

高速道路で100km/hで走っていたら「実は制限速度違反だった」という区間が存在します。この区間を知らないまま走ると、気づかずに前科がつくリスクがあります。
高速自動車国道を走るとき、速度に関するルールは「最高速度」と「最低速度」の両方が定められています。この2つを同時に守る必要があることを、意外と忘れているライダーが多いです。
道路交通法施行令第27条により、高速自動車国道の本線車道(速度標識が特に設置されていない区間)での法定速度は以下のとおりです。
| 車種 | 最高速度 | 最低速度 |
|---|---|---|
| 普通自動車・自動二輪車(125cc超) | 100km/h | 50km/h |
| 大型貨物・特殊自動車・牽引車 | 80km/h | 50km/h |
| 125cc以下の原付バイク | 高速自動車国道の通行不可 | |
バイクの法定最高速度は100km/hです。これが基本です。かつて1999年以前は自動二輪車の最高速度は80km/hに制限されていましたが、2000年(平成12年)10月の改正により、乗用車と同じ100km/hへ引き上げられました。この歴史的な変更を知らないまま「バイクは80km/hまで」と思っているライダーも一定数います。注意が必要ですね。
最低速度についても触れておきます。高速道路では50km/h未満での走行は「最低速度違反」となります。強風や渋滞抜け出し直後など、ついつい低速になりがちな場面でも50km/hのラインを意識しましょう。違反点数は1点、反則金は6,000円(二輪車の場合)です。
なお、ここでいう「高速自動車国道」とは、東名高速道路・東北自動車道・新東名高速道路・中央自動車道などを指します。首都高速や阪神高速は「自動車専用道路」であり、法定最高速度が60km/hとなる点が大きく異なります。高速と名の付く道路でも、カテゴリが違えば速度規制も別物です。
参考:高速自動車国道と自動車専用道路の速度規制の違いについては、以下のJAF公式ページが詳しいです。
「高速道路はどこでも100km/hまで」と思っているライダーは多いですが、実はそうではありません。国内には最高速度が120km/hに引き上げられた区間が複数存在します。
2020年以降、本格運用されている120km/h区間は以下のとおりです。
| 路線名 | 区間 | 距離 | バイクへの適用 |
|---|---|---|---|
| 新東名高速道路 | 御殿場JCT〜浜松いなさJCT | 約145km | ✅ 適用(100km/h→120km/h) |
| 東北自動車道 | 花巻南IC〜盛岡南IC(岩手県区間) | 約27km | ✅ 適用 |
| 東北自動車道 | 岩槻IC〜佐野藤岡IC(埼玉・栃木区間) | 約41km | ✅ 適用 |
| 新東名高速道路 | 新御殿場IC〜新秦野IC(神奈川・静岡区間) | 約20km | ✅ 適用 |
ここで重要なのは、120km/hへの引き上げ対象が「これまで高速自動車国道での法定最高速度が100km/hとなっていた車両」であることです。つまり125ccを超える自動二輪車(バイク)も対象に含まれています。これはいいことですね。
ただし大型貨物車(トラック)や牽引車は引き続き80km/h規制のままです。同じ高速道路を走っていても、バイクと大型トラックでは適用される最高速度が異なるということです。速度差が生じるため、追い越し時の安全確認はいつも以上に丁寧に行いましょう。
また、120km/h区間であっても、工事・悪天候・交通状況によって電光掲示板で規制速度が引き下げられることがあります。電光掲示板の速度表示が標識より優先されるため、走行中は常に電光掲示板の表示を確認する習慣をつけることが原則です。
参考:120km/h区間の詳細と安全走行の留意事項については以下が参考になります。
チューリッヒ保険|新東名高速道路の120km/h規制区間と対象車両
速度超過の罰則は、超過した速度の幅によって大きく変わります。特に高速道路では40km/h超過から罰則の性質が根本的に変わるため、この境界線を必ず覚えておく必要があります。
以下は二輪車(バイク)の高速道路上での速度超過に対する罰則の一覧です。
| 超過速度 | 違反点数 | 反則金(二輪車) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1〜14km/h未満 | 1点 | 9,000円 | 青切符 |
| 15〜19km/h未満 | 1点 | 12,000円 | 青切符 |
| 20〜24km/h未満 | 2点 | 15,000円 | 青切符 |
| 25〜29km/h未満 | 3点 | 18,000円 | 青切符 |
| 30〜34km/h未満 | 3点 | 25,000円 | 青切符 |
| 35〜39km/h未満 | 3点 | 30,000円 | 青切符 |
| 40〜49km/h未満 | 6点(一発免停) | 赤切符・刑事罰 | ⚠️ 前科がつく |
| 50km/h以上 | 12点(免停90日) | 赤切符・刑事罰 | ⚠️ 前科がつく |
ここで知っておきたい重要なポイントがあります。高速道路では「40km/hオーバー」が赤切符の境界線です。一般道では30km/hオーバーが境界線ですが、高速道路では10km/h広くなっています。
赤切符になると交通反則通告制度の対象外となり、刑事裁判の対象になります。つまり罰金刑として前科がつく可能性があります。前科がつくということです。100km/h規制区間で140km/hを出してしまうと、それだけで一発免停30日+前科のリスクを背負うことになります。
