

ファンスイッチをONにすれば水温が高いほど冷却効率が上がると思っていると、エンジンを壊して修理代が10万円超えになることがあります。
車の電動ファンは、エンジンの冷却水温度に連動して自動的にON/OFFが切り替わる仕組みになっています。この制御を担うのが「サーモスイッチ(ファンスイッチ)」と呼ばれる部品で、ラジエーターのロアタンク付近に取り付けられています 。
関連)https://www.goo-net.com/pit/shop/0124096/blog/448874
具体的には、水温が93〜103℃の範囲に達すると導通(スイッチON)となり、電動ファンが回り始めます。水温が91〜95℃まで下がると絶縁(スイッチOFF)に戻り、ファンが停止します 。この温度差は「ヒステリシス」と呼ばれ、ファンが頻繁にON/OFFを繰り返すのを防ぐためのものです。
関連)https://ameblo.jp/dawnblue003/entry-12603496380.html
バイク乗りが車のメンテナンスをはじめる際、「ファンが回っていない=故障」と判断しがちです。これは基本です。ただし、走行中はラジエーターに走行風が当たるため、電動ファンが停止していることは正常な状態です 。問題が顕在化するのは、信号待ちや渋滞など、車が停車している状態で水温が上昇しているにもかかわらずファンが回らないときです。
関連)https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/self-check/troubleshooting/cooling-water-fan
エアコンをONにすると電動ファンが必ず連動して動くのは、コンプレッサーの排熱をコンデンサーで冷やすためです 。つまり、電動ファンの動作チェックはエアコンをONにしてボンネットを開けて確認するのが最も手軽な方法といえます 。
関連)https://www.team-mho.com/over-heat-3/
| 状況 | ファン状態 | 理由 |
|---|---|---|
| 走行中(通常) | 停止 | 走行風で冷却が足りる |
| アイドリング・渋滞 | 水温93℃超で作動 | 走行風なしのため電動冷却が必要 |
| エアコンON時 | 常時作動 | コンプレッサー排熱を冷やすため |
| 強制スイッチON時 | 常時作動 | 手動で強制回転させている状態 |
強制作動スイッチとは、サーモスイッチの設定温度に関係なく、任意のタイミングで電動ファンを回せるようにした追加スイッチです 。純正のサーモスイッチと並列にスイッチを接続することで実現します 。
関連)https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1312321643
これは意外です。サーキットや夏場の峠走行では、純正サーモスイッチが作動する温度域ではすでに水温が危険な領域に近いケースがあります。強制作動スイッチを使えば、水温が上がる前の段階からファンを回して「予防的冷却」ができるのが最大のメリットです 。
関連)https://www.youtube.com/watch?v=TBxlyC3iV9w
渋滞にはまると、エアコンの吹き出し温度が上がり、エンジンも熱を持ちやすくなります。強制スイッチをONにするだけで電動ファンが追加で回り、車内が冷えるまでの時間を体感できるほど短縮できたという報告もあります 。これは使えそうです。
関連)https://ameblo.jp/oza-laurel/entry-12864266057.html
一方、常時ONで使い続けることには注意が必要です。電動ファンは消費電力が大きく、アイドリング時間が長いとバッテリーへの負荷が蓄積します。必要な場面だけONにする、というのが原則です。
電動ファン強制作動スイッチの自作は、リレーとトグルスイッチを組み合わせた配線が主流です 。基本的な配線の考え方はシンプルで、リレーの87番端子をファンモーター、30番端子をバッテリーのプラス、85番端子をスイッチ経由でアースに落とす構成です。
関連)http://masaki.icu/electric-fan-forced-to-turn/
ただし、ECU(エンジンコントロールユニット)から信号線を取り出してアースでON/OFF制御するタイプもあり、この場合は「スイッチを切ったらファンが止まる」のではなく、ECU側の制御が優先されることがあります 。ここはよく勘違いされるポイントです。
関連)https://ameblo.jp/kurumabaka888/entry-12478732586.html
配線ミスで起こりうる最大のリスクが「ショートによる車両火災」です。エレクトロタップの多用は接触不良や断線の原因になりやすいため、ギボシ端子を使った本締め配線が推奨されます 。作業に不安がある場合は、配線図を事前に確認するか整備士に相談する手順を踏むのが安全です。
関連)https://www.youtube.com/watch?v=vO_UQkt-U1o
自作に必要な主な部品をまとめると次の通りです。
参考:電動ファンを強制的に回す方法と注意点(具体的な配線手順あり)
【夏の猛暑に最適】電動ファンを強制的に回す方法と使用時の注意点 - masaki.icu
電動ファンが正常に作動しない原因の多くは、サーモスイッチの経年劣化や故障です 。特に走行距離8万km以上の車両や10年以上経過した車では故障リスクが高まります。
関連)https://www.goo-net.com/pit/shop/0124096/blog/448874
故障のパターンは大きく2種類です。1つ目は「サーモスイッチが作動しない(常時OFF)」で、渋滞中に水温が上がってもファンが回らずオーバーヒートに至ります。2つ目は「常時ON状態で固着してしまう」ケースで、この場合はファンが止まらなくなり、バッテリー上がりや電動ファンモーターの焼損につながります 。
関連)https://www.team-mho.com/over-heat-3/
JAF(日本自動車連盟)によれば、渋滞中やサービスエリアで停車した直後に水温計が急上昇する場合は、電動ファンの作動不良を疑うべきだとしています 。こういう状況では即エンジン停止が原則です。
関連)https://jaf.or.jp/common/safety-drive/car-learning/self-check/troubleshooting/cooling-water-fan
見分け方の手順は以下の通りです。
参考:JAFが解説するオーバーヒートの原因と冷却ファン作動不良の対処
オーバーヒートの原因:冷却水用ファンの作動不良 - JAF公式サイト
バイク乗りが車のメンテナンスに手を出す場合、ファン冷却への理解は比較的深い傾向があります。しかし、バイクの水冷エンジンで慣れた感覚のまま車の電動ファンを扱うと、想定外の落とし穴にはまることがあります。
たとえば、バイクの多くは小型の電動ファンが1基で冷却をカバーしますが、車種によってはラジエーター用とエアコンコンデンサー用の2基の電動ファンが独立して制御されているケースがあります 。1基だけ止まっていても気づきにくく、夏場のアイドリング中にジワジワと水温が上がって初めて異常に気づくパターンが多いです。
関連)https://www.youtube.com/watch?v=wSHQgvCa9QM
また、バイクではサーモスタットの設定温度が比較的低く設定されているモデルも多いです。車でローテンプサーモスイッチ(例:85℃ON・75℃OFF)に交換すると、冬場に水温が上がりきらずエンジン本来の性能が出ないリスクがあります 。むやみに低温設定のサーモスイッチへ交換するのは、バイク的な発想をそのまま応用してしまいがちな典型的ミスです。
関連)https://store.shopping.yahoo.co.jp/ac-minds-aj/acaj-caterham-125.html
冷却系チューニングを行うなら、まず純正のファンスイッチ設定温度と冷却水路の流量を把握するのが条件です。そのうえで強制作動スイッチを補助として追加するのが、最もトラブルの少ない順番です。
参考:ラジエータファンスイッチの不具合事例と点検方法(バイク整備事例あり)
ラジエータファンスイッチの不具合について - メガスピード
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