

プリロードを「最強」にするほどサスが硬くなって安定すると思っているなら、それが曲がらないバイクを自分で作っている原因です。

サグ調整とは、「ライダーが乗った状態でサスペンションがどれだけ沈み込むか」を適正値に合わせる作業です。 単なるプリロード(イニシャル)調整と混同されがちですが、目的が違います。プリロードはスプリングの初期荷重をかける量であり、サグ調整はその結果として生まれる沈み込み量を体重に合わせて最適化することです。 hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
バイクメーカーが出荷時に設定しているプリロードは、「標準体重60〜70kg前後」を想定した値です。 体重が80kgを超えるライダーや、逆に50kg以下のライダーが無調整のまま乗ると、サスペンションの働く範囲がズレてしまいます。 oita.ysp-shop(https://oita.ysp-shop.com/blog/%E4%B9%97%E3%82%8A%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%81%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7)
つまり、サグ調整は「自分の体重専用のサスペンション設定」を作る行為です。
サグには2種類あります。
- スタティックサグ(0G/空車サグ):ライダーが乗らず、バイクの自重だけで沈む量
- ライディングサグ(1G'):ライダーがフル装備で乗車した状態での沈み込み量 ride-hi(https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_079.html)
この2つを比較することで、スプリングの硬さがライダーの体重に合っているかを判断します。 ライディングサグが適正範囲に入らない場合は、プリロードを締めたり緩めたりして調整します。正直なところ、ほとんどのライダーはプリロードを「もっと緩める」方向に調整する結果になります。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=MlW82yxYuSM)
参考:サグ出しの基礎概念と計測方法の詳細解説(WEBike)
https://news.webike.net/maintenance/360799/
ライディングサグの適正値は、ロードバイク・オフロードバイクで異なります。数値の根拠を知ると、なぜ調整が必要なのかが腑に落ちます。
| バイクの種類 | リア ライディングサグ目安 | フロント ライディングサグ目安 |
|---|---|---|
| ロードバイク(オンロード) | ストロークの25〜30%(約25〜35mm) | ストロークの30%(約35〜40mm) |
| オフロードバイク(モトクロス等) | 35mm前後(推奨値はマニュアル依存) | 35mm前後 |
bands447.blog.shinobi(http://bands447.blog.shinobi.jp/Entry/441/)
たとえばリアのストロークが130mmのバイクなら、130mm×25%=32.5mmが目安です。 名刺の短辺(約55mm)の約半分強、というイメージです。 ride-hi(https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_079.html)
体重が変わると必要なサグも変わります。 hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
- 体重60kg未満:プリロードを緩めにしてサグを適正値に収める
- 体重70〜80kg:多くの車種で出荷時設定に近い値になる
- 体重80kg超:プリロードを増やすか、スプリングレートが高いリプレイスサスを検討
プリロード調整だけで対応できる範囲は限られています。体重差が20kg以上あると、プリロードをどう調整してもライディングサグが適正に入らないことがあります。 そのときはスプリング交換が根本的な解決策です。いきなり部品交換が必要と聞くと驚きますね。ただしまずは計測してみることが先決で、調整範囲内に収まるライダーの方が実際には多いです。 oita.ysp-shop(https://oita.ysp-shop.com/blog/%E4%B9%97%E3%82%8A%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%81%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7)
参考:体重・プリロード・サグの関係を詳しく解説(ride-hi.com)
https://ride-hi.com/pickup/ride-knowledge_079.html
工具は最低限で大丈夫です。 hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
- メジャー(巻尺)
- リアタイヤが浮くタイプのスタンド(またはセンタースタンド)
- メモ帳とペン
- 作業を手伝ってくれる人(いると格段に正確になる)
リアサグの測定手順
1. スタンドでリアタイヤを浮かせた状態(0G)で、アクスルシャフトの中心からフェンダー裏の基準点までの距離を測る(数値A) hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
2. バイクを地面に降ろし、ライダーが乗らない状態で同じ箇所を測る(数値B)。A−B=スタティックサグ
3. ライダーがフル装備で乗車し、ステップに両足を乗せた状態で同じ箇所を測る(数値C)。A−C=ライディングサグ hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