120km/h区間を走行している場合は、160km/hオーバーが赤切符の境界になります。規制速度が上がると、気づかないうちにスピードが乗りやすくなるため、逆に注意が必要です。速度計の確認間隔を短くすることが条件です。
参考:バイクの速度違反罰則の詳細は以下でも確認できます。
Bike Life Lab|バイクの交通違反の種類と違反しないためのポイント
「高速道路と名がついているから、どこも同じルール」と考えているライダーは要注意です。走る道路のカテゴリによって、適用される最高速度がまったく異なります。
日本の「高速道路」は大きく2種類に分類されます。
- 高速自動車国道:東名高速、東北自動車道、中央自動車道、新東名高速など。法定最高速度100km/h(一部区間120km/h)
- 自動車専用道路:首都高速、阪神高速、第二阪奈道路、名神高速の一部区間など。法定最高速度60km/h(標識がない区間)
首都高速の約8割の区間では制限速度が60km/h以下です。60km/hというのは一般道路と同じ水準です。路線や区間によっては50km/hや40km/h制限の場所もあります。東名や新東名を走ってから首都高へ入ると、速度感覚が狂いやすくなります。意外ですね。
さらに、高速自動車国道には「最低速度50km/h」の規制が設定されていますが、自動車専用道路にはこの最低速度の規定がありません。そのため、小型特殊自動車など低速の車両も自動車専用道路は通行できる場合があります。
参考:高速自動車国道と自動車専用道路の違いについての公式解説はこちらです。
また沖縄自動車道については最高速度が80km/hに設定されており、本土のほかの高速自動車国道とは異なります。沖縄ツーリングを計画している方は沖縄の制限速度が80km/hだと覚えておけばOKです。
タンデムで高速道路ツーリングを楽しみたいライダーも多いと思いますが、高速道路でのタンデム走行には速度規制とは別に厳しい条件が設けられています。しかも、タンデムに関する制限は「速度」だけでなく「路線」にも存在するため、事前確認が欠かせません。
高速道路でバイクの二人乗りをするための条件は以下のとおりです。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 運転者の年齢 | 20歳以上 |
| 免許の保有期間 | 普通二輪または大型二輪免許を通算3年以上 |
| バイクの排気量 | 126cc以上(自動二輪車) |
注意したいのは「年齢20歳以上」と「免許取得から3年以上」が両方とも必要な点です。たとえば16歳で免許を取得して3年経過しても19歳では高速道路のタンデムは認められません。この2条件は必須です。
さらに、東京都内の首都高速道路の一部区間(都心環状線など)では、条件を満たしているライダーでもタンデム走行が全面禁止されています。これはツーリング計画の段階で確認が必要な情報です。禁止区間を事前に把握した上で、ルートを組み立てましょう。
違反した場合は運転者に「乗車方法違反」が適用され、反則点数2点・反則金12,000円が科せられます。さらに道路交通法上の刑事罰として10万円以下の罰金が課せられる可能性もあります。痛いですね。
タンデムツーリングの前には、日本二輪車普及安全協会が公開している「二輪車通行規制区間情報」で禁止区間を確認する習慣をつけましょう。
高速道路の速度ルールを正しく把握することは大前提ですが、同じくらい重要な「速度以外の知識」についても確認しておきましょう。速度違反にならなくても、別の違反で罰則を受けるケースがあります。
路側帯の走行は通行区分違反です。渋滞時に路肩や路側帯を走ってしまうライダーがいますが、これは道路交通法で明確に禁止されており、自動二輪車の場合、反則点数2点・反則金7,000円の罰則があります。路側帯は緊急車両の通行や故障車の停車のために空けておく必要があります。走るべき場所ではありません。
高速道路でのスピードの感覚麻痺にも注意が必要です。100km/hで走り続けると体がその速度に慣れてしまい、一般道に降りた後もスピードが出やすくなります。高速を降りた後は意識的にメーターを確認し、30分ほどは慎重に走るのが安全です。
ETCを活用した割引でコストを大幅に抑えることもできます。具体的には以下の割引制度があります。
- 🏍️ 二輪車定率割引(土日・祝日):走行距離80km以上で通常料金から37.5%割引(NEXCO各社)
- 🗺️ ツーリングプラン(4月〜11月頃):対象エリアが2〜3日間定額乗り放題(ETC二輪車限定)
- 🔵 ETC2.0搭載車割引:圏央道など一部路線でさらに追加割引あり
ツーリングプランは1エリアあたり3,000円〜6,000円前後で設定されており、通常料金と比較すると1万円近く節約できるケースもあります。これは使えそうです。
申し込みはNEXCO各社のウェブサイトから事前予約が必要です。シーズン中は早期に埋まる場合があるため、計画が決まったら早めに申し込みましょう。
NEXCO中日本|ETC二輪車限定ツーリングプランの詳細・申し込みページ
また、バイク用ETC車載器の購入費用は車用より高め(工賃込みで2万円前後)ですが、NEXCO各社が毎年「ETC車載器購入助成キャンペーン」を実施しており、1万円程度の補助を受けられる期間があります。台数に限りがあるため、購入を検討している方は公式サイトのキャンペーン情報を定期的にチェックするのが条件です。