

免許を取って1年未満でタンデムすると、反則金1万2千円+10万円以下の罰金が同時に科せられます。
タンデムツーリングを楽しむためには、まずバイク自体が「二人乗り可能な状態」であることを確かめる必要があります。道路運送車両法では、二人乗りができるバイクの条件として、排気量が50ccを超えていること、そして車検証(登録証)の乗車定員が「2名」と記載されていることが定められています。
見落としがちなのが「乗車定員」の部分です。排気量は十分にあっても、一部のオフロードモデルやスーパースポーツ系では、定員が「1名」とされているモデルが存在します。そのようなバイクにタンデムステップやシートを後付けしただけでは、法律上は二人乗りが認められません。陸運局(運輸局)で構造変更申請を行い、正式に定員を2名に変更する必要があります。これが条件です。
また、高速道路での二人乗りには、排気量125cc超のバイクであることも必要です。つまり、一般道では乗れても高速道路では乗れないケース、というのも起こり得ます。出発前に車検証を一度確認する習慣をつけておきましょう。
| 確認項目 | 条件 |
|---|---|
| 排気量(一般道) | 51cc以上 |
| 排気量(高速道路) | 126cc以上 |
| 乗車定員 | 車検証に「2名」の記載 |
| タンデムシート | 乗車に適したシートがあること |
| タンデムステップ | パッセンジャーの足置き場があること |
| グラブバー | 掴まるためのバーがあること |
なお、ホンダ「モンキー125」のように、人気の125ccモデルでも1人乗り専用として設定されているものがあります。「125ccだから大丈夫」という思い込みは危険です。購入前・タンデム前には必ず車検証で定員を確認しましょう。
「免許を取ったばかりだけど、もう二人乗りできるんじゃないか?」と思っているライダーも多いかもしれません。結論から言うと、それは違います。
道路交通法第七十一条の四の5には、普通二輪・大型二輪免許の交付日から1年以上経過していることが、一般道での二人乗りの条件として明記されています。この「1年」は初心運転者期間とは別の概念ですが、実質的に免許を取りたての1年間はタンデム走行ができないということです。
高速道路での二人乗りはさらに厳しく、運転者が20歳以上で、かつ免許取得後3年以上経過していることが必要です。若いうちに免許を取った方は、「20歳を過ぎても免許歴3年に達していない」というケースも十分あり得ます。意外ですね。
違反した場合のペナルティは想像以上に重くなります。
反則金12,000円と罰金10万円は同時に科せられる可能性があります。これは痛いですね。さらに、初心運転者期間中(免許取得後1年間)に合計3点以上の違反点数が加算されると、初心運転者講習の受講が義務付けられます。それを無視すると、免許取り消しに発展するケースもあります。
首都高速については、都心環状線(C1)をはじめとした複数区間でバイクの二人乗りが通行禁止となっています。この禁止区間の標識は走行中に気づきにくいため、事前にルートを確認しておくことが必要です。
参考:二人乗りの法的条件と罰則を詳しく解説している警視庁関連ページ
警視庁:反則行為の種別及び反則金一覧表
多くのライダーが「普段通りのセッティングでOK」と考えてそのままタンデムに出発してしまいますが、これが意外な落とし穴になります。バイクに2人乗ると、当然ながら車体にかかる荷重が大幅に増加します。その影響が最も大きく出るのが「タイヤの空気圧」と「リアサスペンション」です。
タイヤの空気圧については、タンデム時とソロ時で推奨値が異なるバイクがほとんどです。この推奨空気圧は、多くの場合、バイクのチェーンカバーや車体のどこかに貼られているステッカーに記載されています。たとえばホンダCBシリーズでは、フロント:ソロ時200kPa、リア:タンデム時225kPaのように設定されているケースがあります。空気圧が不足した状態でタンデム走行をすると、タイヤがたわみすぎてハンドリングが不安定になり、制動距離も長くなります。タンデム前には必ず空気圧を確認しましょう。
リアサスペンションのプリロード調整も、タンデム時に取り組んでおきたい整備のひとつです。2人分の体重がリアにかかることで、サスペンションが沈み込みすぎてしまうことがあります。この状態が続くと、路面の凹凸でリアタイヤがフェンダーに当たったり、コーナーでオーバーステア気味になって車体が外側に膨らむような感覚が生じます。
プリロードを「強める(右に回す)」ことでリアの車高が上がり、タンデム時の沈み込みを補正できます。工具はほとんどの場合、バイクの車載工具で対応可能です。ただし、1人で乗るときには必ずプリロードを元の設定に戻してください。戻し忘れると、足つきが悪くなったり乗り心地が極端に硬くなったりします。これが基本です。
参考:サスペンションのプリロード調整について詳しく解説されています
クシタニ:ライテクをマナボウ #34 サスペンションの調整はプリロードから
タンデムツーリングでよくある誤解が、「後ろに乗るだけだから軽装でいい」というものです。しかし、バイクの転倒や事故時に最もダメージを受けやすいのは、体を支えることができないパッセンジャー側です。ライダーと同等の装備を用意することが、タンデムにおける最低限の責任です。
ヘルメットは道路交通法で同乗者にも着用が義務付けられており、これを怠ると違反になります。注意したいのは、ヘルメットの規格です。「125cc以下専用」と記載されたヘルメットを大型バイクのタンデムで使用することは、安全性の観点から問題があります。JIS規格(JIS T8133)またはSGマークのある、バイクの排気量・速度域に対応したヘルメットを選ぶことが条件です。
