

気温10度でも、手袋なしでバイクに乗ると体感温度はマイナス域になります。
オールシーズングローブ(3シーズングローブ)は、春・夏・秋を主な使用期間として設計されています。主に革製が多く、適度な防風性を持つ一方で、ウィンターグローブと決定的に異なる点があります。それは「保温用の裏地処理がされていない」ことです。
風を遮る性能はあるものの、グローブ内部の熱を保つ機能がないため、手の温度がじわじわと奪われていきます。気温が下がるほど、その差は顕著に現れます。
では、具体的にどの気温帯から「厳しくなるか」を確認してみましょう。バイクで時速60kmで走ると、体感温度は外気温よりも約10〜15℃低くなります。気温15℃の日でも、走行中の体感は0〜5℃前後です。気温10℃の日に高速道路を走れば、体感温度はマイナス6℃近くにもなります。
つまり、オールシーズングローブが冬に「使える」のは、実質的に外気温が10〜15℃を上回っている場面に限られると考えておくのが現実的です。それ以下の気温帯で長時間ツーリングをすると、手の感覚が鈍くなり、ブレーキやクラッチ操作に影響が出てきます。これは安全上の問題に直結します。
外気温10℃未満では保温裏地が条件です。オールシーズングローブを使う場面は、最低気温10℃以上の秋口・春先が基本です。
ライコランド埼玉店スタッフブログ:グローブのシーズン別タイプ解説(3シーズン・ウィンターの違いを詳述)
「防風性があるならオールシーズングローブでも冬は大丈夫では?」と思うライダーは少なくありません。確かに、革製グローブには走行風を遮る効果があります。しかし、防風性と保温性はまったく別の機能です。この点が大きなポイントです。
防風性とは「冷たい風の侵入を抑える性能」を指します。一方の保温性とは「グローブ内部の熱を逃がさない性能」です。ウィンターグローブには防風フィルムに加えて、内側にフリースやシンサレートなどの保温素材が使われています。オールシーズングローブにはこの保温内装がないため、外からの冷気を多少遮っても、手の体温はどんどん放散してしまいます。
また、防水性についても注意が必要です。冬の雨は夏の雨と違い、気温が低い分、濡れると一気に体感温度が下がります。オールシーズングローブの多くは防水処理がされておらず、雨天時には水が染み込んで手が急速に冷えます。これが命取りになることもあります。
冬に防水も必要なら、GORE-TEXや各社の防水透湿メンブレンを内蔵したウィンターグローブを選ぶのが安全です。たとえばRSタイチの「DRYMASTER」素材や、ダイネーゼの「D-DRY」は、防水性と透湿性を両立した代表的な素材として知られています。
つまり「防風=防寒」ではないということですね。この違いを理解するだけで、グローブ選びの失敗がぐっと減ります。
ダイネーゼ福岡店:冬用グローブの選び方(ロング・ショートの違い、防水フィルムの役割を詳解)
「ウィンターグローブは操作感がモコモコして苦手」というライダーにとって、オールシーズングローブ+インナーグローブという組み合わせは現実的な選択肢です。使い方次第で、かなり実用的に使えます。
インナーグローブを選ぶポイントは「薄さ」と「素材」の2つです。厚すぎるインナーグローブは、外側のグローブが窮屈になり、血行を妨げてかえって手が冷えてしまいます。まず薄手タイプを選ぶのが基本です。
素材については、コミネの「サーマルインナーグローブ」やRSタイチの「ウォームライドインナーグローブ(RST130)」のような裏起毛素材のものが保温効果に優れています。デイトナのインナーグローブは4WAYストレッチ生地を採用しており、ハンドル操作のじゃまになりにくいと評価されています。価格帯は2,000〜3,500円前後が多く、コストパフォーマンスは高いです。
注意点として、インナーグローブを追加すれば、外グローブのサイズが窮屈になる可能性があります。オールシーズングローブをインナーグローブ前提で使うなら、外グローブは1サイズ大きめを選ぶことを検討してください。指の曲げ伸ばしに余裕が生まれ、長時間ツーリングでも手が疲れにくくなります。
