

1988年の大会では、参加196台のうち完走できたのは96台だけです。
オーストラリアン・サファリは、1985年から2014年まで30年間にわたってオーストラリアで開催されたオフロードラリーイベントです。国際モーターサイクリズム連盟(FIM)の国際スポーツ規則のもとで運営され、1999年からはオーストラリア・モーターサイクリング協会の規則に基づいて実施されました。
参考)Australasian Safari - Wikipedi…
このレースは通常、オーストラリアの冬季にあたる8月末頃に開催され、総走行距離は約5,500kmにも及びます。ダカールラリーと同様に、バイク、四輪車両のクラスがあり、2008年からはクワッドクラスも追加されました。つまり二輪ライダーにとって世界有数の挑戦の場だったということですね。
当初はウインズ(WYNN'S)がスポンサードし「ウインズサファリ」と呼ばれていましたが、1989年に「オーストラリアンサファリ」へ改名、2008年にはさらに「オーストレイジアンサファリ」へと名称変更されました。1994年から1997年の間は、FIAクロスカントリーラリーワールドカップにも組み込まれており、国際的な注目度の高いイベントでした。
参考)日本人参加者が大勢いたオーストラリアのラリー|オフロード考古…
2007年以降は西オーストラリア州でホストされるようになり、2014年に西オーストラリア州観光局が資金提供を撤退したことで、惜しまれつつ幕を閉じました。
1988年のオーストラリアン・サファリは「ザ・ビッグ・ワン」と呼ばれ、オーストラリア建国200周年記念として開催された特別な大会でした。この年のコースは、アリススプリングスをスタートし、タナミ砂漠を横断、キンバリー地域を通過してダーウィンに至り、クイーンズランド州北西部のガルフカントリーを経由して最終的にシドニーでゴールする、総距離10,000kmを15日間で走破するという過酷なものでした。
参加車両は196台でスタートしましたが、完走できたのはわずか96台のみという結果でした。
完走率は49%ということですね。
通常の大会でも約5,500kmを1週間強で走り抜ける必要があり、主にアウトバック(内陸部の荒野)を走行します。路面状況は予測不可能で、岩場、砂地、急な起伏など多様な地形が待ち受けています。サファリラリーケニアの例を見ても、グラベル路面でのグリップと耐衝撃性の両立が求められるタイヤ選択が重要になることが分かります。
参考)WRCサファリ:予測不能な天候、ピレリの第一選択肢はソフトコ…
日本人ライダーも多数挑戦しており、1991年や1992年にDT200RやXR250で出場した記録が残っています。中型バイクでも完走可能ですが、相当な技術と体力、そして精神力が必要になります。
参考)http://www5f.biglobe.ne.jp/~okalin/hitorigoto8.htm
オーストラリアン・サファリで使用されるバイクは、耐久性と悪路走破性能を重視したオフロードモデルが主流です。歴代の優勝者を見ると、Honda XR600、KTM 640、Honda CRF450X、Yamaha WR450Fなど、250cc〜650cc程度のエンデューロバイクが多く使われてきました。
1990年代初頭にはHonda XR600が圧倒的な強さを見せ、John Hedericsが1990年から1996年まで7連覇を達成しています。これは東京ドーム約2個分の広さを毎日走破し続けたことに匹敵します。2000年代に入るとKTMやHondaのCRFシリーズが主流になりました。
日本人参加者の中には、DT200RやXR250といった比較的小排気量のバイクで挑戦した例もあります。小排気量車は軽量で取り回しがしやすい反面、長距離での疲労や速度面で不利になる場合があります。450cc以上のモデルなら、パワーと耐久性のバランスが取れるでしょう。
マシン選びでは、タイヤの耐久性も重要な要素です。オーストラリアのグラベル路面は摩耗が激しく、レース中に複数回のタイヤ交換が必要になることもあります。スコーピオンKX RWC SAのようなソフトコンパウンドタイヤは、滑りやすい路面でのグリップと衝撃への耐性を両立しています。
オーストラリアン・サファリのような過酷なレースに挑戦する場合、あるいは一般的にオーストラリアでバイクツーリングをする際には、現地特有のリスクを理解しておく必要があります。最も危険なのは夜間走行で、カンガルーの死体が道路に転がっていたり、羊が道路を横断していたりするため、できる限り避けるべきです。
参考)オーストラリアをバイクで縦断旅行するときに気を付けること
昼間でも、コアラやカンガルーが飛び出してくる可能性があるエリアでは速度を落とす必要があります。野生動物との衝突は車体に深刻なダメージを与えるだけでなく、ライダー自身の安全も脅かします。どういうことでしょうか?
