

自動車専用道路を100km/hで走ると、一発で速度違反の赤切符になります。
「高速道路」という言葉は日常的によく使われますが、実は法律上、高速道路には大きく分けて2種類あります。ひとつが「高速自動車国道」、もうひとつが「自動車専用道路」です。この違いを正確に把握しているライダーは、意外なほど少ないのが現実です。
高速自動車国道とは、東名高速道路や名神高速道路、東北自動車道のように、都道府県をまたいで全国的に展開する大規模な幹線道路です。NEXCOが管理するいわゆる「有料高速」のほとんどがこれに当たり、法定最高速度は100km/h(速度標識のない区間)、最低速度は50km/hと定められています。
一方、自動車専用道路は道路法第48条の2に基づき指定された道路で、地域の交通集中緩和や騒音防止を目的として整備された道路です。首都高速道路や阪神高速道路が代表例として挙げられますが、無料で通れる一般国道のバイパスが自動車専用道路に指定されているケースも全国各地に多数あります。これが重要なポイントです。
つまり同じです。
自動車専用道路には「最低速度」の規定がありません。高速自動車国道なら50km/h未満は違反になりますが、自動車専用道路ではその縛りがないため、低速の農耕車なども通行できる区間が存在します。ライダーにとっては、速度域の読みが難しい状況が生まれる場合もあります。
バイクに乗っていると、道路の雰囲気や構造で「高速道路っぽい」と感じてアクセルを開けてしまいがちですが、それが危険の始まりです。見た目がどれだけ高速道路に似ていても、自動車専用道路である以上、法定最高速度は60km/hが原則となります。
JAF|高速自動車国道と自動車専用道路の違いとは?(最高速度・料金・通行車両の違いを解説)
多くのライダーが見落としているのが、自動車専用道路の法定最高速度です。道路交通法施行令の規定により、自動車専用道路では速度標識が設置されていない区間の最高速度は、一般道と同じく60km/hに設定されています。
高速自動車国道(東名・名神など)と構造が似ていることから、「高速だから100km/hまで出してよい」と思い込むのは非常に危険です。たとえば首都高速道路は自動車専用道路に分類されるため、標識のない区間での法定最高速度は60km/hです。
一方で、首都高速の多くの区間は標識によって60〜80km/hの最高速度が指定されています。結論は同じです。標識を必ず確認してから走行速度を判断することが原則です。
さらに、自動車専用道路の中には標識によって最高速度が70km/hや80km/hに引き上げられている区間も存在します。名阪国道(国道25号の自動車専用道路)の一部区間がその代表例で、標識があればその速度が適用されます。しかし逆に言えば、標識がなければ60km/hが上限です。知らずに走り続けると速度超過違反になります。
バイクで一般道の30km/h超過に相当する違反をした場合の処分を確認しておきましょう。一般道で30km/h以上の超過は違反点数6点、反則金ではなく懲役6ヵ月以下または罰金10万円以下の刑事罰の対象です。これは免停30日相当の処分と同等で、前歴がなくても一発で免停になるラインです。痛いですね。
見た目が高速道路に似ているからといって100km/h走行をすると、自動車専用道路では60km/hオーバーの超過になってしまいます。違反点数12点、免許停止90日という重い行政処分に加え、10万円以下の罰金という刑事罰のリスクが現実のものとなります。
損保ジャパン|高速自動車国道と自動車専用道路の違い(制限速度・通行できない車両を詳しく解説)
自動車専用道路には、125cc以下のバイク(原付一種・原付二種)は通行できません。これは高速自動車国道と同じ条件です。道路法および道路交通法の規定により、自動車専用道路を通行できるのは126cc以上のバイクに限られます。
知らないうちに進入してしまった場合、通行禁止違反として違反点数2点、反則金5,000円が課せられます。「知らなかった」は原則として法的な免除理由にはなりません。走行中に気づいた場合は、すみやかに路肩に停車し警察に連絡するのが正しい対処法です。
これが条件です。
問題は、自動車専用道路への入口が一般道から分岐なく連続しているケースが多いことです。国道のバイパスが自動車専用道路に指定されていると、道なりに走るだけで気づかず進入してしまうことがあります。全国的にこうした「気づきにくい入口」が数多く存在しており、特に初めて走るルートでは注意が必要です。
