

後付けLEDフォグランプが「白色」でも、車検で一発アウトになることがあります。
バイクにLEDフォグランプを後付けしたいと考えるライダーは多くいます。しかし、取り付ける前に「道路運送車両法」の保安基準を正確に把握しておかないと、気づかないうちに違法改造になってしまうことがあります。
日本の道路運送車両法 第41条および第62条では、自動車・自動二輪車に取り付けられる灯火類について細かく規定しています。フォグランプ(前部霧灯)に関しては、以下の点が特に重要です。
| 項目 | 保安基準の規定 |
|---|---|
| 灯色 | 白色または淡黄色(アンバー)のみ |
| 個数 | 2個以下(左右1個ずつ) |
| 取り付け高さ | 地上250mm以上1,200mm以下 |
| 照射方向 | 前方を照らすこと(上方への照射を制限) |
| 点灯条件 | 前照灯点灯時のみ使用可(車種による) |
つまり、規定の色・高さ・個数を守ることが条件です。
多くのライダーが「白色LEDなら問題ない」と思い込んでいますが、白色でも光軸が上向きになっていたり、取り付け高さが規定外だったりすると保安基準違反になります。また、バイクのフレーム構造上、地上250mm以下の位置にしか取り付けられないケースもあり、その場合はフォグランプ自体を装着できないことになります。
意外なことに、LEDの「色温度」も問題になることがあります。6,000K(ケルビン)を超える青白いLEDは、白色と認識されず検査官の判断によって不合格となるケースが報告されています。見た目は白でも、青みが強すぎると「白色以外」と判定されることがある、と覚えておけばOKです。
「違法と言っても、そんなに厳しくないんじゃ?」と思っているライダーもいます。しかし実際のペナルティは、軽く見ていると痛いですね。
保安基準に違反した状態で公道を走ると、道路交通法第62条の「整備不良車両の運転禁止」に抵触します。この場合の罰則は以下の通りです。
| 違反の種類 | 罰則 |
|---|---|
| 整備不良(灯火類) | 反則金6,000円(二輪車)、違反点数1点 |
| 構造等変更検査未了 | 6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金 |
| 車検非対応の改造 | 車検拒否・継続検査不合格 |
反則金6,000円は一見小額に思えますが、違反点数1点の累積が問題です。過去3年間の違反点数と合算されるため、他の違反歴があれば免停に近づく可能性もあります。
さらに深刻なのが車検への影響です。バイクの継続検査(車検)時に保安基準違反のLEDフォグランプが発覚すると、その場で検査不合格となります。検査費用(検査手数料1,700円〜)は戻ってきません。また、ディーラーや整備工場に持ち込んだ際に「このフォグランプは保安基準外です」と指摘され、取り外し工賃(5,000〜15,000円程度)が別途かかるケースもあります。
結論は、最初から基準に適合した製品を選ぶことが最も安上がりです。
事故が発生した場合のリスクも見逃せません。保安基準違反の状態での事故は、任意保険の支払いが減額・拒否される可能性があります。保険会社が「車両の整備不良」を過失の一因として認定するケースがあり、実際の補償額に影響が出ることがあります。これは法的なペナルティとは別に、金銭的に大きなダメージになり得ます。
合法的に取り付けるためには、いくつかの具体的な基準をクリアする必要があります。難しく聞こえますが、ポイントを押さえれば問題ありません。
① 灯色は「白色」または「淡黄色(アンバー)」のみ
LEDフォグランプの色は白色か淡黄色のみが認められています。青色・赤色・緑色は完全にアウトです。また、前述のとおり色温度が高すぎる青白いLEDも判定でリスクが生じます。一般的に4,000K〜5,000K程度の白色LEDが安全圏とされています。これが基本です。
② 取り付け高さ:地上250mm〜1,200mm
バイクのフロントフォーク下部やエンジン周辺に取り付ける場合、地面からの高さが250mm以上あるかを必ず確認します。250mmはだいたいA4用紙の縦の長さと同じくらいの高さです。これより低い位置への取り付けは保安基準違反になります。
