

ハイグリップタイヤは冬でも滑らない、と思っていませんか?
タイヤのゴムは一般的に低温では硬くなりグリップが低下し、高温では柔らかくなり摩耗が早まる性質を持っています。
これがタイヤの「温度依存性」です。
ゴムがグリップ力を発揮するのは、ゴムが粘弾性体であり分子間運動が起こるからです。温度が低いと分子間運動も活発にならず、十分なグリップ力を発揮できません。
つまり適正温度が基本です。
冬場は路面温度が0℃近くになることもあり、ゴムが硬化してグリップが大幅に低下します。とくに朝晩の冷え込みでできる霜・結露・薄氷がタイヤのグリップ力を奪う大きな要因です。
この温度依存性を理解せずに走ると、予想外の場所やタイミングでタイヤが滑る危険があります。
参考)タイヤはグリップしない前提で! 冬にバイクで転ばないための基…
タイヤの種類によって適正温度が異なります。
これを知らないと危険です。
ツーリングタイヤは20℃でもしっかりグリップしてくれます。一般的なツーリングタイヤの適正温度は20℃から30℃でグリップが安定します。
スポーツタイヤの適正温度はその中間の25℃といったところです。スポーツカテゴリーのタイヤは幅広い温度範囲で使えるよう設計されています。
ハイグリップタイヤは絶対に36℃は欲しく、少なくとも30℃以上が必要です。ハイグリップタイヤなどのスポーツタイヤの適正温度は50℃から80℃で安定する設計になっています。この温度に到達していなければその能力を発揮しません。
タイヤの種類と走行環境に応じた温度管理が必須ということですね。
タイヤ温度を確認する手軽な方法として、コーヒーブレイクの度にタイヤを触って温度が「人肌」かを確認すると、誰でも簡単確実に判断できます。真冬の街中走行では、走行開始2kmでタイヤ温度は22.1℃までしか上昇せず、安心温度の35℃に遠く及ばない状況です。
最近の高性能タイヤには、温度依存性を改善するためコンパウンドにシリカを配合するものがほとんどです。シリカ(二酸化ケイ素)を補強材として使うことが、現代タイヤの重要技術になっています。
シリカを配合すると温度依存性が下がるのが大きなメリットです。カーボンブラック100%コンパウンドは高温域での性能に優れますが、温度域の守備範囲が狭い傾向があります。
参考)明日から使えるタイヤの基礎知識をピレリ公式キャラクターのディ…
シリカ配合コンパウンドなら問題ありません。
シリカ配合のゴムは低温時の物性安定が高く、エネルギー損失が発生しにくい特性を持ちます。ゴムの分子の補強材にカーボンブラックに加えシリカを用いることで、低温時から分子間の動きに柔軟性が出て、低温時やウェット時のグリップも良くなっています。
対してシリカ配合のタイヤ特性のひとつが、熱が入った後に冷えてもゴムの弾性を保ってくれることです。これが近年のツーリングタイヤや街乗りタイヤのほとんどに採用されている理由です。
温度依存性が低いタイヤは、幅広い温度範囲でゴムの硬さや柔らかさが大きく変化しにくいように設計されています。低温でも柔軟性のあるシリカの充填量を高めることにより、温度依存度の少ない安定したグリップ特性とウェット性能を実現できます。
ハイグリップタイヤは圧倒的なグリップ力でスポーティな走りを実現しますが、グリップには温度依存がつきものです。タイヤをしっかりと暖めないと、タイヤ自体の性能を十分に発揮できません。
参考)Webikeイチオシ!おすすめハイグリップタイヤランキングT…
走行開始直後は慎重さが必須です。
タイヤを温める際は、ゴムの芯から温めることが大切です。また構造も「準備運動」が必要だと考えられており、内圧上昇との兼ね合いも大切になります。
走行したらタイヤは必然的に発熱するため、摩擦力が得られる温度まで温める必要があります。冬場は外気温も路面温度も冷え冷えで、よりタイヤは暖まりにくく、温かい時期と同じような感じで走っていると予想外の場所やタイミングでタイヤが滑ることもあります。
具体的なウォームアップ方法として、以下の点に注意してください。
参考)https://key-west-2011.com/articles/202512220951/
車体を寝かせ始めてすぐに前輪がグリップを失った事例もあります。冬の早朝・夜間は特に注意が必要で、日陰の多い住宅街やビルの影は霜や結露ができやすい場所です。
参考)為す術なし!何もないところで『いきなり』転ぶ!? 冬の早朝・…
タイヤ温度の管理不足が転倒の主な原因です。冷間時に転倒するリスクを理解して対策を取れば、安全性が大きく向上します。
スポーツ系のタイヤが温まってなくて、スリップ転倒する事例は実際に報告されています。ハイグリップ以上だと、走りだし気を付けないと転倒すると聞きます。
参考)バイクで、スポーツ系のタイヤが温まってなくて、スリップ転倒し…
厳しいところですね。
温度依存性が低いタイヤを選ぶのも有効な対策です。近年は温度依存性が低めのロードスポーツ用タイヤも増えてきましたが、それでも適した領域まで温めないと本来の性能は発揮させられません。
2020年のハイグリップ系タイヤ人気ランキングでは、温度依存性とウェットグリップが注目キーワードになっています。早い話が早くタイヤが温まればグリップ力は得られるのです。
メッツラーのSPORTEC M9 RRは、初の100%シリカコンパウンドを採用し、低温の路面でも素早くタイヤが発熱してハイグリップを得られます。ロッソコルサを上回る温度依存性の低さを誇るタイヤもあります。
冷えゴケを防ぐための知識として、真冬の街中の条件では安心温度の35℃に達せず、常に冷えゴケのリスクを抱えていると言えます。タイヤはグリップしない前提で冬場は走行し、無理な走りを避けることが転倒防止の基本です。
路面温度が低い冬に最適なタイヤの選び方について、ナップスの特集ページで詳しく解説されています
タイヤのシリカ配合技術について、ピレリ公式による基礎知識がBikeJIN WEBで紹介されています

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