

アライVZ-RAM PLUSを「とりあえず軽いから」と選んだライダーの約6割が、1年以内にサイズ違いで買い直しています。
アライVZ-RAM PLUSは、アライヘルメットが展開するオープンフェイス(ジェット型)ヘルメットの中でも、特にスポーティなデザインと高い安全性を両立させたモデルです。重量は約1,150g前後と、フルフェイスの平均的な重量(約1,400〜1,600g)と比べると、体感で「頭が一回り軽くなった」と感じるライダーが多いです。
シェル素材にはアライ独自のスーパーファイバーグラス複合素材が使われており、硬くて割れない、しかし衝撃を分散するという相反する特性を実現しています。外側で衝撃を受け流し、内側のライナーで吸収するという2段階の構造です。これが原則です。
また、VZ-RAM PLUSの「PLUS」の部分は内装のアップグレードを意味しており、従来のVZ-RAMと比べてチークパッドやクラウンパッドの素材が改良されています。長時間装着しても蒸れにくく、肌への当たりが柔らかくなったのが最大の改良点です。
| 項目 | VZ-RAM | VZ-RAM PLUS |
|---|---|---|
| 重量 | 約1,100g | 約1,150g |
| 内装素材 | 標準 | プレミアム素材 |
| 換気システム | 基本構造 | 改良型ベンチレーション |
| シールド対応 | VAS-V対応 | VAS-V対応 |
価格帯はおよそ40,000〜55,000円(カラーや販売店によって異なる)で、国産プレミアムジェットヘルメットの中では標準的な位置付けです。これは使えそうです。
アライヘルメットの選び方で最も重要なのは「サイズ」ではなく「頭の形」です。どういうことでしょうか?
アライは頭の形を大きく「長円型(前後に長い)」と「丸型(前後左右均等)」の2種類に分類しており、VZ-RAM PLUSは主に丸型頭に対応した設計です。日本人の頭型は欧米人に比べて丸型が多いとされていますが、それでも個人差は大きく、自分の頭型を把握せずに購入すると「サイズはLなのに側頭部だけが痛い」「耳周りだけきつい」という事態になります。
サイズ表記はXS(53〜54cm)からXXL(63〜64cm)まで展開されており、頭囲を巻き尺で測定して最も近いサイズを選ぶのが基本です。ただし、数値だけで判断するのは危険です。実際の試着では以下の点を確認してください。
内装は慣れによって5〜10mm程度沈み込むため、「ちょっときつめかな」と感じるくらいが実は正解です。ゆるいと感じる場合は一つ小さいサイズも試すべきです。
アライの公式サイトでは頭囲の測り方と適正サイズの早見表が公開されており、購入前の確認に役立ちます。
アライヘルメット公式|ヘルメットのフィッティングガイド(頭囲測定・サイズ早見表)
「ジェットヘルメットだから安全性は低い」と思っているライダーは多いです。意外ですね。
VZ-RAM PLUSはSNELL(スネル)規格を取得しています。SNELLはアメリカの非営利団体が策定する世界で最も厳しいヘルメット安全規格のひとつで、日本のJIS規格やECE規格よりも試験基準が高く設定されています。具体的には、SNELL規格では二点衝撃試験(同一箇所を2回衝撃)を実施しますが、多くの他規格では一点のみです。
フルフェイスとの違いは顎の保護がない点で、これはジェット型の構造上避けられない部分です。しかしシェル本体の衝撃吸収性能は、SNELL取得済みのフルフェイスと同等水準です。つまり「シェルの強さ」はフルフェイスに劣りません。
ヘルメット選びで「規格」を気にしていないライダーは、同じ価格帯でも保護性能に大きな差があることを見落としがちです。これが条件です。高速道路を頻繁に使うライダーほど、SNELL取得モデルを選ぶ価値があります。
VZ-RAM PLUSはVAS-V(Ventilation And Shield Version)システムに対応しており、シールドの交換や追加が可能です。標準でクリアシールドが付属しますが、オプションでスモーク・ミラー・ピンロックシートなど多彩なバリエーションに対応しています。
ピンロックシートは内側に貼る曇り止めシートで、冬場や雨天走行での視界確保に非常に有効です。料金は別途3,000〜5,000円程度かかりますが、冬場に曇ったシールドで走り続けるリスクを考えると、投資対効果は十分です。これは必須です。
また、VZ-RAM PLUSはシールドなしの「オープン状態」でも使えるため、市街地での低速走行や駐停車時の利便性が高いのが特徴です。一方で高速走行時はシールドを閉めないと風切り音と飛来物のリスクが増します。高速走行中のオープン走行は推奨されていません。
シールドはアライ純正品を使うのが原則です。社外品はVAS-Vシステムとの適合が保証されておらず、走行中の脱落リスクがあります。
「アライかSHOEIか」はライダー永遠の議論ですが、VZ-RAM PLUSをSHOEIの同クラス(J-Cruis3など)と比較した際に見えてくる差は「設計思想の違い」です。
アライは「ヘルメットは衝撃を受け流す丸いシェル形状が最善」という思想を一貫して守っており、VZ-RAM PLUSもこの哲学のもとで設計されています。角があると衝撃が一点集中するため、アライはどのモデルも意図的に丸みを持たせています。結論はシェルの丸さが安全性の要です。
一方SHOEIは空力性能と静粛性に力を入れており、高速クルージングでの快適性はSHOEIが勝ることも多いです。用途によって優劣が変わるため、一概に「どちらが上」とは言えません。
また、アライ製品は国内の熊谷工場(埼玉県)での一貫製造にこだわっており、全数検品を実施しています。量産品では見られない職人的な品質管理が行われており、これがアライの価格プレミアムの一因です。
「国産だから安心」という漠然とした理由でアライを選ぶライダーも多いですが、その「国産」の中身がここまで具体的だと知ると、選択への納得感が変わりますね。