

週末に関東を走るライダーの多くは「有名スポット=混雑」と思い込んでいるが、奥多摩周遊道路の事故の93%はバイク関連で、混んでいる土曜日が最多というデータを知っているライダーは少ない。
奥多摩周遊道路(都道206号線)は、東京都西多摩郡を縦断する全長19.7kmの山岳ワインディングロードで、関東ライダーにとって最も身近な「走れる道」のひとつです。かつて有料道路だったため路面状況が比較的良好で、タイトなコーナーが連続するテクニカルなセクションも含まれています。都心からのアクセスは環八経由で約1.5〜2時間が目安で、日帰りツーリングの定番コースとして長年親しまれています。
ただし、この道を走る前に必ず知っておくべき重要な事実があります。東京消防庁(奥多摩消防署)のデータによれば、令和元年から令和6年12月までの間に発生した交通事故168件のうち、オートバイ単独事故が132件(78.6%)を占め、オートバイが関連した事故を合計すると全体の約93%に達します。曜日別では土曜日(26.2%)・日曜日(24.4%)の週末2日間で全体の約50%が集中しており、「週末に走りに行く」というライダーの行動パターンが最も事故リスクと重なっています。
事故は多い。それが現実です。
東京消防庁のデータでは、受傷者のうち約4分の1が生命の危険に直結するけがをしており、最寄りの病院まで救急車で1時間近く、搬送先によっては2時間近くかかる山岳地帯という事実も覚えておくべきです。年代別では20代が41%と最多で、10代と合わせると全体の59%を占めます。50代の事故も14.8%と多いため、ベテランライダーも油断は禁物です。
対策は明確です。通行時間にもルールがあり、都民の森〜九頭龍橋の区間は通年5時〜21時のみ通行可能(夜間通行禁止)、都民の森〜国道139号の夏季(4〜9月)は8時〜19時、冬季(10〜3月)は9時〜18時に制限されています。この時間帯を事前に確認してから出発することが最低条件です。
安全のためにプロテクターを必ず装着する、というのが原則です。奥多摩周遊道路を走る際は、バイク用プロテクタージャケットや膝・肘のプロテクターを必ず装着し、ライダースーツでの走行が推奨されます。これは東京消防庁も公式に呼びかけているルールであり、万が一の際の損傷を大きく軽減します。
参考:東京消防庁(奥多摩消防署)によるオートバイ事故の実態データ
奥多摩周遊道路 交通事故データ|東京消防庁 奥多摩消防署
栃木県日光市を代表するツーリングロード「いろは坂」は、中禅寺湖と日光市街を結ぶ全長15.8kmの山岳ルートです。その名前は、合計48か所のカーブにいろは歌の文字が振られていることに由来しています。標高差は約440mで、下りの「第一いろは坂」と上りの「第二いろは坂」の一方通行構造になっているのが大きな特徴です。都心からは東北自動車道・日光宇都宮道路経由で約2.5〜3時間、距離にして約150kmの位置にあります。
初心者には少々大変と感じるルートかもしれません。
ヘアピンカーブがほぼ全て「ほぼUターン」に近い角度で設計されており、重めのバイクや足つきの悪いバイクで走る場合は特に気を遣う区間が続きます。秋の紅葉シーズン(10月下旬〜11月上旬)は関東屈指の絶景を誇りますが、同時期は上り車線のヘアピンカーブ途中で停車を余儀なくされる渋滞が発生することも珍しくありません。足つきに不安のあるライダーは、紅葉の時期は可能な限り平日に訪問するのが賢明です。
上りきった先の明智平展望台からは、中禅寺湖と華厳の滝を同時に一望できます。これはいろは坂を走破した後のご褒美として最高の絶景ポイントです。さらに日光宇都宮道路の日光ICから上り専用の第二いろは坂入口まで約10分とアクセスも良好です。
同じ日光エリアに位置する「霧降高原道路(県道169号線)」は、かつて有料道路だった全長約18kmのワインディングロードで、いろは坂とセットで走るライダーも多い絶景コースです。ただし、名前の通り「霧」に覆われやすい道でもあり、視界不良の際には引き返す判断も必要です。終点付近には牧場レジャー施設「大笹牧場」があり、ジンギスカンやソフトクリームが楽しめるライダーの定番立ち寄りスポットとして知られています。
いろは坂と霧降高原道路を組み合わせたルートは、東京から日帰りで走れる距離のボリュームとして非常にバランスが良く、走りごたえと絶景の両方を一日で満喫できる関東屈指のコースです。日帰り走行距離の目安は往復200〜250km程度で、早朝7時出発であれば日没前に余裕を持って帰宅できます。
箱根エリアと伊豆スカイラインは、関東ライダーが最も訪れるツーリングの聖地と言っても過言ではありません。しかしこのエリアには、知らないと現地で足止めを食らう「通行規制」がいくつか存在します。
まずターンパイク箱根(全長約15.7km)は、バイク通行料550円・ETCは非対応ですが「ETCX」と呼ばれるキャッシュレス決済に対応しています。そして重要な点として、125cc以下のバイクは通行できません。芦ノ湖スカイライン(全長約10.7km)も同様に125cc以下通行不可・通行料300円・現金払いのみ(ETCもETCXも使えない)という特殊な条件があります。
これは意外ですね。
伊豆スカイライン(全長約40.6km)もまた、自動車専用道路に分類されるため125cc以下のバイクは一切通行できません。伊豆スカイラインは熱海峠から天城高原まで富士箱根伊豆国立公園の稜線を走る絶景ルートで、通行料は自動二輪110円〜570円(区間により異なる)、営業時間は6時〜22時です。22時以降は夜間無料で通行できますが、夜間のワインディング走行は危険を伴うため実質的には昼間の利用が基本です。