たとえば国道161号(滋賀県)の湖西道路や、国道2号(広島県・尾道市周辺)の尾道バイパスは、一般道から直接繋がっており、標識を見落とすと入り込みやすい構造になっています。同じ番号の国道でも、区間によって自動車専用区間とそうでない区間が混在していることもあり、ルートの事前確認が欠かせません。
走行前にGoogleマップやYahoo!カーナビなどで「自動車専用道路」の区間を確認しておく習慣が、こうした違反リスクを大幅に下げます。スマートフォンホルダーでナビを見ながら走ることも、現実的なリスク対策のひとつです。
バイクのニュース|自動車専用道路を走れるバイクと走れないバイクの違い(通行条件・注意点の解説)
「無料の道路なら自動車専用道路じゃないだろう」と思っていませんか? これが間違いです。
日本各地には、国土交通省や地方自治体が整備・管理する一般国道のバイパスが自動車専用道路に指定されているケースが非常に多くあります。通行料が無料でも自動車専用道路は自動車専用道路です。126cc以上のバイクでも、速度規制については「高速道路扱い」ではなく、標識がなければ最高速度60km/hが適用されます。
無料で走れるとはいえ、法定最高速度の原則は一般道と同じです。
代表的な無料の自動車専用道路として挙げられるのが名阪国道(国道25号の自動車専用区間)です。高速道路のような構造でインターチェンジから出入りする設計ですが、分類上は一般国道の自動車専用道路であり、通行料は無料です。最高速度は標識によって区間ごとに設定されており、一部区間では80km/hまで引き上げられていますが、標識がない区間での法定最高速度は60km/hです。
ライダーにとってのデメリットは速度面だけではありません。125cc以下のバイクは通行禁止になる区間が増えると、幹線道路から締め出される形になります。旧来の一般道(旧道)に迂回すると、市街地の信号や渋滞の中を走ることになり、ツーリングの時間ロスや疲労につながります。
特にツーリングルートを地図で組み立てる際は、主要国道のバイパスが自動車専用道路かどうかを事前に確認しておくことを強くおすすめします。国土交通省の道路情報提供システムや、各地方整備局のウェブサイトで自動車専用区間の情報を確認できます。
バイクで田舎道|原付二種と厄介な自動車専用道路について(国道バイパスの自動車専用区間の具体例)
ここまでで整理した内容を実際のライディングに活かすために、具体的な走り方の注意点をまとめます。
まず最も重要なのは、走行前のルート確認です。走ろうとする道が「高速自動車国道」なのか「自動車専用道路」なのかを事前に把握しておくだけで、速度違反リスクは大きく下がります。GoogleマップではルートをドラッグしてICを通るルートとバイパスを通るルートを比較できるため、道路の種別を概ね把握することが可能です。
走行中は、入口標識と速度標識を必ず確認する習慣が必要です。「自動車専用」の青い標識が見えたら、速度標識を探してその速度に合わせて走行します。標識がなければ60km/hが上限です。
さらに注意が必要なのは、自動車専用道路には最低速度の規定がないという点です。高速自動車国道では50km/hを下回ると違反ですが、自動車専用道路では遅い車両がいても法律上は問題がないため、流れが想定外に遅くなることがあります。前車に急接近しないよう、適切な車間距離を常に保つことがここでは特に重要です。
タンデム走行についても注意が必要です。首都高速道路の一部区間では、二輪車のタンデム走行が禁止されています。急カーブや風の影響が大きい区間が理由で、標識で禁止区間が示されています。知らずにパートナーを乗せて走ると、タンデム走行禁止違反になります。これも事前確認が必要な項目のひとつです。
なお、2026年9月1日から改正道路交通法施行令が施行され、「生活道路」の自動車の法定速度が現行の60km/hから30km/hへ引き下げられます。一般道の速度ルールも変化しつつあります。自動車専用道路を含めたすべての道路で最新の速度規制を把握しておくことが、今後ますます重要になります。
三井ダイレクト損保|高速道路を安全・円滑に利用するために知っておくべき事項(最高速度・最低速度・自動車専用道路の詳細解説)
走行後に「あれは自動車専用道路だったのかも」と気づいても遅いです。
道路の種別を「なんとなく」で判断せず、標識を読む習慣を一回一回の走行に取り入れることが、もっとも現実的なリスク対策です。知識があれば防げる違反がほとんどです。それだけ覚えておけばOKです。
警察庁|高速道路の交通規制について(最高速度・タンデム規制など公式情報)