合は、プロショップに依頼することをおすすめします。
バイクの適切なタイヤ空気圧を確認・調整する方法について解説 - 2りんかん
タイヤ空気圧の正確な測定方法と調整手順が詳しく紹介されており、ウィーブ予防の基本知識として役立ちます。