ライディングサグが適正値より大きい(サスが沈みすぎる)場合はプリロードを締めて増やします。逆に適正値より小さい(あまり沈まない)場合はプリロードを緩めます。 プリロードを変えると前後の車高バランスも変わるので、フロントを変えたらリアも再測定するのが原則です。 fuma(https://www.fuma.jp/category_mtb/3119/)
一人で作業する場合、ライダー側が乗車姿勢を保ちながら数値を読み取るのは難しいです。 タイラップや専用ストロークセンサーをフォークに巻いておくと、乗降時のサスの動きを記録でき、一人作業でも精度が上がります。 initialt.hatenablog(https://initialt.hatenablog.com/entry/2020/04/09/221824)
参考:一人でのリアサグ測定の具体的な方法(はてなブログ)
https://initialt.hatenablog.com/entry/2020/04/09/221824
サグが適正でないバイクは、見た目では気づきにくいまま操縦性が悪化します。これは危険ですね。
体重が重いライダーがプリロードを調整せずに乗ると、リアサスが沈みすぎてバイクが後ろ下がりの姿勢になります。 この状態だとフロントフォークのキャスター角が寝てしまい、ステアリングが重くなってコーナーで曲がりにくくなります。逆に体重が軽いライダーがプリロードの強い状態で乗ると、リアが高くなりすぎてフロントへ荷重が集中し、リアが流れやすくなります。 oita.ysp-shop(https://oita.ysp-shop.com/blog/%E4%B9%97%E3%82%8A%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%81%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7)
どちらも「なんとなく乗りにくい」と感じる原因になります。 motofreak(https://motofreak.jp/?p=4489)
サグが適正範囲からたった5〜10mm外れるだけで、キャスター角が変わり直進安定性とコーナリング性能の両方に影響します。 10mmの差を「はがきの厚み数百枚分」と言うと大げさに聞こえますが、サスペンションの世界では十分大きな誤差です。 ride-hi(https://ride-hi.com/nemoken/oshiete-nemoken_150_20240206.html)
また、サスの沈み込みが大きすぎるとフルボトム(底突き)しやすくなり、着地の瞬間に突き上げ感が発生します。 この状態が続くとサスペンションの内部部品に過大な負荷がかかり、オーバーホール費用(一般的に3〜5万円前後)が想定より早く発生することもあります。 reddit(https://www.reddit.com/r/Trackdays/comments/1bi67ij/should_front_and_rear_sag_be_the_same/)
サグ調整は安全と費用の両方に直結します。
ソロ走行でサグ調整をしっかり合わせても、タンデムや荷物積載の瞬間に設定は崩れます。これは見落とされやすいポイントです。 hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
タンデムで後席ライダー(約60kg)を乗せると、リアサスへの荷重が大幅に増えます。ライディングサグが適正の30mmだったとしても、タンデム時には50mm以上になることは珍しくありません。 設定のままでは後述の「サスが沈みすぎ→曲がらない」問題が再発します。 oita.ysp-shop(https://oita.ysp-shop.com/blog/%E4%B9%97%E3%82%8A%E5%BF%83%E5%9C%B0%E3%82%92%E6%B1%BA%E3%82%81%E3%82%8B%EF%BC%81%E3%82%B5%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E8%AA%BF%E6%95%B4%E3%81%AE%E9%87%8D%E8%A6%81%E6%80%A7)
対策として有効なのは、乗車条件別にプリロード設定値をメモしておくことです。
- ソロ走行:プリロードリング位置 ◯段目
- タンデム走行:プリロードリング位置 △段目
- ツーリング荷物あり:プリロードリング位置 □段目
このメモを一度作っておくだけで、毎回の計測が不要になります。
ここで使えるのが、工具なしで手軽にプリロード変更できる「プリロードアジャスター」です。 ZETAなどのメーカーから販売されており、スパナ不要でリングを回せる構造になっています。条件が変わるたびにすぐ対応できるので、ツーリングライダーには特に実用的です。タンデムが多い方は1つ持っておくと重宝します。 youtube(https://www.youtube.com/watch?v=XcbAj1Cj2dg)
また、シーズンをまたぐごとにスプリングが馴染んで自然にサグ値が変化することも覚えておきましょう。 「去年は合っていたのに今年は乗りにくい」と感じる原因の一つがこれです。1シーズンに1回の再計測が推奨されます。 hqv-tokai(https://hqv-tokai.com/%E3%82%B5%E3%82%B0%E5%87%BA%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%8B%EF%BC%9F%EF%BC%9F%E6%80%A7%E8%83%BD%E3%82%92100%E5%BC%95%E3%81%8D%E5%87%BA%E3%81%99%E5%84%80%E5%BC%8F/)
参考:プリロードアジャスターの種類と選び方(ダートバイクプラス)
https://www.dirtbikeplus.jp/products/list?name=リアショックプリロードアジャスター

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