伸び側減衰力バイクの基本と正しいセッティング術

伸び側減衰力バイクの基本と正しいセッティング術

伸び側減衰力とバイクのサスペンション設定の基本

減衰力を強くすれば安全と思い込んでいると、実は路面グリップを失って転倒リスクが上がります。


この記事の3ポイント
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伸び側減衰力の役割

スプリングが縮んだあとに伸びる動きを制御し、車体のバタつきを抑えて安定走行を実現する機構です。

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メーカー設定の落とし穴

出荷時の設定はPL対策(製造物責任)で硬めに設定されていることが多く、日本人ライダーには過剰な場合があります。

正しい調整の方向性

最弱状態から徐々に強めていく手順が基本。強すぎると路面追従性が落ち、コーナーでのグリップを損なう危険があります。


伸び側減衰力とは何か:バイクのサスペンション基礎知識



バイクのサスペンションはスプリングダンパーの2つで成り立っています。スプリングが路面からの衝撃を吸収し、ダンパーがその伸び縮みを制御するという分担です。


スプリングだけでは縮んだあとにビヨンビヨンと何度も伸び縮みを繰り返してしまいます。この繰り返し運動を素早く収束させるのがダンパーの役割です。


関連)https://for-r.jp/useful/47733.html


ダンパーにはサスが縮むときの「圧側(コンプレッション)」と、縮んだあとに伸びるときの「伸び側(テンション/TEN)」の2系統があります。 伸び側減衰力とは、このTEN側の動きスピードをコントロールする機構のことです。つまり「スプリングが戻る速さ」を調整するもの、と覚えておけばわかりやすいでしょう。


関連)https://for-r.jp/useful/47733.html


アジャスターに「TEN」「H(ハード)」「S(ソフト)」と表記があれば、それが伸び側の調整部分です。 時計回りに締め込むと強く(遅く)、反時計回りに回すと弱く(速く)なる仕組みが一般的です。


関連)https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_129.html


伸び側減衰力を強めすぎると起きるバイクの症状

強すぎる伸び側減衰力が引き起こすデメリットは、意外なほど深刻です。


まず、サスが縮んだあとに素早く伸びられないため、路面の凹凸にタイヤが追従できなくなります。 車体は「跳ね」や「挙動の重さ」として現れ、コーナリング中にグリップを失うリスクが高まります。 これは怖いですね。


関連)https://yurufuwagekijo.com/rear-suspension-ten-attenuation/


硬く設定していると「ドッシリして頼もしい」と感じるライダーが多いのですが、実際には不安定・疲れる・乗りにくいという状態になっている確率のほうが圧倒的に高いのです。 特にツーリングでは手足から全身に疲れが伝わり、長距離走行の楽しさが奪われます。


関連)https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_129.html


コーナーでスリップしかけたとき、サスが素早く伸びられる状態だとグリップを粘り強く保ちながら転倒を防いでくれます。 強すぎる設定ではこのリカバリー性能が失われます。グリップに注意すれば大丈夫です。


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伸び側減衰力の正しいセッティング手順:最弱スタートが基本

セッティングの手順はシンプルです。最初に最弱状態から走り始めて、「ふわふわして落ち着かない」と感じた時点で徐々に強めていく方法が定石です。


関連)https://yurufuwagekijo.com/rear-suspension-ten-attenuation/


「弱めるとフワフワして危険では?」という不安はイメージにすぎません。 アジャスターで調整できる範囲には、そこまで弱めきってしまう設定は存在しないので、最弱にしても危険な状態になることはほぼゼロです。


関連)https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_129.html


調整の優先順位も覚えておきましょう。まずリアの伸び側減衰から手をつけ、次にフロントの伸び側減衰を調整するという順序です。 圧側(縮み側)は基本的に触らなくてよく、伸び側だけで多くのケースは解決します。 これが原則です。


関連)https://hase01.com/bike-suspension/


苦手なコーナーに合わせてセッティングするのがポイントで、得意なコーナーに最適化しても走りの幅は広がりません。


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メーカー出荷時の設定を信頼しすぎるのは危険:PL対策の実態

多くのライダーが「メーカーが決めた設定が最善」と信じています。しかしこれは大きな勘違いです。


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大型バイクの主要市場は欧米で、標準体格は身長180cm・体重70kg超、さらに2人乗りで時速140kmのカーブを走ることを前提にしています。 このような欧米の使用環境と訴訟リスクに対応するため、メーカーはPL(製造物責任)回避を目的として減衰力を意図的に強め、「動かないサス」に設定しているケースが多いのです。


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意外ですね。この設定は日本人の平均的な体格・速度域には過剰すぎます。 体格の違いは数センチどころの話ではなく、サスへの入力荷重が根本的に異なります。


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ベルトの穴をひとつふたつ緩めると動きやすくなるように、サスの減衰力も適切に弱めることで快適性と路面追従性の両方が改善します。 メーカー設定に馴染んでから自分でいじるのは「ずっと先のこと」と思っていたライダーは、考えを見直す必要があります。


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参考:メーカーのサス設定がPL対策で硬めになっている理由と、伸び側減衰を弱めるメリットの詳細はこちら
ツーリングの快適さアップには伸び側減衰を弱めよう!【ライドハイ】


サーキットと公道での伸び側減衰力の使い分け:独自視点

「サーキット向けは硬いセッティング」というイメージを持つライダーは少なくありませんが、トップカテゴリのレースライダーほど柔らかい(動きを抑えない)設定を選ぶ傾向があります。 これはリカバリー性能を最大化するためです。


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公道のツーリングでは路面のギャップ吸収が最優先のため、伸び側減衰を弱めてタイヤが路面に素早く追いつける状態を作ります。 一方、サーキットでは路面が比較的フラットなため、ギャップ吸収よりも「ブレーキング時のリアの浮き上がり抑制」「S字切り返しでのリアの急激な伸び上がりを抑える」目的で減衰を使います。


関連)https://yurufuwagekijo.com/rear-suspension-ten-attenuation/


つまり目的が変わります。サーキットではピッチングモーション(前後の揺れ)を制御する目的で積極的に強める場面があります。 また「プリロードも車高も変えたくないけど少しリア下がりにしたい」という場面では、伸び側減衰を強めることで動き出し初期にリア下がりの特性を出すテクニックもあります。


関連)https://yurufuwagekijo.com/rear-suspension-ten-attenuation/


使いこなすには場所と目的を切り分けることが条件です。



  • 🏍️ ツーリング・公道:最弱スタートで路面追従性を優先、ふわつきを感じたら強める

  • 🏁 サーキット:ピッチング制御・切り返しスピードアップのために強め方向へ調整

  • ⚖️ 共通の注意点:強すぎはタイヤのグリップロスにつながるため必要最小限に抑える


参考:サスペンションセッティングの具体的な手順と伸び側・圧側の調整方法の解説
バイクのサスペンション調整方法【基礎から実践まで】


参考:リアサスの伸び側減衰の基本概念とセッティング手順の詳細
伸び側減衰について バイクのリアサスペンション




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