インドアトライアル世界選手権とは|観戦魅力・ルール・歴代王者

インドアトライアル世界選手権とは|観戦魅力・ルール・歴代王者

インドアトライアル世界選手権の概要と魅力

参加ライダー全員が5点もらうセクションも当たり前です。


この記事のポイント
🏟️
スタジアム内で開催される華やかな競技

人工的な障害物を使った派手な演出が特徴で、自然地形を使うアウトドアとは異なる魅力を持つ

🏆
トニー・ボウの圧倒的な記録

2007年から2025年まで19年連続チャンピオンという前人未到の偉業を達成

📍
観戦しやすい環境

ヨーロッパを中心に開催され、スタジアムならではの臨場感が魅力

インドアトライアル世界選手権とはスタジアムで行う技術競技

インドアトライアル世界選手権(現在はXトライアル世界選手権)は、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)が主催する、スタジアムやアリーナ内で開催されるバイク競技です。人工的な障害物を設置したセクションを走破し、いかに足をつかずにゴールできるかを競います。


参考)インドアトライアル世界選手権 - Wikipedia


自然地形を利用するアウトドアトライアルに対し、人工の滝やスポンサー商品を模した障害物など、派手な演出が施されたショーアップ要素が強いのが特徴です。冬から春にかけて開催され、スタジアム内の華やかな雰囲気が魅力となっています。


参考)トライアル世界選手権とは - トライアル世界選手権


2010年まではインドアトライアル世界選手権と呼ばれていましたが、現在はXトライアル世界選手権という名称に変更されています。冬季のインドア競技として確立されており、アウトドアトライアルとは別の世界選手権として開催されています。


参考)トライアル (オートバイ) - Wikipedia


インドアトライアルのセクション難易度は極めて高い

インドアトライアルのセクション数は8〜10箇所とアウトドアより少ないものの、難易度は全体的にアウトドアよりも高く設定されています。参加ライダーが誰もクリーン(減点0)できないどころか、全員が5点(最大減点)をもらうセクションも珍しくありません。


参考)インドアトライアル世界選手権とは - わかりやすく解説 We…


減点方式は、1回の足つきで1点、2回で2点、3回以上で3点となります。転倒やセクションからの飛び出し、セクションテープを切るなどの行為は5点です。Xトライアルの特別ルールとして、バックや停止が0点(アウトドアでは5点)、アンダーガードをぶつけると1点(アウトドアでは0点)という独自の採点基準があります。


参考)On Any SANDA


難易度が極端に高いため、上位ライダーでも完璧な走行は困難です。この厳しい条件が、観客にとっては緊張感あふれる見どころとなっています。


インドアトライアル観戦の魅力は間近で見られる超絶技巧

インドアトライアルの最大の魅力は、世界トップレベルの技術を間近で観戦できることです。スタジアム内での開催のため、観客席からライダーの動きがはっきり見えます。人工の滝を登る場面や、ダブルレーンと呼ばれる2人のライダーが同時に走行して速さを競うセクションなど、派手な演出が楽しめます。


ヨーロッパを中心に開催されており、第1戦はスペインのバルセロナで開催されることが多く、これはトライアルのメッカとされる場所で唯一日曜日のデイタイムに行われるビッグイベントです。過去には南米や香港でも開催されたことがあり、国際的な広がりを見せています。


参考)2024 Xトライアル


日本では主にアウトドアトライアル世界選手権が栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されており、2日間通しの前売り券が5,300円程度(2023年実績)とリーズナブルです。インドア世界選手権の日本開催は現時点では定期化していませんが、アウトドアの日本GPで世界レベルの技を体感できます。


インドアトライアルで活躍する日本人ライダーの挑戦

インドアトライアル世界選手権では、日本人ライダーも活躍の場を広げています。2005年に行われたワールドゲームズでは、インドアトライアルが公開競技として採用され、日本チームは銅メダルを獲得しました。予選では日本が18点でスペインに次ぐ2位となり、ファイナルに進出する快挙を成し遂げています。


参考)ワールドゲームズ


日本人ライダーの藤波貴久選手は、Xトライアルの舞台で表彰台に上がった実績があります。ダブルレーンでの勝利や4人が同点の際の順位決定など、ルールを熟知した戦いぶりが評価されています。


参考)X最終戦の表彰台はファハルドと藤波と


国内ではアウトドアトライアルの方が盛んですが、インドアで求められる高度な技術は世界に通用するものです。日本のライダーがヨーロッパを中心としたXトライアル世界選手権で戦う姿は、バイク乗りにとって大きな励みとなっています。


トニー・ボウが築いた前人未到の19連覇記録

スペインのトニー・ボウ選手は、インドアトライアル世界選手権において圧倒的な強さを誇っています。2007年にHRCのワークスマシン「Montesa COTA 4RT」で初の世界チャンピオンを獲得して以来、2025年まで19年連続でタイトルを獲得し続けています。


参考)ホンダのトニー・ボウ選手、史上最多19連覇達成…トライアル世…


ボウ選手はアウトドアのトライアル世界選手権でも19年連続チャンピオンを獲得しており、X-TrialとTrialGPを合わせたチャンピオン獲得回数は通算38回に達します。2022年にはアウトドア・インドア併せて通算イベント200勝を達成するなど、トライアル史上最強のライダーとして君臨しています。