また、スマホ対応のインナーグローブを選べば、外グローブを脱がずにナビ操作ができる場面も増えます。これは実際の利便性に直結するポイントです。これは使えそうです。
この組み合わせで快適に走れる気温帯は、おおよそ気温5〜15℃程度です。それ以下の真冬の日には、ウィンターグローブに切り替えるのが原則です。
バイクパーキング:夏・冬別インナーグローブのオススメ6選(選び方・素材・効果の詳細解説)
多くのライダーが冬のグローブ選びで重視するのは「保温性」と「操作性」です。しかし、安全性を守るプロテクター性能もグローブ選びの重要な軸です。見落とされがちなポイントです。
転倒時に真っ先に地面についてしまうのが手のひらとナックル(拳)部分です。冬のバイクは路面が冷えていてグリップが低下しやすく、転倒リスクは夏より高まります。にもかかわらず、オールシーズングローブの多くはレーシング向けとして設計されており、プロテクターの種類がウィンターグローブよりも充実したモデルが存在する一方、コストを抑えた製品ではプロテクターが最小限のものもあります。
チェックすべき部位は、ナックルプロテクター(拳部分)とパームスライダー(手のひら部分)の2か所です。ナックルプロテクターには「ハードタイプ」と「ソフトタイプ」があり、ハードタイプのほうが衝撃吸収力は高くなっています。パームスライダーはプラスチック製が一般的で、転倒時に手を地面で滑らせることで衝撃を分散させる機能があります。
冬に向けたグローブ購入の際は、保温性を確保しながらもプロテクション性能を落とさないモデルを選ぶことが大切です。コミネのGK-846(プロテクトウインターグローブ)や、デイトナのソフトフィットレザーウインターグローブDG-005は、プロテクター機能と保温性をバランスよく備えたモデルとして知られています。価格帯は7,000〜13,000円程度が目安です。
プロテクターありが条件です。安全のためにも、この点は妥協しないようにしましょう。
Webオートバイ:冬用グローブ選び方ガイド(保温・防水・プロテクター機能を詳しく解説)
オールシーズングローブの主流は革(レザー)製です。ここに、一般的にはあまり語られない「冬に一定の有利さを持つ」理由があります。
革素材は布や化繊素材と違い、適度な通気性(呼吸性)を持ちながらも風を通しにくいという特性を持っています。夏場でも蒸れにくく、冬場でも一定の防風効果を発揮します。特にホースハイドやカウレザーなどの厚みのある革は、素材自体の断熱性が化繊より高い場面があります。革グローブはメンテナンス次第で10年以上使えるケースもあり、コストパフォーマンスが高いという点でも注目されます。
また、革は使い込むほど手に馴染み、フィット感が向上するという特徴があります。クラッチやブレーキレバーの操作感が「素手に近い」と感じるライダーが多いのも、この馴染み感が理由です。これは革グローブならではの強みです。
一方で、革グローブを冬に使う際の弱点もあります。濡れに弱く、雨天走行後は放置すると硬化やひび割れが起きます。濡れた場合は陰干しでゆっくり乾燥させ、乾いた後は必ずレザーコンディショナー(革用保湿剤)を塗り込む必要があります。この手間を惜しむと、高価なグローブも数シーズンで使えなくなってしまいます。
革グローブの冬使いには、防水スプレーの事前処理が有効です。フッ素系の防水スプレーを縫い目も含めてしっかり吹き付け、乾燥後に再度スプレーする「2度塗り」が効果を長持ちさせるコツとして知られています。1本300〜600円程度のコストで、グローブの寿命を大幅に伸ばせます。厳しいですね、手間の面では。しかし革好きのライダーには、それも含めて楽しみのひとつです。
クシタニ公式:防寒グローブの選び方2023秋冬版(革グローブの特性・素材選びの詳細解説)

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