③ 個数は左右1個ずつ、合計2個まで
フォグランプは最大2個(左右対称)までです。3個以上の取り付けは違反になります。装飾目的で複数個のLEDバーを付けたいケースがありますが、フォグランプとして機能させる場合は2個が上限です。
④ 光軸(照射方向)の調整
上向きに光が漏れると対向車への眩惑(まぶしさ)になり、保安基準違反です。フォグランプは前方の低い位置を照らすのが本来の目的であるため、光軸は水平より下向きになるよう調整が必要です。取り付け後は必ず光軸確認を行いましょう。
⑤ 「車検対応品」または「保安基準適合品」の表記を確認する
市販のLEDフォグランプには「車検対応」「保安基準適合」と記載されているものがあります。ただし、この表記はメーカーが「基準を満たしていると主張している」にすぎず、取り付け位置や光軸がずれれば当然NG判定になります。製品の選択後、取り付け作業も適切に行うことが条件です。
これらの条件を全て満たすなら問題ありません。不安な場合はバイク専門の整備工場やバイク用品店(ナップス、2りんかん、ライコランドなど)で取り付け・光軸調整を依頼するのが確実です。工賃は店舗により異なりますが、取り付け+調整で8,000〜20,000円程度が目安です。
日本自動車整備振興会連合会(JASPA)|認証工場の検索もこちらから
青色や紫色のLEDフォグランプを取り付けているバイクを見かけることがあります。「見た目がかっこいい」という理由で選ばれることも多いですが、これは完全に違法です。
理由は明確で、青色灯は緊急自動車(パトカー・救急車・消防車など)専用の灯火色として道路交通法で定められているためです。一般車両が青色灯を前方に向けて点灯させることは、緊急車両への誤認を招き、交通秩序を乱す危険があります。
厳しいところですね。
具体的には、道路交通法第52条および第54条において、緊急自動車以外の車両が青色の前照灯・前部灯を使用することは禁止されています。この場合の罰則は整備不良にとどまらず、「公道での使用禁止命令」が出るケースもあり得ます。
また、後付けで青色LEDフォグランプを取り付けた状態で車検を受けた場合、当然ながら即不合格です。さらに車検場のスタッフや検査官から整備不良として通報されるケースも実際に存在します。
紫色(バイオレット)についても同様に問題があります。白色の基準から外れているため、保安基準違反として扱われます。
「夜間の見た目をカスタムしたい」という気持ちは理解できます。ただし、公道では灯火色に関するルールは非常に厳格です。カスタムの方向性としては、ヘッドライトのポジションランプ(スモール)をアンバーや白にする方法や、テール周りをLED化するなど、保安基準の範囲内でのカスタムに絞ることを強くお勧めします。
「保安基準適合品」と書かれた製品を選べば絶対に安心、と思っているライダーは多いです。しかし実は、この表記だけでは完全に安心できません。意外ですね。
まず理解しておくべきポイントは、「保安基準適合品」という表記に法的な認証制度が存在しないという点です。自動車のヘッドライトにはJIS規格やECE規格による認証がありますが、後付けフォグランプに関してはメーカーの自己申告ベースが多く、第三者機関による厳格な審査を受けていない製品も流通しています。
落とし穴は主に以下の3点です。
信頼性の高い製品を選ぶ目安としては、「PIAA」「IPF」「NAPOLEX」などの国内ブランド品や、「ECE R19認証取得品」と記載された製品を選ぶことが一つの判断基準になります。ECE R19はヨーロッパの灯火類認証規格で、日本の保安基準と整合性が高く、品質の担保になります。
購入前に確認する行動は一つ、製品の詳細スペックと認証表記を確認する、それだけで十分です。
バイク用品専門店では、取り付けるバイクの車種・年式を伝えれば、適合品と取り付け時の注意点を相談できます。2りんかんやナップスなどの大手バイク用品チェーンでは、持ち込み相談にも対応しているので、不安な場合は購入前に店舗へ確認しに行くのが最も確実な方法です。
PIAA(ピア)|バイク用ランプ製品ページ(保安基準適合品の具体例として)

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