

純正シートのままでロングツーリングに出かけると、あなたのお尻は2時間以内に悲鳴を上げます。
CB1100EXファイナルエディションの純正シートは、単なる「座る部品」ではありません。このシートそのものが、バイクのキャラクターを語るデザイン要素として機能しています。
シート高は780mmに設定されています。数字だけではイメージしにくいかもしれませんが、一般的な玄関の上がりかまちの高さが約150〜200mm程度であることを考えると、かなりの高さです。同じホンダのCB1100RSのシート高が785mmであるのに対し、EXは5mm低い設定となっており、クラシカルモデルとして乗りやすさへの配慮が感じられます。
シートのデザインはCB750FOUR(ナナハン)を彷彿とさせる、タックロール風のクラシカルスタイルです。座面は前後に段差をつけた「段付きシート」に近い形状で、ライダーが自然と前方に安定して座れる構造になっています。旧車テイストを現代の技術で再現したという意味で、ただのレトロコピーではなく、乗り心地を考えた設計が施されています。
ファイナルエディションは2021年11月25日に発売。販売台数はEXとRS合わせてシリーズ全体で1,600台の期間限定・台数限定販売でした。予約開始からわずか17日で販売計画を達成してしまいます。絶版車になったことで、シートを含む各部品の希少性は年々高まっています。
純正シートの素材は、ウレタンフォームに人工皮革を組み合わせた標準的な構造です。ただし、クッション材の硬度については「ある程度の距離は快適だが、100km超えると辛くなってくる」という声も多いのが実情です。これが後述するシートカスタムの需要につながっています。
なお、CB1100EXファイナルエディションの主要スペックはこのとおりです。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| シート高 | 780mm |
| 車両重量 | 255kg |
| エンジン | 空冷4スト直列4気筒DOHC |
| 総排気量 | 1,140cc |
| 最高出力 | 90PS / 7,500rpm |
| タンク容量 | 16L |
| 税込価格(発売時) | 1,362,900円 |
255kgという車体重量も、シート選びの際に影響してきます。重い車体を足でしっかり支えるためには、足つき性の確保が安全面でも重要です。これが基本です。
CB1100EXファイナルエディションのホンダ公式情報はこちらで確認できます。
WEB Mr.Bike:CB1100 EX/RS ファイナルエディション 車両解説(主要諸元掲載)
「シート高780mmなら自分でも乗れる」と思って購入したら、停車のたびに緊張するハメになった——そんな経験をするライダーが少なくありません。
シート高780mmという数値は、標準的な体格(身長176cm前後)のライダーには問題ない高さです。実際、ホンダGoバイクレンタルのインプレッションでも身長176cmのライダーが自然にハンドルへ手が届くと紹介されています。しかしCB1100EXには255kgという重量があるため、足がベタ付きしないと取り回しに不安を感じるライダーが多いのが現実です。
身長170cmのライダーだと、爪先立ちになる場面が多く報告されています。特に信号待ちで坂道や傾いた路面に停車した場合、重量級の車体を片足で支えることになります。バランスを崩すと転倒の可能性があり、バイクが倒れた場合の修理費は軽く10万円を超えることも珍しくありません。痛いですね。
身長別の目安として以下を参考にしてください。
| 身長 | 足つきの状況 |
|---|---|
| 180cm以上 | 余裕あり、両足ほぼ着地可能 |
| 170〜175cm | 片足ベタ、片足爪先のケースが多い |
| 165〜170cm | 両足爪先立ち、停車に注意が必要 |
| 165cm以下 | ローシート化または他の対策が必須 |
シートの形状によっても足つきは変わります。CB1100EXの純正シートは前端が比較的細く絞られた形状になっているため、数値のシート高より実際の足つきは良く感じるライダーも多いです。つまり780mmという数字だけで判断するのは早計です。
実際のライポジチェックとして、購入前にホンダドリーム等のディーラーで実車にまたがって確認することが最善です。試乗や展示車への着座を断らないショップがほとんどなので、気軽に確認を求めて問題ありません。
足つき問題の根本的な解決策は3つあります。①シートのローダウン加工(あんこ抜き)、②社外ローシートへの交換、③サスペンションのプリロード調整によるローダウンです。サスペンション側での対応はハンドリングに影響するため、まずシート側から対処するのが一般的な手順です。
HondaGO BIKE LAB:CB1100 EX 足つきや燃費などの実測インプレッション
シートを新品に交換するよりも、あんこ抜きのほうが安上がりと思っているライダーは多いです。それは正しい場合もありますが、一概には言えません。
あんこ抜きとは、シートのウレタンフォーム(あんこ)を削り取ることでシート高を下げるカスタム加工のことです。費用の相場は10,000円〜25,000円程度で、業者に送って加工してもらうのが一般的です。CB1100EX専門の加工業者では15,300円〜という価格設定も見られます。
ただし、あんこ抜きにはデメリットがあります。ウレタンの量が減るため、クッション性が低下するリスクがあります。もともと硬いと感じていた純正シートをさらに薄くすることで、長距離ツーリングでお尻が痛くなる問題が悪化する可能性があります。あんこ抜きだけでは快適性を犠牲にする場合があることを覚えておきましょう。
この問題を解決するのが「低反発素材入りローシート」です。K's-STYLEのCB1100EX用低反発ローシートは、約20mmのあんこ抜きを行いながら、座面に低反発ウレタンを内蔵することでクッション性を維持する設計です。
| 製品 | 効果 | 価格(税込) |
|---|---|---|
