

サイドカーレースはレース専用の高額マシンで走れる
サイドカー世界選手権は、1949年から始まったロードレース世界選手権(現在のMotoGP)のカテゴリーの一つとして開催されている伝統あるレースです。ドライバーが膝をついて操縦し、パッセンジャーがアクロバットな動きで荷重をコントロールする「ニーラー」と呼ばれるスタイルが特徴的ですね。
参考)ロードレース世界チャンピオンの一覧 - Wikipedia
二人三脚ということです。
この競技では、ドライバーがアクセルやブレーキを担当し、パッセンジャーは全身を使って体重を移動させることでマシンのバランスを保ちます。サイドカーは通常のバイクと異なり、コーナリング時に内側に傾かないため、パッセンジャーの体重移動が極めて重要な役割を果たすのです。
参考)バイクなの?クルマなの?「レーシングサイドカー」って一体なに…
現在はフォーミュラ2のレギュレーションで、主に600cc4気筒のエンジンを使ったレーシングサイドカーで競われています。世界各地のサーキットで開催され、マン島TTレースのような歴史的なレースも含まれます。
参考)【マン島TT】サイドカーTTレース1は世界チャンピオンチーム…
サイドカーレースの最大の魅力は、ドライバーとパッセンジャーの息の合った連携プレーです。通常のバイクレースとは異なり、二人一組でマシンをコントロールするため、チームワークが勝敗を左右します。
パッセンジャーの動きが圧巻です。
コーナーではパッセンジャーがマシンの外側に体を大きく乗り出し、時には地面すれすれまで身を投げ出すアクロバティックな姿勢を取ります。この動きによってマシンのグリップ力を高め、高速でコーナーを駆け抜けることができるのです。
参考)命がいくつあっても足りない!?スリル満点過ぎるサイドカーレー…
レース中の迫力は命がいくつあっても足りないと表現されるほどスリル満点です。時速200kmを超える速度で疾走しながら、パッセンジャーが激しく体を動かす様子は、観客を魅了し続けています。
世界選手権参戦マシンはF1規格と呼ばれるトップカテゴリーで競われます。ロングホイールベースのモノコックシャシーにリアミッドシップエンジンを搭載したF1マシンが使用されています。
エンジン規定は明確です。
エンジンは2サイクル500ccまで、または4サイクル1300ccまでの自然吸気形式で、主にリッターバイクのエンジンが搭載されています。国内レースではF1、F2、F4などのクラス分けがあり、F4クラスではカート用タイヤを使用するなど、参戦しやすい環境も整備されています。
1978年の世界選手権では、革新的な2WD(二輪駆動)マシンが登場し、レーシングサイドカーの歴史を変えたこともありました。
技術革新が常に求められる競技なのです。
参考)[動画] レーシングサイドカーの歴史を変えた、革新的2WDマ…
サイドカーを運転するには、通常のバイク免許があれば大丈夫です。排気量に応じた免許が必要で、原付免許(50cc以下)から大型バイク免許(制限なし)まで、対象の排気量に応じた免許で運転できます。
参考)サイドカーを運転するために必要な免許とは |ロイヤルドライビ…
50cc以下は要注意です。
ただし、原付(50cc以下)のサイドカーには人を乗せることが禁止されています。つまり、レースで二人乗りをするには最低でも小型バイク免許(125cc以下)以上が必要になるということですね。
レースに出場する場合は、さらにレーシングライセンスの取得が必要です。サイドカーのドライバーは18歳以上、パッセンジャーは16歳以上という年齢制限があります。SSTRのような一般参加型イベントでは、正規にナンバー登録してあり有効な車検を有する自動二輪車であれば、サイドカーやトライクも参加可能です。
参考)SSTR2026開催要項
サイドカーレースは通常の二輪ロードレースと比較して、費用を抑えることが可能です。最も費用がかかるタイヤの例を見ると、F1/F2クラスの場合、前後側3輪分1セットで15~17万円ほどかかります。
タイヤの持ちが良いんです。
F4クラスではカート用の前2後2の4本1セットで3万円前後と、かなりリーズナブルです。サイドカーは二輪ロードレースよりタイヤの消耗が穏やかなため、国内のレース数ではF1/F2は1シーズン1セット、F4はシーズン中1回前後の交換で済むチームが多いのです。
他には、レースエントリー費、ガソリン代、油脂類などの消耗品が必要になります。スポット参戦でレンタルサービスを利用する場合、1戦あたり30万円ほど(レーシングギヤ一式やライセンス取得料は別)で参戦することも可能です。初心者でも比較的手の届きやすい価格帯と言えるでしょう。
参考)レースに出るって思ったより現実的!? 身近なワンメイクレース…
日本人ライダーもサイドカー世界選手権で挑戦してきた歴史があります。海外との接点が限られる中で、WGPサイドカークラスにアジア人として初めて挑戦したのが熊野正人でした。
先駆者の功績は大きいですね。
熊野正人は現代のレーシングサイドカーの成り立ちに大きな影響を与えた人物として評価されています。約10年後には別の日本人ライダーもWGPに挑戦し、日本のサイドカーレース文化の発展に貢献しました。
現在も国内では活発にサイドカーレースが行われており、MCFAJサイドカークラスではチャンピオンが毎年誕生しています。2019年、2020年、2021年、2024年、2025年とチャンピオンを獲得しているチームもあり、日本国内のレベルも着実に向上しているのです。
参考)https://x.com/Tommyniwatori1
サイドカーレースは「命がいくつあっても足りない」と表現されるほど、危険性の高いモータースポーツです。時速200kmを超える速度で走行し、パッセンジャーが激しく体を動かすため、転倒時のリスクは非常に高いと言えます。
マン島TTは特に過酷です。
2022年のマン島TTレースでは、サイドカーレースでの事故により、ドライバーのセザール・シャネルが現場で死亡、パッセンジャーのオリビエ・ラボレルも重体となる痛ましい事故が発生しました。この年のマン島TTレースでは3名が命を落とす事態となり、危険性の高さが改めて認識されています。
参考)マン島TTレース、サイドカーレースの事故での死亡者の身元確認…
しかし、適切な安全装備とトレーニング、そして経験を積むことでリスクを軽減することは可能です。国内のサーキットレースでは、マン島のような公道レースよりも安全対策が整備されており、初心者向けのF4クラスなど、段階的にステップアップできる環境が用意されています。参戦を検討する際は、まず国内の安全なサーキットから始めることをおすすめします。
日本レーシングサイドカー協会(JRSA)では、サイドカーレースの詳細な規則やマシン販売情報、レース歴史について詳しく解説されています。