フルフェイスタイプは顔面保護の面でも最も安全性が高く、タンデム用として積極的に推奨されます。パッセンジャー専用のヘルメットを1つ用意しておくと、タンデムに誘いやすくなりますし、衛生面でも安心です。
グローブとプロテクターについては、バイク用ライディングジャケットにはあらかじめ肩・肘・背中にプロテクターが内蔵されているモデルが多くあります。普段着に近いデザインのものも増えているため、「バイクウェアっぽくて着たくない」という同乗者の抵抗感を減らしやすくなっています。くるぶしが隠れるシューズも必須です。
インカムは、タンデムツーリングの快適性を大きく左右するアイテムです。ヘルメットを着用した状態でのライダーとパッセンジャーの会話は、想像以上に聞き取りにくくなります。走行中に「休憩したい」「寒い」「気分が悪い」といったサインをすぐに伝えられるかどうかが、タンデムの安全性に直結します。
Bluetooth接続のインカムは、B+COM・SENA・Cardo(Packtalk)などの主要ブランドが人気です。2人の同時通話ができるモデルを選べば、通信距離1km以上の製品でも1万円台から入手できます。これは使えそうです。
参考:インカムの選び方と各ブランドの詳細比較
ナップス:おすすめバイク用インカム 徹底比較
装備と法律の準備が整ったら、次は走り方の準備です。タンデムで最も重要なのは、ライダーとパッセンジャーの「息の合わせ方」です。ソロ走行と同じ感覚で走ると、思わぬトラブルを招くことがあります。
乗り降りの手順は、必ず「乗るときはライダーから、降りるときはパッセンジャーから」が原則です。これはバイクのバランスを崩さないためのルールであり、転倒リスクが最も高いのが乗り降りの瞬間というデータもあります。発進前には「発進します」と声掛けし、停止前には「止まります」と合図を出すことが大切です。
パッセンジャーへの事前説明も準備のうちです。バイクが初めてという同乗者には、以下の点を乗車前に説明しておきましょう。
特に「コーナーで逆に体を起こしてしまう」という行動は、バイクのハンドリングを乱す原因になります。これは、バイク初体験の人が本能的にやりがちな動作です。出発前に必ず「傾いたらライダーと一緒に傾いてください」と伝えておくことが重要です。
休憩の頻度については、タンデムではソロよりも早めに設定することが推奨されています。パッセンジャーはずっと受け身の姿勢で緊張し続けており、運転しているライダー以上に疲労が蓄積しやすいです。目安は1時間に1回、10〜15分程度の休憩です。
高速道路走行時は、インカムがないとパッセンジャーの「疲れた」「眠い」「寒い」などのサインが伝わりません。SAをひとつ飛ばしただけで、パッセンジャーがぎりぎりの状態になっていた、というケースは実際によく報告されています。インカムは必須です。
制動距離の変化も忘れてはなりません。2人分の重量が加わることで、ブレーキをかけてから止まるまでの距離がソロ時より明らかに延びます。前方の車間距離を普段より1.5倍以上取り、ブレーキングは早め・優しめを意識することが原則です。急ブレーキはパッセンジャーの身体に大きな前方荷重をかけ、最悪の場合バランスを崩す原因になります。
参考:タンデムの実践的な走り方のポイントが詳しくまとめられています
JMPSA(日本二輪車普及安全協会):タンデムならここをチェック
タンデムツーリングの準備において、多くの記事が「装備」や「法律」には触れていても、あまり掘り下げられていないのが「ルート選定の考え方の違い」です。ソロツーリングと全く同じルートを選んでしまうと、パッセンジャーが疲弊して次のタンデムを拒否してしまうことがあります。つまり、ルート選定がタンデムの「継続率」に影響するのです。
ソロと異なり、タンデムツーリングのルート選定では次の3点を優先する必要があります。
ワインディングロードへの過度な依存を避けるのが第一です。ライダーが「気持ちいい」と感じるコーナーの連続は、パッセンジャーにとって「揺れ続ける恐怖の連続」になりやすいです。快走路には違いありませんが、初回タンデムや慣れていないパッセンジャーを乗せる場合は、アップダウンや急カーブが少ない幹線道路や海沿い・湖畔ルートを中心に組み立てると安心です。
休憩スポットを30〜60km間隔で設けることも重要です。ソロであれば「次のSAまで100kmは走れる」という感覚でも、タンデムではそのまま当てはめてはいけません。コンビニ、道の駅、展望スポットなど、無理なく立ち寄れる場所を事前にルート上に組み込んでおくと、パッセンジャーの疲れが溜まる前に対処できます。
走行距離の総量を抑えるのも賢明な判断です。ソロで1日300km走れるライダーでも、タンデムでは1日150〜200km程度を上限として計画するほうがトラブルが少ないとされています。タンデムで「もっと行けた」と感じる距離感が、ちょうど良いペースです。
また、あまり知られていないポイントとして「駐車スペースの広さ」があります。タンデムは乗り降りに時間がかかるうえ、バランスを保つために平坦・広めの地面が必要です。狭い路肩や傾斜のある駐車場では転倒リスクが跳ね上がります。立ち寄り先を選ぶ際は、駐車スペースの広さや路面の状態も事前に確認しておくと安心です。
ルート選定をグーグルマップで組み立てた後に、「いつもの自分ならどう感じるか」ではなく「初めてタンデムするパッセンジャーならどう感じるか」という目線で一度見直すことを習慣にしましょう。この視点が、楽しいタンデムツーリングを繰り返せる秘訣です。

steman-net タンデムベルト バイク用 子供用 タンデムベルト リュック タイプ 安全 走行 親子 家族 ツーリング セーフティーベルト バイク オートバイ 子供 二人乗り (ブラック)