| あんこ抜きのみ(業者加工) | シート高▲15〜20mm程度 | 15,000〜25,000円 |
| K's-STYLE 低反発ローシート | シート高▲20mm+低反発クッション | 80,410円 |
| K&H LOWダブルシート | 純正比▲20mm(765mm) | 要問い合わせ |
K's-STYLEの商品は「受注生産」のため、2週間〜2ヶ月の納期がかかる点に注意が必要です。ツーリングシーズン前に余裕を持って注文することが大切です。
K&HのLOWダブルシートは、CB1100EXファイナルエディション適合のロータイプで、純正シート高785mm(K&H資料での数値)から20mm低い765mmになります。LOW・MID・HIの3種類からシート高を選べるのが魅力で、自分の体格に合わせたカスタマイズが可能です。結論は、費用より目的で選ぶということです。
あんこ抜き業者の口コミでは、CB1100EXの前期型シートは「元から足つきを考慮した形状のため、あんこ抜きの改善度が少ない」という指摘もあります。EXファイナルエディション(2021年型)では形状が異なるため、まずシート裏のウレタン量を確認してから加工業者に相談することをおすすめします。
K&H:CB1100EX ローシート使用者のリアルな声と足つき改善効果
シートのカスタムは「なんとなくカッコよくしたい」という理由で選ぶと、後悔することがあります。目的を明確にして選ぶことが大切です。
シートカスタムの目的は大きく3つに分けられます。①足つき改善(安全・安心)、②長距離快適性の向上(疲れにくさ)、③見た目のカスタム(旧車風・個性演出)です。それぞれに適した製品が異なります。
足つき改善を最優先にしたい場合
K&HのLOWダブルシートや、K's-STYLEの低反発ローシートが有力な候補です。K&Hのシートはタックロールタイプとプレーンタイプの2種類があり、クラシカルな外観を維持しながら足つきを改善できます。シート高を下げると同時に、サイド(内股に当たる部分)を細く絞る加工を施した製品もあり、数値以上に足つきが改善されると評判です。
長距離ツーリングの快適性を上げたい場合
純正シートのクッション性に不満があるなら、あんこ抜きだけではなく低反発ウレタンの追加が効果的です。体重に合わせてシートが沈み込み、お尻の形にフィットする感覚が得られます。タンデムでの長距離走行が多い場合、タンデム部にも低反発素材が入っている製品を選ぶと、同乗者の快適性も上がります。
旧車風の見た目を楽しみたい場合
DAYTONAのCOZYシート「70'Sタイプ」シリーズが有名です。CB1100に取り付け可能で、K0カラー(ホンダCB750FOURの初期カラー)風のデザインや、タックロールパターンのデザインが選べます。ボブズシートのようなオーダーメイド専門店では、革の色・縫い目パターン・段つき形状まで完全カスタムオーダーができ、世界に1つだけのシートに仕上げることが可能です。ただし費用は77,000円〜99,000円(龍神JAPAN資料)の価格帯となります。
社外シートを取り付ける際の注意点として、取り付けボルトやカラー、ラバーは純正のものを流用する場合があります。くっついて外しにくい場合はCRC等の潤滑剤を活用して、部品を傷めないよう慎重に作業することが原則です。
各社のCB1100対応シート一覧を参考にしたい方は、以下のページが詳しくまとめられています。
CB1100 取り付け可能シート一覧【カスタム】:DAYTONA、K&H、ボブズシートなど主要ブランドを比較
2021年に生産終了となったCB1100EXファイナルエディションは、すでに「絶版車」です。シート交換を検討する際には、絶版車特有のリスクを知っておくことで余計な出費を防げます。
まず純正シートの入手性について。ホンダの純正部品は生産終了から一定期間(概ね10年程度)は部品供給が続きますが、在庫が切れれば入手できなくなります。純正シートを外してカスタムシートに交換する場合、元の純正シートは保管しておくことを強くおすすめします。将来的に純正に戻したくなった場合や、売却時の査定に影響する場合があるためです。
K's-STYLEの低反発ローシートの商品説明には「適合ベースシート:CB1100EX FINAL('21)」と明記されています。つまり2021年型ファイナルエディション専用の設計です。年式違いのCB1100EXと外観は似ていても、シートの取り付け構造や寸法が異なる場合があるため、年式の確認は必須です。
社外シートへの交換は、原則として「保安基準に適合していること」が条件となります。公道を走るバイクのシートは車検の検査対象ではありませんが、タンデムシートを完全に取り除くシングルシート化などを行う場合は2人乗り不可となる点を理解した上で選びましょう。
シートの受注生産品は、在庫状況やメーカーの製造ライン状況によって「2週間〜2ヶ月」と幅の広い納期がかかります。これは注意が必要です。ゴールデンウィークや夏のロングツーリングシーズンに間に合わせたいなら、遅くとも2〜3ヶ月前には注文を済ませておくのが賢明です。
また、シートのカバー素材(表皮)の劣化も絶版車オーナーには気になる点です。純正シートの表皮が破れたり硬化したりした場合、張り替えだけで対応できる業者もあります。ボブズシートやボイス等のバイクシート専門店では張り替えサービスも行っており、純正風デザインを維持しながらコンディションを回復することが可能です。費用は2万円前後が目安です。
絶版となってから中古市場での価格は上昇が続いており、2026年2月時点でCB1100EXの業者間取引の平均買取相場は82.2〜120万円(Bike-Passion調べ)となっています。良好なコンディションを維持することは、資産価値の保全にも直結します。シートを含む外装のケアは、趣味としても財布の面でも重要です。
K's-STYLE:CB1100EX ファイナルエディション対応・低反発ローシート商品詳細(価格・納期・仕様)

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