参考)https://carview.yahoo.co.jp/news/detail/6a211b868b63c3c1db85af08501bda1e724128ff/


38歳となった現在も第一線で活躍し、セクションの難易度が年々上がる中でも安定した走りを見せています。


つまり絶対王者です。


この記録は今後も更新され続ける可能性があり、トライアル界のレジェンドとして語り継がれる存在となっています。


インドアトライアルの独自ルールと採点システム

Xトライアルには、アウトドアトライアルとは異なる独自のルールが設定されています。最も大きな違いは、バックや停止が0点とされる点で、アウトドアでは5点となる行為がペナルティにならない仕組みです。一方、アンダーガードをぶつけると1点の減点となり、アウトドアでは0点であるこの行為が採点対象となっています。


タイヤ以外の接地はすべて減点対象となるため、ライダーは極めて精密なバランス操作が求められます。エンジンストップ自体は減点になりませんが、マシン停止・タイヤ以外が接地・エンジンが止まっているという3つの条件がすべて揃うと5点となります。


参考)https://fujigas.net/results/170311.html


ダブルレーンでの勝敗が同点時の順位決定に影響することもあり、純粋な技術点以外の要素も戦略に組み込む必要があります。


このルールが戦いに奥深さを加えています。



インドアトライアル競技に使用するバイクの特徴

インドアトライアルで使用されるバイクは、トライアル専用に設計された軽量で機敏なマシンです。ホンダの「Montesa COTA 4RT」やスペインメーカーのベータ、ガスガスなどが主流となっています。


公道走行可能なトライアルバイクの新車は、モンテッサ、ガスガス、ベータ、シェルコ、スコルパ、オッサ、チスパなど外国車に限られます。国産トライアルバイクは1970年代から80年代にかけてホンダが「バイアルス」シリーズを展開しましたが、現在は外国メーカーが主導しています。


参考)市販された国産トライアルバイクの歴史をたどる【HONDA|オ…


250cc未満でナンバー取得するライダーが多く、競技車両でありながら保安部品を取り付けて公道を走行することも可能です。


これは知っておくと便利です。


トライアルバイクは林道ツーリングや山菜取りにも活用でき、競技以外の楽しみ方も広がっています。


参考)How to start Trial? ~公道走行できるトラ…


Hondaのトライアル世界選手権公式サイトでは、競技の基本ルールや歴史について詳しく解説されています

インドアトライアル世界選手権の開催地と観戦情報

Xトライアル世界選手権は、ヨーロッパを中心に複数の国で開催されます。第1戦はスペインのバルセロナで2月上旬に開催されることが多く、トライアルのメッカとして最大規模のイベントとなっています。その後、フランス、イタリア、オーストリアなど各国を転戦する形式です。


日本ではインドア世界選手権の定期開催はありませんが、アウトドアのトライアル世界選手権が毎年5月下旬に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催されています。2023年には4年ぶりに日本グランプリが開催され、2日間通しの前売り券が5,300円、駐車券が2,000円と合計7,300円で世界トップレベルの技を観戦できました。


観戦チケットは比較的リーズナブルで、スタジアム内のため天候に左右されず快適に観戦できるのがインドアトライアルの魅力です。見放題形式のため、1日中会場にいても追加料金は発生しません。


インドアトライアル初心者が知っておくべき練習の基本

トライアルを始めるには、まずオフロードでのバイク操作に慣れることが大切です。アクセルクラッチの繊細な操作が求められ、すするように後輪を回転させながら前進する技術を習得します。スピードが遅いからこそ、すべての操作をていねいに行う必要があります。


参考)はじめまして、トライアル。いちばん最初の練習方法 | MFJ…


フロントアップ(前輪を持ち上げる技術)が、本格的なトライアルライディングの入口です。両足を地面につけた状態でアクセルをちょいと開け、クラッチをポンとつなぎ、前輪をちょこんと上げる練習から始めます。30cmほど前輪が浮くようになったら、リヤブレーキで前輪を落とす練習をすることで、安心感が生まれます。


栃木県の那須モータースポーツランドなど、トライアル練習ができる施設が全国にあります。下半身でバランスを取る技術や、ステップを踏み込んでターンする練習を重ねることで、徐々に障害物を乗り越えられるようになります。


これが上達の鍵です。



参考)【初体験ルポ】トライアル初心者がフロントアップできるか?【前…


インドアトライアルの歴史と競技の発展

インドアトライアル世界選手権は2001年から開始され、ドギー・ランプキン選手(イギリス)が初代チャンピオンとなりました。2002年にはアルベルト・カベスタニー選手(スペイン)がタイトルを獲得しましたが、2007年以降はトニー・ボウ選手がタイトルを独占しています。


2005年に行われたワールドゲームズでは、公開競技としてインドアトライアルが採用され、スペインが金メダル、日本が銅メダルを獲得しました。FIM(国際モーターサイクリスト連盟)はIOC(国際オリンピック委員会)の認可団体であることから、今後のさらなる発展が期待されています。


2010年に名称がXトライアル世界選手権に変更され、より派手な演出とエンターテインメント性が強化されました。人工の滝やスポンサー商品を模した障害物など、観客を楽しませる要素が増えています。


無料ではありません。


観戦の際はチケットの事前購入がおすすめです。