

砂地コースで海外トップライダーと走れます。
ACUブリティッシュモトクロス選手権(MXGB)は、イギリス国内で最も権威あるモトクロスシリーズとして、ACU(Auto-Cycle Union)が公式に認定している大会です。2025年シーズンからは、数年間プロモーターが運営していた形式から、ACU自らが直接運営する体制に戻りました。
参考)British Motocross Championship…
全8ラウンドで構成される年間カレンダーは、イギリス国内の有名サーキットを転戦する形式です。各ラウンドでは予選から決勝まで、ライダーの実力を多角的に評価する仕組みが整っています。世界選手権MXGPへのステップとして認識されており、実際に多くのトップライダーがこのシリーズから世界の舞台へ羽ばたいています。
参考)MX Large
2025年シーズンには、タイトルスポンサーとしてMotulが新たに就任し、選手権の公式名称は「Motul ACU British Motocross Championship」となりました。スポンサー体制の充実は、賞金やサポート体制の向上につながり、より多くの有力ライダーを引き寄せる要因となっています。
MX1クラスは、251ccから450ccまでの排気量を持つマシンが参戦可能で、いわゆる「ビッグバイク」と呼ばれるカテゴリーです。具体的には2ストローク250ccと4ストローク450ccが同一クラスで競い合う形式で、15歳以上であれば年齢制限なく参戦できます。パワフルなマシン特性から、高い操縦技術と体力が求められます。
参考)Starting motocross? Need a mot…
MX2クラスは、175ccから250ccの排気量帯で争われ、北米では「ライツクラス」とも呼ばれています。2ストローク125ccから145cc、または4ストローク250ccが参戦可能で、15歳以上が対象です。2025年シーズンからは、21歳以下の英国タイトルも組み込まれる形式となり、若手育成の側面が強化されました。
参考)Major Competitions? - MOTORCRO…
125ccクラスも別途設定されており、13歳から17歳までのライダーを対象としたEMX(ヨーロピアンモトクロス選手権)の年齢制限に準じています。このクラスは次世代のスター候補を発掘する重要な役割を担っており、若年層からのステップアップを明確に示すシステムです。
モトクロスの起源には諸説ありますが、1914年にアルフレッド・アンガス・スコットが始めたスコットトライアルが始まりとされる説が有力です。イギリス北部ヨークシャーの荒野で開催されたこのイベントは、第一次世界大戦後にオフロード競技として発展しました。フランスで「モトクロス」という用語が生まれ、1924年3月29日にサリー州キャンバリーヒースで記録上初のモトクロス競技が開催されました。
英国選手権として正式に確立されたのは1980年代以降で、1984年には500ccクラスでワイン・ガードナーがホンダで初代チャンピオンに輝いています。その後、クラス名称や排気量規定は時代とともに変化し、2000年代にはTT-F1やスーパーバイククラスなど、様々な形式が試されました。現在のMX1・MX2という呼称は、世界選手権の規定に合わせて採用されたものです。
2020年は新型コロナウイルスの影響で選手権が中止となりましたが、2021年以降は順調に開催されています。近年ではコンラッド・ミューズやトミー・サールといった英国人ライダーが複数回のタイトルを獲得しており、国内の競技レベルは非常に高い水準を維持しています。
2025年シーズン第2ラウンドの開催地となったカナダハイツは、ロンドン近郊に位置する歴史あるサーキットです。起伏に富んだレイアウトと変化に富んだ路面が特徴で、ライダーの技術を試す難易度の高いコースとして知られています。観客席からの視認性も良好で、家族連れでも楽しめる施設環境が整っています。
第3ラウンドが予定されているブラックスホールは、イギリス東部サフォーク州の砂地コースとして有名です。砂地特有の深いわだちと変化する路面コンディションは、ライダーに高度な適応力を要求します。2024年には、ミューズが世界選手権ライダーのジェフリー・ヘリングスを破って勝利を収めた場所でもあり、国内トップライダーの実力を証明する舞台となっています。
各サーキットは独自の特性を持ち、ハードパックから砂地、泥濘まで多様な路面状況が用意されています。これらの経験を積むことで、ライダーは世界選手権でも通用する適応力と技術を身につけることができます。日本国内のコースとは異なる環境を体験できる点も、海外参戦の大きなメリットです。
外国人ライダーがMXGBに参戦するためには、まずACUライセンスまたは自国のモーターサイクル協会が発行する国際ライセンスが必要です。日本からの参戦であれば、MFJ(日本モーターサイクルスポーツ協会)が発行する国際ライセンスを取得する必要があります。MFJは2024年にイギリスで開催されたモトクロス・オブ・ネイションズに日本代表チームを派遣した実績があり、国際大会への参戦サポート体制は整っています。
参考)2024 FIMモトクロス・オブ・ネイションズ 日本代表チー…
具体的な参戦手順としては、まず選手権公式サイトから参戦申込書をダウンロードし、必要事項を記入してACUへ提出します。エントリーフィーは各ラウンドごとに設定されており、シーズン通しての参戦登録も可能です。マシンの車両規定適合証明や保険加入証明も必須書類となります。
実際に海外ライダーが英国選手権に参戦した例としては、2025年にトミー・サールがトライアンフのTF 250-XでMX2クラスを制覇した事例が挙げられます。また、日本人エンデューロライダーが英国のレースイベントに参戦した記録もあり、適切な準備を行えば日本人ライダーも十分に挑戦可能です。ビザ取得や長期滞在の手配、現地でのメカニックサポート確保など、事前準備を入念に行うことが成功のカギとなります。
一般財団法人日本モーターサイクルスポーツ協会(MFJ)公式サイト
国際ライセンス取得や海外レース参戦に関する手続き情報が掲載されています。
ACU British Motocross Championship 公式サイト
最新のレーススケジュール、エントリー方法、レギュレーションの詳細が確認できます。