参考)【体験レポ】ゴールドコーストで人気のエコサファリツアー - …
オーストラリアの幹線道路では、異次元の大きさのトラック(ロードトレイン)が法定速度110km/hで走行しています。これらの巨大車両が通過する際の突風は、バイクのバランスを大きく崩す危険があります。この突風対策には、車体をしっかりグリップし、できるだけ路肩側に寄らないことが基本です。
参考)自転車でオーストラリア一周!…気を付けるべきことは? -
砂漠地帯を走行する場合は、地面に直接寝転ぶことは避け、バイクのシートの上で休憩するようにしましょう。
毒蛇やサソリが生息しているためです。
予備のチューブを必ず携行し、草木を搔き分ける際は細心の注意が必要です。
オーストラリアでバイクを運転する際には、日本の運転免許証に加えて国際運転免許証が必要になります。興味深いことに、オーストラリアでは排気量の制限がないため、日本の中型免許(普通二輪免許)でもリッタークラスのバイクに乗ることができます。
実際に中型免許のみで600ccのYAMAHA FAZERをレンタルした日本人ライダーの事例もあります。
これは使えそうです。
ただし、レンタル業者によっては日本の免許証と国際免許証の両方を確認する場合があるため、両方を現地に持参することをお勧めします。
オーストラリア大陸縦断ツーリングの場合、メルボルンからスタートしてグレートオーシャンロード経由でアデレードへ向かい、スチュワートハイウェイで北上してエアーズロックやアリススプリングスを経由し、最終的にダーウィンでバイクを返却するルートが一般的です。このルートは約3,000km以上になります。
レンタル料金は車種や期間によって異なりますが、長期間のレンタルほど1日あたりの料金は割安になる傾向があります。タイヤ交換が必要になった場合、オーストラリアでは1本あたり80〜250オーストラリアドル、工賃とバランス調整で20〜50ドル、廃タイヤ処分で10〜15ドルが相場です。
参考)【2025年最新版】オーストラリアでのタイヤ交換・修理ガイド…
オーストラリアン・サファリは、単なるスピード競争ではなく、ナビゲーション能力、マシンメンテナンス技術、体力、精神力の全てが試されるトータルレースです。ダカールラリーと比較すると、オーストラリアン・サファリは砂漠だけでなく、多様な地形を含むコース設定が特徴でした。
1988年の「ザ・ビッグ・ワン」では、アリススプリングスからシドニーまで10,000kmを15日間で走破するという、まさに大陸横断の冒険でした。これは日本列島を約2.6往復する距離に相当します。半数近くのライダーがリタイアする中で完走を果たすことは、ライダーとしての大きな勲章になったでしょう。
日本人ライダーの間でも人気が高く、1989年から1992年頃には多くの挑戦者がいました。サラリーマンを続けながら有給休暇を使って参戦したライダーもいて、夢を追いかける姿勢が印象的です。
厳しいですね。
参考)[画像 No.5/28] 愛車を好調に保つ! 簡単オフロード…
2014年に資金問題で終了したものの、オーストラリアではBMW Safariのような独自のアドベンチャーバイクツアーイベントが継続しています。これらのイベントは1994年から開催されており、BMW製バイクに特化した内容になっています。オーストラリアン・サファリの精神は、形を変えながら今も受け継がれているということですね。
参考)BMW Safari Australia - Premium…
ラリー経験を積むには、まず日本国内でエンデューロレースやラリー競技に参加し、ナビゲーションスキルや長時間走行の体力を養うことが重要です。その後、モンゴルで開催されるラリー・モンゴリアのような比較的アクセスしやすい国際ラリーに挑戦し、経験を積んでから本格的な海外ラリーへステップアップするルートが現実的でしょう。
オーストラリアン・サファリの詳細な歴史と歴代優勝者リストはこちら(Wikipedia英語版)