なお、同じ伊豆半島の「西伊豆スカイライン」は元有料道路ながら現在は無料・自動車専用ではないため125cc以下でも走行可能です。伊豆スカイラインを走れない125ccライダーには、西伊豆スカイラインが代替の絶景ルートとして有力な選択肢になります。
箱根エリアのもうひとつのおすすめポイントは、ターンパイク箱根の湯河原側料金所出口すぐそばにある「バイカーズパラダイス南箱根」です。2019年8月オープン以来、ライダー向けカフェ・ショップ・レンタルバイク・イベントスペースが揃う施設で、入場料500円が必要ですが、ツーリングの立ち寄り先として非常に充実した内容です。
ルート計画の際は、125ccか否か・ETCの有無・通行時間の3点を確認してから走るのが条件です。
参考:日本二輪車普及安全協会による全国の二輪車通行規制区間情報(約500箇所掲載)
二輪車通行規制区間情報|日本二輪車普及安全協会
関東の定番ルートに飽き始めたライダーに特に刺さる穴場が2つあります。茨城県の「奥久慈パノラマライン」と、山梨〜神奈川の「道志みち(県道413号線)」です。
奥久慈パノラマライン(正式名称:奥久慈林業地帯林道 袋田・男体・湯沢線)は、国道322号線と461号線をつなぐ全面舗装の林道で、約1.5車線の狭路ながら大型バイクでも通行できます。よく「酷道」に分類されますが、場所によっては展望台から奥久慈の山々を一望できる絶景ポイントが点在しており、「冒険感」を味わいたいライダーに根強い人気があります。通行料は無料です。
これは使えそうです。
沿道には、バイク好きのオーナーが営む「Cafe遊森歩(ユーモア)」があり、ログハウスのカフェでコーヒーや絶品アップルパイが楽しめます。さらに日本三名瀑のひとつ「袋田の滝」へはバイクで約10分とアクセス良好で、ツーリングの立ち寄りスポットとしても充実しています。注意点は、酷道あるあるの「路面上のコケ」と意外にも交通量があること。ゆっくり慎重なペースで走るのが基本です。
道志みち(神奈川県相模原市〜山梨県山中湖村)は、都心から約1.5時間で入れる信号の少ない山間ルートで、平日は特に交通量が少なく快走できます。全長約50kmにわたって続く山岳ワインディングは、適度なカーブと清流・道志川の景色が魅力。山中湖まで抜けると、パノラマ台展望台から富士山を一望できる絶景スポットが待っています。
道志みちの終点・山中湖から箱根方向にルートをつなぐことで、「道志みち→山中湖パノラマ台→箱根」という欲張りな1日コースが完成します。走行距離は往復で200〜250km程度に収まるため、日帰りツーリングとして非常にバランスのよいプランです。東京・神奈川方面のライダーには特に鉄板のルートとして知られています。
穴場を走ることで渋滞を回避し、より快適にツーリングを楽しめます。まずルートマップは昭文社「ツーリングマップル 関東甲信越」や、アプリ版で事前に確認しておくとスムーズです。林道系ルートでは特に燃料の事前確認も忘れずに行いましょう。
「関東のツーリングと言えば山」というイメージを持つライダーは多いですが、海沿いルートも見逃せない魅力があります。特に千葉・茨城・神奈川の海岸線は、それぞれ異なる表情を持ちます。
神奈川県の三浦半島は、都心から約1時間でアクセスできるショートツーリングの定番です。横浜横須賀道路を抜けて観音崎→浦賀→城ヶ島まで走るルートは全長55〜70km程度(回り方次第)で、海沿いメインのなだらかなルートが続くため初心者にも走りやすい設定です。城ヶ島のダイナミックな断崖海岸線や、三崎港のマグロ料理はツーリングの目的地としても申し分ありません。
千葉県の内房なぎさライン(国道127号線)は、木更津から館山まで続く全長約50kmの無料シーサイドルートです。富津市を過ぎた辺りから海が近くなり、晴れた日には対岸に富士山を望むことができます。東京湾アクアラインを使えば都心から約1時間強でアクセスでき、海ほたるパーキングエリアで休憩を挟むのも定番コースです。ただし東京湾アクアラインは125cc以下通行不可・通常料金2,510円(ETC料金640円)のため、ETCの事前確認が必要です。
つまり、海ルートでも通行規制の確認は必須です。
茨城県の国営ひたち海浜公園は、東京から常磐自動車道経由で約2時間のアクセスで、春のネモフィラ(4〜5月)や秋のコキア(10月)の季節には、丘一面に広がる花景色が圧巻の絶景を作り出します。バイクで走るルートとしては常磐道→ひたち海浜公園ICが最も効率よく、公園内の広い駐車場でゆっくり過ごしてから帰路につけます。季節イベント時は入園料が別途必要(一般450円)なため、事前に公式HPで確認しましょう。
関東の海ルートは季節を問わず走れるのが大きなメリットです。特に冬場(12〜2月)、山岳ルートが凍結・積雪リスクのある時期でも、千葉・三浦方面は温暖な気候で走りやすい日が多く、関東ライダーの冬季ツーリングの定番エリアとして知られています。12〜2月の関東の山岳ルートは路面凍結リスクがあるため、冬は海沿いコースへのシフトが現実的な判断です。
海ルートのもうひとつの魅力は「グルメ」との相性のよさです。三浦半島のマグロ・南房総の地魚・大洗のめんたい丼など、それぞれのエリアに名物グルメが揃っています。「めんたいパーク大洗」(茨城県大洗町)は無料工場見学・試食が楽しめるライダーにも人気の立ち寄りスポットで、水戸大洗ICから約15分とアクセスも良好です。
二輪車通行規制区間情報(全国約500箇所収録)|日本二輪車普及安全協会

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